• ペアでの最後の試合となった日野(右)・田村(左)ペア=中央大学テニスコートで(岡田あおい撮影)

  • 自身のシングルスを「悔しいの一言に尽きる」と語った黒澤(小野美早紀撮影)

  • 不調ながらも懸命にプレーした平林

  • 渡邊は佐藤とのペアで全勝できた嬉しさをにじませた(菅野真由子撮影)

  • タイブレークで惜しくも敗戦した中山(岡田あおい撮影)

入替戦、マッチポイントを取りきれず中大に敗戦。4年生は1部昇格の思い託し引退…

[硬式テニス部](2019年09月22日 14時46分)

関東学生テニスリーグ男子入替戦・中大戦が9月21日、中央大学多摩キャンパステニスコートで行われた。
リーグ戦はダブルス(以下、D)2本、シングルス(以下、S)5本の合計の勝利数で争われる。結果は以下の通り。


D1○日野勇人・田村迅 2(6-3、4-6、6-4)1 ●望月勇希・井上隆也
D2●黒澤陸人・平林輝 0(3-6、3-6)2 ○清水一輝・池田悠人
D3○渡邊康二・佐藤悠樹 2(6-2、6-2)0 ●杉山和誠・小峰良太

S1●平林輝 0(1-6、1-6)2 ○望月勇希
S2●中山樹 0(2-6、6-7(3))2 ○清水一輝
S3○田村迅 2(4-6、6-2、6-2)1 ●星木昇
S4●黒澤陸人 1(2-6、6-2、5-7)2 ○池田悠人
S5●日野勇人 2(6-4、2-6、4-6)1 ○杉山和誠
S6●佐藤悠樹 0(1-6、5-7)2 ○小峰良太

 D3渡辺・佐藤ペアの相手はインカレベスト8の格上。最初のリターンゲームをブレイクすると、渡辺のストロークが冴えわたり、ファーストセットをものにする。セカンドセットでも勢いは止まらず、5−2で迎えた第8ゲーム。佐藤のキレのあるサーブが決まり、格上相手に勝利を持ち帰った。
 D2の黒澤・平林ペアは相手にリードされる展開が続き3−6ファーストセットを落とす。続くセカンドセット、黒澤がボレーで果敢に攻め第7ゲームをブレイクする場面も見られたが、最後まで勢いに乗れずストレート負けとなった。
 D1の日野田村ペアのファーづとセットはブレイク合戦となる。日野が相手ペアの間を狙う芸術的なショットでキープ。このゲームで流れを引き寄せ6−3でセットを奪った。セカンドセットで田村のサービスゲームがブレイクされると強烈なサーブでポイントを稼がれセットを献上。ファイナルセットは3ゲームを連取するし先行するも、直後から4ゲームを連続で奪われる。相手に流れが傾く中3−4で迎えたリターンゲームで日野の「強気でいったれ!」という言葉に田村が呼応。相手の前衛を抜くストレートショットでゲームを奪うと、最後はデュースを制し、試合終了。ダブルスを2−1で折り返した。
 S6の佐藤は、左右に振り回されるゲームが続き、1−6でセットを失う。セカンドセットでは長いラリーにも粘り続け、5−5まで持ち込むも、あと一歩及ばずストレート負け。
 S2の中山は自身のサーブの入りの悪さに苦しむ。ダブルフォルトでサービスゲームを落とすとリターンゲームでは清水(中大)からの、強烈なサーブの餌食に。走り回って繋げるプレーでなんとか粘るも2−6でセットを落としてしまう。セカンドセットはタイブレイクまで持ち込むも地力の強さを見せつけられ敗北した。
 S4の黒澤は相手のペースに持ち込まれファーストセットを2−6で奪われた。しかしセカンドセットからはボレーやショットが次々と決まり第5ゲームと第7ゲームをブレイクする。6−2でセットを獲得し勝利の行方はファイナルセットへ。5−5まで持ち込む接戦となったが力及ばず敗北した。
  S1の平林は格上の相手に長いラリー戦で粘りを見せるも終始主導権を握られてしまう。ファーストセット、セカンドセカンドともに1−6で落とし、力の差を見せつけられた。
S5の日野は5−4で迎えた第10ゲームを鋭いサーブでもぎ取りセット獲得。しかしセカンドセットは集中力が続かず献上となる。最終セットは4−1とリードするも、気持ちが途切れた隙を付かれる場面があり、連続でポイントを奪われ敗北となった。
 S3の田村はファーストセットで深くまでうねで込んでくる相手のストロークに苦しむ。サービスゲームをダブルフォルトで取られると失セット。セカンドセットでは第4ゲームでブレイクを果たすと先行し続けセットを奪取。ファイナルセットまでもつれ込んだ試合は「技術とかじゃなく意地とプライドと気合で戦った」と鬼気迫るプレーを見せる。ポイントが決まるごとにチームメイトに向かって吼え流れを引き寄せ6−2で勝利。学生生活最後のゲームを白星で彩った。

