• 本人は開幕出だしが悪かったとしたが、先制の勝利でチームに勢いをもたらした長谷部=後楽園ホールで(野村聖撮影)

  • キャプテンの嶋田は反撃の火付け役に(奧野凌河撮影)

  • 強豪相手に金星を挙げた完山(野村聖撮影)

リーグ開幕!強豪農大を4戦先取で追い詰めたが、勝利を逃す

[ボクシング部]第72回関東大学ボクシングリーグ(東農大戦)(2019年05月29日 16時29分)

今年もリーグ戦がボクシングの聖地後楽園ホールで始まった。1部に在籍する駒大は農大を初戦の相手に迎えた。結果は以下の通り。

●駒大4-5農大○

【ライトフライ級】
〇長谷部大地(経3) WP(3-2)小川翼●
【フライ級】
●杉山 広将(営4) WP(0-5)片岡亜沙人〇
【バンタム級】
●松下秀(政3) WP(1-4)韓亮昊○
●小川達也(営2) WP(1-4)中垣龍汰朗○
【ライト級】
○嶋田淳也(歴4) WP(4-1)堤龍之介●
○完山隼輔(経2) WP(4-1)松本圭佑●
【ライトウェルター級】
〇藤山義範(商4) WP(5-0)木村歩夢●
【ウェルター級】
●中川凌太(応3) WP(0-5)黒柳禅〇
【ミドル級】
●若谷豪(商2) WP(0-5)宇佐美正パトリック〇

※WPはWin on pointの略
※ABDとはチーフセコンドによるリングへのタオル投入(棄権)のこと


 開幕戦の相手は去年3-6とダブルスコアで敗れた東農大。今年の駒大の注目選手は、全日本で準優勝を獲得し、今年のLF級1位の長谷部、今年最終学年を迎えた杉山、嶋田、藤山。去年1年生ながらリーグ終盤まで負けなしだった完山だ。
 初戦長谷部が対戦したのは、Jr.P級2位のルーキー小川。第1Rの序盤は間合いを重視し、ベンチからも「突っ込むな」と声がかかった。第2Rからは長谷部のターン。LF級1位の意地を見せ、3-2で接戦を制した。初戦の勝利で勢いに乗りたい駒大だったが、去年1部リーグ2位の農大の巻き返しが始まる。監督陣の信頼も厚い杉山が0-5で敗れると、松下が1-4で敗れ、2年生の小川は去年敗れた同じ相手である中垣にリベンジが叶わず、1-4で敗れた。2試合目から立て続けに3連取された後の無い駒大だったが、L級5位で主将の嶋田が流れを変える。
 第1Rから冷静な試合運びで、試合をリードすると、Jr.L級2位の堤を全く寄せ付けない貫禄の試合運びをみせ、5-0で反撃ののろしを上げた。続いてのL級は2年の菅山。相手の松本は今年のB級1位の強豪だった。第1Rから強みである長いリーチで間合いを取り、自身のボクシングを徹底した。2R目、試合開始直後は松本への声援が大きかった会場だが、完山が流れを掴んでからは完山の声援が松本を上回る展開に。3Rまで激闘をくり広げた両者だったが、軍配は完山。4-1と激闘を制し、3-3と嶋田の作った流れを繋いだ。
第五試合はW級9位の藤山。高校の後輩である「完山が繋いだ流れを断つわけにはいかない」と自分を追い込んでリングに上がった。1R目は調子が上がらず、相手の優勢なペースで試合が進んだが、2Rから藤山のギアが上がりだす。1Rの借りを2・3Rで返上し、5-0で勝利した。藤山の勝利で、団体戦としては4-3と一時逆転したが、その後、中川、若谷が勝利を逃し、4-5で惜しくも勝利を逃した。次戦に向けて小山田監督は「相手がどうこうというよりも、自分たちがやるべきことをしっかりやるだけ」と語り上位進出へ意欲を見せた。


◆小山田裕二監督
「(今日の試合全体を振り返って)なんとも言えない。結果が結果なだけに、力がない証拠だと思う。(3連敗後に3連勝したが)LF勝って、F級、B級、B級負けてL級、L級、LW級で勝った。ちょっとF級が誤算だった。そこを一つ取れていれば、たらればになってしまうが。しかし、キャプテンの嶋田から、完山、藤山、ここはもうきっちり計算通りだった。そこで盛り返してやろうという気持ちはあったので、落ち着いて試合を見ていた。(杉山の課題は)少しバランスが悪くなる。踏み込みが浅くてパンチが届いてなかったので、踏み込み。あと、どうしても後手に回ってしまっていたので、もう少し相手より先に動けていたらと思う。(長谷部に「つっこむな」という声があったが)体ごと行ってしまってバランスを崩してしまう。見栄えが悪くて相手のカウンターをもらってしまう可能性もあったので、その辺を注意しなさいと言っていたが、なかなかできなかった。(完山の相手は強豪だったが)去年のB級で決勝まで行っている相手だが、完山も力のある選手。相手が出てきたときに対処できない所が何度かあったが、ずっと完山のリズムでできていたと思う。(長いリーチを活かせていたか)活かせていた。(4年生か結果を出していることについて)4年生は最後なので、悔いの残らない試合をしてほしい。それは嶋田も藤山も、杉山もできは悪くなかったので、次に向けてしっかりやってほしい。これで終わりではないので。持っているものをしっかり出せるように(次の試合に向けて)相手がどうこうというよりも自分たちがやるべきことをしっかりやるだけなので、持っているものをしっかり出せるようにしっかり調整して頑張ってもらいたい」

