• 前田はプロ内定の相手にまったく仕事をさせないディフェンスを見せた=明治大学八幡山グラウンドで(宮下 響撮影)

  • 怪我から復帰した森本は少ない出場時間の中で奮闘。同じ高校の明大・川上には必死に食らいついた

  • 松村は6月以来の無失点ゲームを後方からリード

  • 高橋は競り合いで苦しみながらも、スピードで相手を翻弄した(菅原 菜央撮影)

  • 相手の中盤の展開力を封じたのは横山の粘り強さだ

決死のディフェンスで完封!宿敵相手に“手応えアリ”の勝点1

[サッカー部]JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦 第16節・明大戦(2019年10月17日 15時16分)

JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦 第16節・明大戦が10月14日、明治大学八幡山グラウンドで開催された。結果とメンバー(駒大のみ)は以下の通り。

【スコア】
駒大0-0明大


【メンバー】
GK
1 松村 優太郎[4年=長崎総科大附高]

DF
20 小幡 祐稀[3年=東京Vユース]
3 星 キョーワァン[4年=矢板中央高]
6 猪俣 主真[2年=三浦学苑高]
17 前田 武勇[4年=広島ユース]

MF
24 米田 泰盛[3年=駒大高]
8 横山 玄徳[4年=千葉U-18](→79分 12 竹上 有祥[4年=駒大高])
10 薬真寺 孝弥[3年=長崎総科大附高]
13 江崎 巧朗[2年=ルーテル学院高]
14 米田 大介[3年=浦和東高](→86分 26 中間 俊亘[3年=瀬戸内高])


FW
9 高橋 潤哉[4年=山形ユース](→70分 11 森本ヒマン[3年=矢板中央高])

【SUB】
GK 22 杉本 陸[3年=新潟明訓高]
DF 15 藤田 比呂[4年=札幌大谷高]
DF 19 松村 王貴[3年=洛北高]
MF 7 荒木 駿太[2年=長崎総科大附高]

ここ2試合はこれまで勝点3を得てきた早大、専大に連敗を喫し、後期まだ勝利をつかめていない駒大。ここからは上位との対決が立て続けに控えており、ここでポイントを積むことがインカレ出場の鍵となる。今節はすでに今年3敗を喫しているだけでなく、大学生相手に15連勝と絶好調の明大と対戦した。

台風の影響で延期となったこの1戦だが、「そんなことは知るか」と言わんばかりの強い雨が降りしきる中でキックオフ。前半開始から明大が両サイドに大きく展開するおなじみのサッカーを構築してくるが、復帰2戦目で安定感を増した星を中心に落ち着いた対応を見せる。誰か1人がかわされても、素早いフォローでボールを刈り取る組織的な守備を披露した。一方の攻撃陣は小気味良いパスで起点こそ作るものの、ロブパスの連携がいまひとつ。1トップで再三の上下動を繰り返した高橋の悔しい表情が目立ってしまった。米田大介のクロスにダイビングヘッドで合わせた江﨑がゴールネットを揺らすシーンもあったが、ここはファウルの判定に。互いにつばぜり合いを切り崩せず、試合を折り返した。

後半は開始早々からギアを上げてきた明大を前に、守備に比重を置かざるを得ない展開に。しかし、ここでも球際のデュエルを一切怠らなかった守備陣が、ラグビー日本代表ばりの決死のディフェンスを見せつけた。際どいタイミングでのスライディングはノーファウルでボールを奪い、GKがかわされた無人のゴールは数人が身を呈して守りきった。ここで秋田監督は高橋に代え、総理大臣杯以来の復帰となる森本と、副将の竹上を投入して一気に勝負に出る。しかし、復帰直後の森本のコンディションは100%とは言えず、川上優樹を中心とする明大ディフェンスに抑えられてしまう。竹上も森本に合わせるようなプレーで体を張ったが、明大ゴールを破れず。

ここで試合終了となり、3試合ぶりに勝点を獲得。白星こそつかめなかったが、粘り強いディフェンスで大学歴代屈指の攻撃陣を完封したことは今後に向けて大きな試金石となった。次節は例年以上の爆発力を持つ桐蔭大との1戦。前期は味方の負傷を治療している間に失点をする悔しい試合となったが、今度こそ勝点3を掴み取りたい。

◆秋田 浩一監督
「(明大を相手に完封したことについて)ディフェンスは頑張っていた。一生懸命やっていたし。両サイドを使ってくるサッカーをしてくるという話をしていたんだけど、なかなか理解ができていなかった。小幡はバテてたけどなあ(笑)でも、みんなで声を掛け合っていたのでよかった。(攻撃陣に足りないところは)昨日のラグビーじゃないけど、日本はこうやる、というように駒大はこうやる、というのを高橋潤哉や森本ヒマンが吹っ切れないでやるから。高橋潤哉が競る時は必ず人に対してだから。ボールに競りに行けばファウルにならないのに、人に競りに行くから。それも技術なんだけど、全てボールに行けば反則は起きない。あとはゴールを取るゲームだから、それが徹底できないのはストライカーとして寂しい。(4年生の起用が増えたように見えるが)(人が)いないんだよ(笑)怪我しているし、今いる中でいい人が4年生なの。『困ったら4年生』という僕のポリシーもあると思うんだけど、人がいないのが現状。あれでやるしかない。(次の試合に向けて)今日もスピードがあって攻撃力が高いチームだった。桐蔭大も前はみんな早くてうまいので、粘っこくやるしかない。今日も粘っこくやっていたので、それは評価できる。次も諦めないで、1人じゃなくてみんなでやることが大事だと思う。そういう意識を持ってやってくれればなあ…と思う。1人で止めるのはうちの両サイドでは厳しいのかなあとも思うけど、まあ、やってみなきゃわからないですから!頑張って欲しいと思う。それにプラスして、前の人間たちが強い意志を持ってやって欲しい」

