• 渡辺は強い思いを胸に戦った=山梨学院大学テニスコートで(岡田あおい撮影)

  • 学生最後のダブルスを戦い抜いた梶谷

  • これからのチームを引っ張る日暮

  • 森島は1部との実力差を実感した

  • 1年生ながらリーグで存在感を出した谷井

死闘を乗り越え主将・渡辺が勝利も1部はまだ遠く…山学大に敗戦

[硬式テニス部](2019年09月20日 19時42分)

関東学生テニスリーグ入替戦・山学大戦が9月20日、山梨学院大学テニスコートで行われた。
リーグ戦はダブルス(以下、D)2本、シングルス(以下、S)5本の合計の勝利数で争われる。結果は以下の通り。

<ダブルス>
D1●清水里咲・谷井涼香 0(2-6、5-7)2 ◯松本安莉・鈴木沙也加
D2●梶谷亜未・日暮春香 0(1-6、3-6)2 ○西里夏子・安部有紗

<シングルス>
S1●日暮春香 0(1-6、1-6)2 ◯松本安莉
S2●谷井涼香 0(4-6、3-6)2 ○西里夏子
S3●森島優 0(1-6、0-6)2 ○安部有紗 
S4○渡辺安美 2(7-5、1-6、6-4)1 ●石野碧 
S5○清水里咲 2(1-1、ret)0 ●芝田詩帆

入替戦の相手は昨年0−7で敗れている山学大。今回はリベンジマッチとなった。
2部リーグでは負けなしだったD2の梶谷・日暮ペアは相手のポーチに苦しめられる。梶谷のサービスゲームをキープするもそのまま1−6でセットを落とした。セカンドセットは力強いストロークで応戦するも、流れは変えられずストレート負けを喫した。
D1の清水・谷井ペアはファーストセット、1−1で迎えた清水のサービスゲームをダブルフォルトでブレイクされ、ゲームを握られる。谷井はストレートを抜くショットで会場を沸かすも1ブレイクもできないまま2−6でセットを献上。セカンドセットでは前衛での清水の動きが光る。谷井もコート深くまで刺さるストロークを使って4−0まで追い詰めるも4ゲームを連取されイーブンに戻されてしまう。勢いに押され簡単なミスが増え、5−7で敗北した。
0−2でリードを許しながら迎えたシングルス。江口総監督は「前回上がった時もダブルス0−2からの逆転勝利だった」と落ち込むチームに声をかけた。
S5清水の試合ではハプニングが発生。清水が打ったドロップショットに対応しようと前に出た相手がその場で転び立ち上がれなくなってしまう。そのまま相手の途中棄権により勝利。計6ポイントのみで勝負であった。
S3の森島はラリーで甘く返った球を叩かれ1−6で失セット。セカンドセットでも調子が上がってきた相手に左右に動かされ、1ゲームを奪えず0−6で力の差を見せつけられた。
S2の谷井は3−2でのリターンゲームをブレイクしな流れに乗るかと思われたが直後のゲームでブレイクバックされてしまう。その後の自身のサービスゲームをダブルフォルトで失4−6で失セットとなった。セカンドセットも3−3のサービスゲームをブレイクされるとその後もゲームを奪われストレート負け。
S4の渡辺はファーストセットをコースを狙った力強いショットでもぎ取る。セカンドセットでは一転、相手のプレーについていけない場面が目立ち始める。調子が上がりきらず、セットを奪取されると勝負はファイナルセットまでもつれ込む。一進一退のラリー戦を「最後は気持ちで持っていった」と気迫のプレーでものにし、勝利。大学最後のテニスを笑顔で終えた。
S1の日暮は随所で持ち味の粘りのプレーを見せるも格上相手に歯が立たず敗北となった。