◆長谷部大地
「(今日の試合を振り返って)出だしの入りが悪かった。入りがすごく悪くて、自分のボクシングができなかった。前半にやられて、チームのことを考えると負けられないと思った。自分が負けると厳しい試合だったから日本代表のプライドを持って、仲間のために気持ちでやった。(1R目は距離をとっていたが)自分のボクシングは遠い距離のボクシングだが、相手が思った以上にその距離についてきた。そこが想定外だったから残りは手数で攻めた。(セコンドから『突っ込むな』と指示があったが)課題点としてごちゃごちゃなってブレイクした時に離れてボディとか打てるようにしたいが、アジア選手権で出した課題を直し切れていない。今回悪かったところはアジア選手権と似たようなところがあるから日大戦までには直して自分のボクシングができるようにしていきたい。(相手も実力のある選手だったが)高校生の頃に合宿でスパーリングをやっていたが、そこまで強くはなかった。今日やってみたらすごい成長していて、下の世代からの追い上げを感じたから自分に厳しくしていかないとだめだと思った。(大学に来てから一番何が変わったか)武器であるジャブを活かすために距離を取ったボクシングが大学で確立された。小山田監督や太郎コーチが今のボクシングを確立してくれたおかげで飛躍的に実力が上がった。高校生の時は3位止まりであと一歩がいつも出なかったが、大学2年目にしてやっと準決勝で勝てた。アジア選手権に出場して、負けてしまったが、負けた相手も優勝して、触れ合えた。小山田監督や太郎コーチに言われるボクシングを自分がもっともっとできるようになれば強くなる確信があるから頑張っていこうと思う。(次の試合に向けて)今日負けた選手がどれだけ変われるか。今日勝った選手も集中を切らさずにいかないと。リーグ戦は2ヶ月の長期間になるから気持ちを切らずに戦い抜けるかが勝負になる」

◆嶋田淳也
「(3連敗後の試合だったが)去年の日大戦もそうだったが、負け続きから自分の番になることが多かったから、いつも通りやれば勝てる自信はあった。(主将としてどういう気持ちでリーグ戦に臨んだか)日本一しか目指しいていない。初戦は負けてしまったが、チャンスは残っているから気持ちを切らさずにやっていきたい。(最終学年になって心境の変化は)去年はリーグ戦が楽しみだったが、今年は最後だから勝ちたい気持ちが強い。主将だから自分が勝たないといけないというプレッシャーを感じている。リーグ戦が楽しみではなかった。(リーグ戦までに強化したところは)リーグ戦は団体戦だから誰か一人強い選手がいればいいというわけではない。総合的な強さがないとやっていけないと思うからそこを意識してきた。(去年は東農大戦で負けているが、今年の相手は)高校の時から実績のある選手だったが、普通にやれば実力は自分の方が上だと自信をもって戦えた。(これからの戦いに向けて)まだまだ優勝の可能性は残っている。まだ始まったばかりだから最高の形で終われるようにしたい」

◆藤山義範
「(今日の試合を振り返って)対戦順的に自分は勝たなければいけないところだったので勝ててホッとしている。(同期の嶋田が流れを作ったが)嶋田が勝って、高校の後輩である完山も勝ってくれた。一番のヤマが完山だったと思うが、勝ってくれたので、負けられないなという思い(だった)。(1Rから打ち合っていた印象だが)気持ちが先走ってしまって、やはり『勝ちたい、勝ちたい』という思いが強かった。(今日一番良かった点は)冷静に入られたことだと思う。リングの外からの声もちゃんと聞けたし、いつもは周りが見えなかったりするが、今日は冷静にいられた。(1Rから3Rかけて調子が上がったが)1R目はいつも緊張してしまってダメ。いつも2R.3Rで立て直すが、本当は1Rからとりたい。久々の試合だったが勝てた事は良かった。(次は日大だが)次は日大。去年と相手は違うが去年は負けているので、勝ちます」


※掲載が遅れましたことをお詫び申し上げます。

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