◆江口淳一総監督
「(今日の試合を振り返って)残念の一言。ダブルスを2−1で折り返して、しかも勢いを持って勝てたので、シングルスもそのまま行けるかなと思ったが、下3本のうちマッチポイントがあったり惜しい試合で、1本も取れなかったのは想定外だった。上3本の中大さんの選手はすごく強いので、上で2本以上獲得するのは想定としては難しかったので、下3本1本も取れなかったのが敗因。選手たちはすごくよく頑張ってくれた。自分のやってきたことを全部出せたのではないかなと思う。中大さんは後半に行くにしたがってどんどんプレーの質が上がってきて。うちは単複出ているのもあるが、どちらかというと後半にパフォーマンスが下ってきたところが見受けられたので、まだまだかなと思った。(引退する4年生の代について)この代は男女ともに強かったし、関東学生の本戦やインカレの本戦にあがって、しかも上位入賞食い込める選手たちだった。下級生に自分たちにもできるということを示してくれた結果こういうチームができてきたと思うので、4年生には感謝している。後輩たちはみんな思いを受け継いでくれたのではないかと思う。(次の代について)この4年生の穴を埋めるのは並大抵のことではない。相当頑張らないと埋めきれないので自覚を持って頑張ってほしい。(この4年生たちは)本当に強い。インカレベスト4だったりとか、そういうペアもいたので、まずは(後輩たちも)個人戦で成績を残すというのを目標にやって、みんなが質を上げていった結果、チームが今年のようなチームになれば良いかなと思う」

◆日野勇人主将
「(今日で引退となったが)正直、悔しくないことはないが4年間やりきったので充実感の方が大きい。(ダブルスの試合は)毎ポイント全部集中していたのでここがあったから取ったというのは特になかった。ただ最後のゲームブレイクできたのはすごく大きかった。(シングルスは)前半子ここ1年間で一番調子がいいくらい集中していた。入りも良かったし足も動かすことができた。ただ試合中に(他の)シングルスが1本も取れていなくて、平林も含めてコートにいる日野・田村・平林が取らなければいけなくなってしまった。平林が少しケガをしていて(チームの勝敗は)ほぼ決まったみたいになっていた。(試合を)僕たちが落としたのがダメだったので4年の責任。(4年間を振り返って)僕は1年の頃からレギュラーだったのでキツい仕事とかは無かったが、同期のみんなはボーラーとかでキツいはずなのに色々尽くしてもらった。1年の頃田村にガットを張ってもらった。田村は朝から夜までテニスコートのにいるのに僕のためにガットを張ってくれて本当に感謝しかない。(印象に残った思い出は)昨年度のインカレダブルスベスト4。あんな成績を出したのは今までなかったし、出せるとも思ってなかった。田村と息が合って息が合って(笑)。あれは自分の中でも思い出に残る試合。(主将としても4年間は)最初はやはり慣れなかったので色々後輩からの不満もあったし、うまくまとまらないなという気持ちが自分の中にあった。でも少しずつみんなも僕らに合わせてくれた部分もあるし、僕がみんなのことを考えられるようになったと思う。僕のチームマネ自然と力が足りなかったので、1部に上がれなかったと思う。そこに関しては悔しい思いがある。(後輩たちにメッセージは)一つ一つ大切にしてほしい。今の下級生は真面目すぎるところがあるので強くなるためにみんなバカになって練習してほしい。(監督・コーチには)今となっては感謝しかない。自分は中々の問題児だったと思うがそんな僕でも練習を見てもらってここまでの自分にしてもらえたので感謝している。だた今日勝って『日野は(チームを1部に昇格させた)伝説の男だった』と言わせられなかったのが残念(笑)。(同期への想いは)『支えてくれてありがとう』という気持ちしかない。自分が干されかけた時も熱い言葉をかけて引き戻してくれた。いい存在だった。『ありがとう』と本当に伝えたい。(駒大テニス部は)人生のよりどころ」