◆星 キョーワァン(法4)
「(今日の試合をふりかえって)前節に自分が復帰して、勝てなくてチームに迷惑をかけてしまった。今日はチームのために最後で体張って、とにかく失点しなければ負けることは無いから、それだけを考えてやっていた。(特に意識したことは)相手の動きだしが速い。そこは集中を切らさず、ディフェンス内の4枚で声掛け合いながらやっていた。相手の背後への動き出しに関しては特に声を掛け合いながらやっていた。(それは明治大学相手だからとりわけか)前回、前々回等全て動き出しの部分で失点する時にやられているので、そこをとにかく意識した。後ろはシンプルにプレーして、雨だったということもあり後ろでのミスをなくすということを考えた。(0-0で終わってしまったが、勝ちきれない要因は)点が取れないというのは日頃の積み重ねでしかない。セットプレーが自分も含め何本もあった。練習からやり続けてその積み重ねが最後に点を取れるかどうかに繋がるから、みんなで意識してやり続けたい。(台風の影響が大きかったと思うが、練習状況などは)一昨日が完全に休みで寮待機だった。昨日はグラウンドが使えなかったので、15時くらいから監督のミーティングを聞いて、その後は色々なところで走って、河川敷でボールを蹴ってという感じ。いつもと違ったが、自分たちがやることは変わらないから気にしていない。むしろいい意味で開き直れたと思う。(明治大学の32番が自身より背の高い選手だったが)あの選手が出てきたら自分が競るしかないと思っていた。競るタイミングを変えれば相手より早くボールに触れると思っていたから、相手に合わせず自分のタイミングでやった。(ヘディングでは競り勝てていたように見えたが)そこは自分のストロングポイントで、相手に関係なくどんな時でも負けてはいけない。自分の責任を果たすためにやった。(チーム状況は)夏以降けが人が多い。自分も含めチームに迷惑を掛けていたが、けが人が戻ってきて取り返そうという思いでやり続ければいい方向にいくと思う。自分自身もそういう思いで残りのリーグ戦頑張りたい。(次戦の相手は桐蔭横浜大だが)この4年間ほとんどまともに勝てていない。相手をリスペクトして、今日のようにみんなで戦って粘り強くやればチャンスは来ると思う。とにかく失点しなければ負ける試合はない。しっかりこらえてチーム全体で守備の意識を持って次は勝ち点3取って上位に食い込めるように頑張りたい」

◆松村 優太郎(市4)
「(久しぶりの無失点だが)無失点は正直嬉しいが、キックが全然だめで課題の残る試合だった。勝ちたかった。ただ、明治に引き分けたのは自信にもなるし、次につなげたい。(明大対策は)今連敗しているので、相手が明治ということよりも、まずは1勝しないといけないという気持ちだった。後ろから見ていて、勝ちたい気持ちがすごく見えた試合だった。(台風で1日順延になったが)一昨日は寮待機で、昨日は学校側から玉川校舎に入るなと言われ、グラウンドが使えず、寮から走りに行って公園でトレーニングする感じだった。逆に雑草魂というか、俺らはそういう感じの方がいいのかなと思った。(出雲駅伝で山下一貴選手が1区2位と好走したが)同じで長崎出身で友達。駅伝はすごいけど、普段はマジで適当な奴で、面白い。高校が近くて、受験の時に仲良くなった。受験の席が、俺が1番前で、その後ろにあいつがいて、そこから友達になった。グラウンドでもあいつがジョグしてる時に『ちゃんと走れよ』とおちょくって、『うるせぇよ』『おう』とやったり(笑)。(出雲駅伝前に連絡は)今回はしていないが、毎年箱根駅伝の前はLINEで『頑張って』みたいな連絡はしている。(次戦に向けて)次も無失点で、絶対勝てるように。練習からいい雰囲気で、取り組んでいきたい」

◆前田 武勇(国4)
「(90分を振り返って)相手が裏に何回も走ってくるとわかっていた。運動量で負けないで、守備が粘って0点で抑えれば負けないと思っていたので、とにかく走ろうという気持ちでやった。(明治を相手無失点で抑えられたことに関して)ディフェンスラインで声をかけてやれば、0で抑えられるという自信になった。勝てなかったのは残念だったけれど、次につながると思う。(ケガを乗り越えてスタメンに定着しているが)最初にケガをした時は『終わったな』と思った。でも、徐々に治っていくうちに『やらないといけない』という気持ちになった。復帰してしばらく思い通りにプレーできない時期が続いていたが、そこを切らさずにやった。監督に使っていただいているので、自分は頑張るだけ。(4年生の一体感はあるか)4年が引っ張っていくという気持ちで全員がやっていると思うので、そこは4年を中心にやっていって下の学年がついてきてくれれば、強いチームになる。4年が頑張らなくてはいけない。(次戦に向けて)今日みたいに声を掛け合って諦めないでやれば抑えられると思うので、頑張りたい」

なお、次節は10月20日、三ツ沢公園陸上競技場にて11:30より桐蔭大と対戦する。

◆三ツ沢公園陸上競技場
〒221-0855 神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢西町3−1
市営地下鉄「三ツ沢上町」駅徒歩15分
市営地下鉄・JR・京急・相鉄・東急「横浜」駅から、市営バスまたは相鉄バス「三ツ沢総合グランド入口」下車

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