• 今年の春リーグまで、様々な団体戦に出場した佐藤=札幌インカレ(17年7月)で(田上佳雅撮影)

  • 福岡の名門、希望が丘高から入学し、副主将も務めた左右田=関東学生選手権(17年6月)で

  • 秋リーグではベンチの最前列で応援し、出場する選手のアップも手伝った杉山遼=全日学予選(17年8月)で

  • 東京選手権予選(17年12月)を突破した時の渋谷(山本文隆撮影)

  • 主務の立場でチームを支えた杉山正樹=東京選手権予選(17年12月)で

「良紀のチームだった」激動のリーグ戦終え、4年生引退

[卓球部]平成30年度駒澤大学体育会卓球部引退特集(2018年09月27日 00時13分)

 先日21日(金)の秋季リーグ戦の閉幕をもって駒大卓球部を支えてきた4年生が引退を迎えた。佐藤と水谷は10月25日から28日にかけて行われる全日学の個人戦には出場するが、チームとしては引退。入学時からベンチメンバーとして活躍してきた選手から、応援などで裏方にまわり後輩を支えてきた選手まで、4年生全ての選手に話を聞いた。


◆水谷良紀主将(営4)
『どんな大会でも上を目指してほしい』

「(今季を振り返って)個人的には活躍することができなかったが、後輩のおかげで残留することができた。(1部6位という結果について)自分が1年生の時以来。ほんとに良かった。(4年間で最も印象的だった大会は)この4年の秋のリーグ戦が一番印象に残っている。(駒澤らしさを最も感じた試合は)今年の春リーグの早大戦。(キャプテンとしての1年間は)僕自身が人をまとめるのがあまり得意ではなく、適当な人間だったと思うが、 自分なりにまとめてきた。良かったどうかは分からない(笑)。(4年間を通じて得られたものは)考え方など、少しは大人になったなと。(1年次に全日学のランカーになってから、低迷期などもあったが)卓球に対してあまり考えることがないまま入学してしまって、入学してからはいろいろとプレッシャーを感じることもあって、どんどん成績が落ちていった。(新主将・上野選手へ)チームのためにもっと動いてほしい。(同期との思い出)4年生として最後の合宿で楽しくやれたこと。(今後の進路は)地元にあるJR北海道で卓球を続ける。(残された後輩たちへ)リーグ戦だけでなくどんな大会でももっと上を目指し続けてほしい」

◆佐藤卓央(経4)
『卓球とは、人間形成をしてくれるもの』

「(今季を振り返って)最近はは春と秋の両方で1部に残留することはなかったので、強い後輩たちに感謝。正直最後の試合を勝てば5位だったので勝ってほしかった。今回の結果で言うと筑波大と日大に負けていたら全敗で自動降格になったので。残留がこの試合の前に決まっていたので、選手はふわふわしていたかなと。でも出場した選手のおかげで両校に勝てた。(ベンチで見ていて、春リーグとの違いは)自分は春に出場したが、やはり自分が出るより後輩が出る方が良かったなと。今季は選手として出ることも無いと思っていたので応援に身が入っていた。明確な違いは分からなかったが、いつもより盛り上がっていた。(応援で意識していたことは)例えば同期で(水谷)良紀が出たが、『ナイスボール!』などのいつもの応援より『良紀ー!』と名前を呼ぶようにした。そっちの方が気楽にプレーできると思ったので。(全日学もあるが、チームとしては引退。個人戦をどう迎えたいか)全日学だけでなく、全日本卓球の予選も近いうちにある。練習場には今まで通り毎日のように通うことはなくなったが、全日学までは練習場に行こうと思っている。(自身にとって卓球とは)人間形成をしてくれるもの。(同期との思い出)たくさんの思い出があるので一番というものは無い。皆でいる時が楽しかった。何でも話せる仲だったので、どれが一番というと分からない。(それぐらい)日々が楽しかった。(駒大卓球部から得られたものは)高校の卓球部はもともとの部員数が7、8人と少なく、大所帯で団体戦をするようなことが無かった。大学で初めて大勢のチームメイトと団体戦をするようになって、レベルが上の人も下の人もたくさんいるので、楽しかったし、皆で戦うっていいなと実感できた。(後輩たちへメッセージ)今年は春と秋を通じて残留できたが、だからと言って来年は安泰かというと必ずしもそうではない。気を抜かずに上を目指して頑張ってほしい」