◆黒澤陸人
「(今日の試合を振り返って、ダブルスは)パートナー(平林)のコンディションもあまりよくなく、その中で何ができるか考えていた。悔いなく終わろう、自分が持っているもの全部出そうと思っていたが相手の方が勢いがあった。自分たちも勢いに乗れなくて、そこで負けてしまった。毎回相手にリードされた場面が多かったがセカンドセットの中盤で自分からボレーで決めることができた。そこはよかったと思う。(シングルスは)悔しいの一言に尽きる。最初からどんどん攻めていけたがファイナルセットの終盤はボールを置きにいく場面が多くてそこが決まらなかった。やっぱ1部だなと感じた。(4年間の思い出は)同期に巡り合えたこと。1年生のころから1部昇格を目指していたがそのころは2部残留が目標のチームだった。ここまで同期と励まし合って辛いことも乗り越えてきたのが本当にいい思い出。1部昇格ができなかったのが悔しい。しかし1部昇格を目指したからこそいいチームができたと思う。(4年間で辛かったことは)今日の試合。(4年間で印象的だった試合は)自分が2年生のころ鄭さんという人が主将で、とてもいい主将でとてもいいチームだった。その時は(駒大は)3部で、2部との入れ替え戦の時自分がシングルスで勝ってチームに勢いをつけることができた。その試合が印象的。(後輩、同期、監督、コーチに伝えたいことは)同期には感謝しかない。後輩には自分から強気な言葉でどんどんやって欲しい。監督、コーチたちはどんなことも受け入れてくれた。本当にいいスタッフ陣だったと思う。(日野選手が黒澤選手は支えになっていたと言っていたが)とても嬉しい。自分が1年生のころ1部を目指したいと言ってついてきてくれたのは同期だった。ここまで来ることができたのは自分だけじゃなく同期のおかげだと思う。(テニス部とはどのような存在か)難しいな(笑)。血の繋がった兄弟みたいな存在」

◆田村迅
「(引退の実感は)悔しいので実感沸きたくないまだこのチームで戦いたいし、1部昇格させて後輩たち戦わせたかった。(今日のダブルスは)足を引張てしまう部分があった。リターンが苦しかった。だけど自分が落としても日野が1本とってくれて、僕に戻してくれた。相手も一流の選手なので思い切ってやるだけだった。(シングルスは)途中悪い雰囲気でゲームが終わって、悪い流れに影響されたが苦しい時こそチームやベンチコーチを見た。あとは『4年の意地』という言葉を自分に言い聞かせながらやっていた。ファイナルセットは意地とプライドと気合の3つだけでしか戦ってない。技術とかではなく人から目に見えないところ(気持ち)を大事にしていった。(4年間を振り返って)最初か結果が出なかった。ただ鄭(直喜・18年卒)さんという偉大な先輩の代から日野と組んだ。その時は自分と日野とにすごく差があった。追いつくためにひたすら練習した。その成果が2年生の春関で出た。後にシングルスも結果がついてきた。日野という存在に感謝している。それだけじゃなくて同期全員に感謝している。同期のおかげで自己成長できた。(印象に残った試合は)今日も激アツだったがやはりインカレのベスト4極め。あれで自分たちのダブルスに自信がついた。あの時の(スーパータイブレークで前衛をリターンで抜いた)ストレートは今でも忘れられない。(後輩たちにメッセージは)自分たちの思いを継いで来年こそは1部昇格をしてほしい。その資質を持っている選手が揃っている。主将になった佐藤は一人一人を気にかけてやれる選手だと思うので、1部行ってほしい。それがもし叶わなくても自分が面倒を見た1〜3年生のどこかで1部昇格してもらえたら僕たちも嬉しい。(監督・コーチには)高校時代に結果が出ていなかった枠で自分を取ってくれたことに感謝している。それだけじゃなくてアドバイスにも愛がある。感謝するべき人なのかなと思う。(テニス部の存在は)難しい質問っすね(笑)。家族だったなあと思う。週6のテニス練習で会って、大学でも会っていた。上級生が親で、3年生がお兄さんで。それがしっかりできたチームだと思う。大学は人生の夏休みだが、テニスの道を選んで入ってきて、1ポイント決める度に拳を上げて叫ぶチームなんていいチームじゃないとできない。日野がそういうチームにしたので日野がこのチームを家族にした。自分はその家族の一員になれて良かった」