◆江口淳一総監督
「相手の方が1枚も2枚も上手(うわて)だったかなと。ダブルスがもっと様になるかなと思ったけれど、相手の思うようにやられた感じで、うちのいいところを出せずに終わってしまった。明るさを出す前に終わってしまっていたので、そこが悔やまれる。シングルスになるとちょっと『いけるかな』という場面もあったのでダブルスから勝つぞという雰囲気に持っていけなかったのが残念。でも4年生が上下関係のこととか、なかなかやりづらかったかもしれないが変えてくれて、今本当に良いチームになってきた。4年生には感謝している。この夏を通してテニスのレベルもすごくアップしていたので、こんなに(相手に)やられるとは思っていなかった。なんて声をかけたらいいかわからない。本当に感謝しかない。(昨年も同じ場所で入替戦だったが)上入替を相手校でやることはもうわかっている。昨年もやったからもう少し普通にできるかなと思ったが、相手は早稲田にも勝ってるチームだったし、本当に相手が上手かった。(新チームに期待することは)推薦で補強もできると思う。渡辺(安美)、梶山(亜未)、金山(晴菜)が抜ける穴は大きいが、ちゃんと補強できると思う。かなりチームが若返るので、この悔しさをバネにやるしかない。(新チームでの目標は)もう1回上入替をやること」

◆渡辺安美
「(今日の試合を振り返って)1年生の時の春カンのインカレ予選であたった相手だった。その時にファイナル(セット)競って負けた相手で、今日はリベンジのつもりでやった。山学大の選手はみんなボールを拾って、気持ち的にも体力的にも全てにおいて結構きつい場面がすごく多くて、その中でも今日は打てるところはしっかり打って、我慢するところは我慢してというふうにやっていこうって決めて入って、それが徹底して最後までできた。ファーストセットの最後のゲームに足がつって、セカンドセットはそれで結構動けなくてというのがあった。ファイナルセットの後半くらいから少し楽になったが、また最後のほうに足がつって、気持ちで全部持っていったかなというのが一番ある。『勝ちたい』っていうすごく強い気持ちだった。今日が一番(勝ちたい思いが)強かった。『何が何でも勝ってやる』というそれだけの気持ちで今日は戦った。全部を本当に出し切れたので、個人の試合としては悔いはないかなと思う。
(主将になってからの1年間は)もう一回、1部入替え戦の舞台に立ちたいので、(昨年)0―7で負けているのでリベンジということでも強い気持ちがあった。主将といてチームをまとめていく中で、葛藤とか『これでいいのかな』と悩んだときもたくさんあったが、本当に3年生や後輩が助けてくれた。本当に頼もしい後輩で『大丈夫ですか』とか『私たちにできることあったら言ってください』とか。そういう言葉に本当に救われて、ここまで1年間主将としてやってこれたはと思っていて、後輩たちには感謝しかないなと。ありがとうの一言じゃ伝えきれないくらい感謝している。もちろん同期のあみとななにも、私がフルで参加できないときとか、すごく負担をかけていたが、それでも『安美は安美のペースでいいよ』とか、文句の一つも言わず私のことを助けてくれてくれて、本当に同期にもたくさんたくさん救われた。本当にあみとななが同期で良かったなと思う。この3人でいいチームになれて良かったなと。いまは本当に感謝の気持が出てくる。
(監督、コーチに伝えたいことは)江口監督は、先ほども言ったが、前は倒れたり結構たくさん迷惑や心配もかけたが、それでも見捨てないで『安美はできる』とずっと言ってくれて、指導してくださった。おかげでこの2年間やり抜くことができた。本当に監督にも感謝でいっぱい。監督と言葉が結構好きで、元気になるというか、それで緊張が和らいだりもしたので、個人的には監督の応援につきるかなと。八木監督も本当に戦術もそうですが、メンタルとか日常生活のこともたくさん相談に乗ってくれた。江口監督同様、見捨てないで最後まで私のことを指導してくれたおかげでここまで良い結果を残すことができたなと思う。リーグでも6戦私が全勝することができたのは監督のおかげだなと思って、最期の最後に個人としてはいい結果で終われたのは、江口監督、八木監督、皆のおかげだなと。本当に感謝の気持ち。
(他に感謝を伝えたい人は)やはり家族。ここまで上手くいかなくて泣いたり悩んだりしたときに支えてくれたのは家族の存在だった。励ましてくれる『大丈夫だよ』や『安美の思った通りにやればいいよ』など支えてくれて。その支えがあったから、私はくじけずここまで4年間やり続けることができたなと思うので。本音が言える存在なので、たくさん相談に乗ってくれて、一番の私の理解者なので。そういう意味で本当に感謝したいと思う」