◆左右田颯斗(商4)
『4位、5位ではなくリーグ優勝を目指して本気で取り組んで』

「(4年間を振り返って)長く感じたが、終わってみれば一瞬だった。最後の1年間は特に長く感じた。スポーツ特待生で入学したが、なかなか成績が出せず徐々に期待されていないように感じてしまって苦しかった。だが、練習したから結果が出るわけではなく。結果が求められている立場なのに結果が出せないのが本当に情けなくて、2年生までは特にそのことで悩んでいた。挫折を味わって4年間で抜け出すことはできなかったが、一回苦しんだ分社会人生活の糧になると思う。(印象に残る試合は)一番のものは1年生の春のリーグ戦で早大に勝った試合。自分は出場していないが、駒大は強いんだと印象付けられた試合で、観て応援するだけでなく、自分も出場して勝ちに貢献したいなと強く思った試合だった。(同期とは)仲良かったので、何かあったら集まってみんなで相談して解決したり、それが一番の思い出。(監督には)シンプルに結果にこだわって、出せる努力をしなさいと言われていた。自分は結果までの過程もこだわるタイプだったので、最初は違和感はあったが、今は監督の教えが正しかったのだと感じる。(これからは)監督の教えにもあったように結果が出せる人間になりたい。(後輩には)毎回リーグ戦では優勝を目指す感じではなくて、いつも4位、5位という感じなので、それよりは優勝を目指して本気でこれからも取り組んでいってほしい」

◆杉山遼(国4)
『結果が出ない時も腐らず、粘り強く』

「(4年間を振り返って)入学したときは良い成績を出そうという強い気持ちがあったが、だんだんと薄れてきてしまって、4年間トータルでみると中途半端な成績で終わってしまったかなと。リーグ戦にも出れず、全日学の個人戦は3年生までは出場できたが、今年は出れなかった。もっとやれたかなという気持ちはある。これまでの卓球生活を振り返ると、辛いことも多かった。小学3年生のときに卓球を始めて、ずっとレベルの高いチームで練習してきた。中学までは試合も多く出れてきたが、高校のときはなかなか出れなくなっていた。名門校で決まりが厳しく、辛いことも多かった。大学は自分次第で、自分で練習メニューも生活面も自己責任の部分が多かった。主体性が大事な環境でやってきて、だんだん気持ちが薄れてきてしまった。(印象に残っている試合は)1年生の時の全日学で染谷さん(17年卒)とダブルスを組んだとき、強い気持ちのなかで無事に予選を通過できたので、とてもうれしかった。(同期とは)夏休みやプライベートの時間では、みんなで集まってミーティングをしていた。話し合いのあとはご飯に行くこともあって楽しかったし、これからもその縁を大事にしたい。(監督には)自分の考えを持つということを言われてきたので、大事にしたい。これまでの卓球生活で礼儀やあいさつなど当たり前にやってきたので、社会人になってもしっかりやっていきたい。(後輩には)成績が出ないとどうしてもモチベーションが下がるときはどうしてもあると思うので、腐らずに粘り強く頑張っていってほしい。(これからは)一般企業に就職するが、クラブなどに所属して卓球は続けていきたいと思っている」