◆三宅昂樹
「(4年間を振り返って)自分はスポーツ推薦で入ったが、周りの同期と比べると全然成績が出せてなくて。自分が部にいる存在意義は常に考えていた4年間だった。(つらい時期は)あった。(理由は)何もないのに部に来なかったりとか(していた)。葛藤があり『自分いなくても何もかわらないだろうな』と思ったこともあった。(それをどう乗り越えたのか)やはり自分が戻ってきたときに周りのみんなが普段と変わらず接してくれて、その中で自分にできることは何かを考えられるようになった。そこでベンチコーチという立場も、監督たちが自分に与えてくれた。(4年間で印象的だった試合は)日大戦の日野の試合。(日野は)途中で諦めてしまうところとかがあるが、自分が主将だという責任を持って試合しているところを見て、実力だけでなく、日野の人間性の成長を感じられた。2年生から4年生までベンチコーチとして見てきた自分の中では感動した試合だった。(同期にメッセージ)人生の中の(大学での)4年間は本当に小さい物だと思うが、その中で一生大事にしたいと思える期間を過ごさせてもらった。ずっとこういう仲でいたいなと思う。(後輩にメッセージ)今日という日に満足せず、これを現実としてとらえてもらい、その中で来年成長してほしい。(監督、コーチへ)自分は高校時代に特別成績があった訳でもなく、入学してから部に対して貢献も全くできなかったが、自分に居場所を与えてくださった。やはり続けられたからこそ、自分の中で成長したこたを感じられたので、そういう場を与えていただき、ありがとうございます。(テニス部とはどんな存在か)『家』。一生ものなのかなと思う。4年間は80年間ある人生の中では短いと思うが、その4年間で一生ものの関係を築けたのはやはりテニスだったからだと思う」

◆渡邊康二
「(今日の試合を振り返って)相手がインカレベスト8で強い相手で、僕らのことを取りに来たと思う。そういう相手に対してストレートで勝てたのは良かった。自分たちがきっちりできたので、スコア的には簡単にいったが、本当に強い相手だったので気を抜いたらどうなるかわからなかった。(4年間で)最後の試合ということもあり、最初から最後までずっと集中できた。(ペアの佐藤選手は)同じ高校で地元も近く、高校からずっと後輩だったので組みやすかった。二人で本音で話せるいい関係。去年からずっと組んできて、去年は2勝4敗だったが、今年は全勝できて良かった。(4年間を振り返って)最初の頃はずっと『引退したい』と思っていた。きつい環境だったし本当に思っていて。同期が本当に強くて、自分は置いていかれている側だった。同期が頑張ってる中、最初は逃げたりしたが本当にださいなと思い直した。ちゃんと練習して2年くらいから結果が出るようになった。やはり腐らなかったのは同期のおかげかなと思う。最高の同期のおかげでいい形で(終われた)。(一番つらかったことは)やはり1、2年生頃の勝てなかった時期。周りが結果出ているのに、自分は出せなくてそれが本当につらかった。それが良い刺激になって練習できたというのもあるが、その時期はつらかった。(同期からの刺激があって乗り越えてこられたのか)そういうこと。人間的にもみんないい人なので。(4年間で印象的だった試合は)新進の関東大会ベスト8決めで、マッチポイント5、6本あってそこから負けたのが印象に残っている。なので逆にどこからでも勝てる可能性があると思えるし、油断したらそういう場面でも負けるんだなということを学んだ。その時はとても悔しかったが、そういう経験ができたのは良かったかなと思う。(後輩へメッセージ)本当に1部昇格したくて、かなりつらいが自分たちならできると思っていたが負けてしまって。相手のホームコートというところや、相手はずっと1部で戦ってきて負けられないというのもあるので、2部から1部に上がるのは本当にきついことだと思うが、やはりやってほしい。みんなにチャンスがあるので。(同期にメッセージは)最高の同期だった。このメンバーだつたから、テニスの面でも気持ちの面でもすごく上がった。みんな『やってやろうぜ』という感じだったので、最高のテニス人生になった。(監督、コーチへ)もともとそんなに結果を持っていた訳はではなかったが、駒大に入れてもらい、インカレに出たりリーグ戦で勝てるようにしていただいたのは本当に感謝している。ここまで成長させていただいたので感謝。(テニス部はどんな存在か)『家族』みたいな存在。後輩も仲良くて弟みたいな感じ。これから(引退して)離れる感覚がわからない(笑)。テニスがなくなって、みんなと会わなくなって(自分が)どうなるのか……という感じ」

※掲載しきれなかった引退コメントにつきましては、後日ブログにて掲載させていただきます。

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