◆梶谷亜未
「(試合振り返って、ダブルスどうだったか)はやり1部の壁は高かったが、私自身は持っているものを出せた。(4年間を振り返って印象的なことは)(しばらく考えて)やはりこの前の夏関は初めて表彰式まで行けたので、しかも(4年間の)最後の最後に。4年間の集大成が出せた試合だったかなと思う。(4年間の中で1年生の時が大変だったと聞いたが)やめたいというより本当にきつかった(笑)。その時に同期の二人と『私たちが上級生になったときにこのチームを変えよう』ということだけを目標にやってきた。入ってきた後輩が皆素直でいい子たちで、そこに私たちは皆に救われて。こうして(良い)チームを作れたのは良かったなと思う。(一番大変だったことは)1年生のときは本当につらかった。(何がつらかったか)全て(笑)。(一番楽しかったことは)この1年間は本当に楽しかったなと思う。(どういうところがか)皆仲良く、変な上下関係もなく、本当に素直でかわいい後輩たちで。個性が強くて動物園みたいだったが(笑)。毎日笑わせてくれて楽しい1年間だった。(後輩に伝えたいことは)私たちが叶えられなかった1部昇格を叶えてほしい。本当に頼もしい後輩たちなので、来年こそ上がってほしい。(同期へメッセージ)本当にありがとうしかない。(どういう場面で支えられたのか)きつい場面も逃げずに一緒に頑張ってくれたし、リーグ戦などをやっている中で同期の応援は本当に心に響くものがあって。上手くは言えないが、いい同期。(監督、コーチへは)大した結果も出なかったが、ここまで見捨てずに成長させてくれたことに感謝しかない。やはりきつい時とかも監督たちの声に助けられてきた4年間だったので、本当に駒大に入れて良かったなと思う。(テニス部とはどんな存在か)『家族』。居場所というか。ここに来たら頑張れる場所だった。(この経験を今後どうつなげたいか)4年間たくさん色々なきつい思いもしたが、それを乗り越える経験をさせてもらった。社会人になっても、どんなことがあっても乗り越えられる気がするので頑張りたい」

◆金山菜々
「(4年間を振り返って)1年生の頃がきつい環境で、あまりいいチームではないなと感じていた。自分たちの代になったら『この駒大絶対変えようね』と(同期)3人で話し合って。今の3年生には1年生の頃にきつくあたってしまったり、あまり変えられなかったりもあったが、今はこうやって1年生から4年生まで素直に話せるし、チームが負けていても最後まで全力で応援している姿を見て『変わったな』と思う。1部でも戦える強さになったので誇らしく思うし、これからたくましい後輩たちに駒大を来年絶対1部に上げてほしいと思うので、信じて待っている。(自分の中で印象的だったこと、思い出は)1年生の時のボール拾いで走り回っている姿とか、もはやそれがトレーニングみたいになっていて。今思えばいい思い出だなと思う。(同期へメッセージ)本当に支えられてばかりだったので『ありがとう』と、最後まで戦ってくれてありがとうございましたというのを伝えたい。(後輩に伝えたいことは)もっといいチームにして、来年は1部から怖がられる駒大にしてほしいと思う。(監督、コーチには)4年間ありがとうございましたということと、最後まで結果はそんなに出せなかったが、自分の納得いく4年間にできたので、全力でやり切れたという思いはあるので本当に良かった。(テニス部とはどんな存在か)『宝物』。人生で一番くらいの宝物。仲間に支えられて、4年間やってこられて本当に良かった」

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