◆渋谷慶太郎(応4)
『自分の中で決めたことを必ず毎日コツコツと』

「(今季を振り返って)4年目はずっとベンチの上からの応援という立場だったが、自分にとって最後だったので、勝ってほしいという思いは強かった。(4年間振り返って)調子の波もあまり無くて、人一倍何かをしたというわけではないがコツコツと自分の中で決めたことを毎日していた。東京選手権への予選を勝ち抜いて、高校の時より強くなれて、上のレベルの卓球も見ることができたので、駒澤に来て良かったなと。(4年間で印象的だった試合は)東京選手権の予選会もそうだが、今季筑波大と日大に勝てた時は鳥肌が立った。(駒大卓球部で得られたもの)高校時代と違い、部内の学年数が一つ多く、いろんな人と関わることができた。卓球の考え方、人間関係、社会に出る前に大人の方との付き合い方を学んだ。お酒も覚えたし、色々な付き合いを知ることができた。人間関係の面で高校とは違うなと。(同期の方との思い出)特にもめることもなく、最上級生になってから、チームを運営していく上での話し合いもあって、もとは9人いた同期が減ってからもコミュニケーションを欠かさずに最後まで協力してやってこられたなと。(残された後輩たちへ)関東の学校はどこも強いが、それでも諦めずに毎日コツコツと練習を重ねていってほしい。少ないチャンスをものにしてほしい。いつ来るかも分からないチャンスがいつ来ても良いようにしていてほしい。(今後の進路は)地元の青森で一般企業に。(新主将・上野選手へ)大人数をまとめるのは簡単なことではないと思うので、主将と副将の二人だけに負担が集中しないように。あの代の周りの3年生と後輩がどれだけサポートできるかだと思う。役職は無くても一人一人に必ずやるべきことはあると思うので、そこをもう一度明確にして新チームをスタートすることができればいい」

◆杉山正樹(法4)
『主体性を持つことは、社会人になってから絶対に生きてくる』

「(4年間を振り返って)入学した時と今の自分を比べると、高い目標を立てる気持ちが無くなってしまったかなと思う。そのことを後悔している反面、自分なりの限界だったのかと。だからこそ社会人になったときの苦しい場面で、限界と思ったところからさらに頑張れると思う。この1年間は主務もやらせてもらったが、後悔なく役割を全うできたと思う。学生生活も良い生活が送れた。卓球をしつつ、授業もまじめに出て単位も順調に取れ、あとは卒業を残すのみ。部活動以外のことにも挑戦できた。(印象に残る試合は)正直やっててよかったと思う試合はなかった。勝ってもたまたま勝ったなと。関東はレベルが高く、負け癖がついてしまう。技量が追い付かず、気持ち的の面でも負けて当たり前だと思ってしまっていた。試合をしていて苦しいことは多かった。だが団体戦としては、4年生として後輩に1部の舞台を残すことができたのはとてもうれしい。後輩、同期、監督や支えてくださったOBの方々に感謝している。(同期との思い出は)自分は、素直に感情表現できるタイプではないが、そういう部分を含めて認めてくれる同期だった。卓球以外でも一緒にご飯を食べに行ったりしたのが楽しい思い出。 (監督には)主体性を持てと言われていた。最初は正直その意味が分からなかったが、自分で目標をたててそれに向けて自分で努力するということだと気づいた。これから社会人になって絶対生きてくることだと思う。その教えを大事にして頑張れっていけばと思う。(後輩たちには)後悔がないように頑張ってほしい。最後に自分みたいに清々しい気持ちで終わることができればいいと思う。(将来は)海外で仕事がしたいと思っていて、今は英語を学んでいる。お世話になった人に良い報告ができるように頑張りたい」

◆長崎隆志監督
「(4年生の代について)一言で言えば(水谷)良紀のチームだった。キャプテンだから当然なんだけど、良紀ありきの雰囲気だった。良紀も今の西村(星哉)(商1)と同じように期待されて入学して多くの試合に出て、良かった試合もあればひどかった試合もたくさんあった。今季は勝てなかったけど春では3勝を上げて。今季はプレッシャーにやられてしまっていたけど。良紀は西村の気持ちが一番分かるんじゃないかな。自分もリーグ戦に出て、腐ったような試合もあったし、良かった試合も何回もあったし。(どんな社会人になってほしいか)大学4年間やってきたよりはるかに厳しいことが待っているわけだから、4年間で良かった思い出というのを大切にしていってほしい。社会人になれば皆『もっとできた』とか自分の甘さというのを感じる。後輩はそういうところにまだ気づけないわけで、そういうことを感じた時に少しでもフィードバックしてほしいと思う」

※インタビューは9月21日に行いました。

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