• 激闘を制し、安堵の表情を浮かべた二木=所沢市民体育館で(田上佳雅撮影)

  • ”橋本フィーバー”に沸くベンチ

  • 本来持っている強さを取り戻した上野

  • 早大戦ではストレート勝ちを収めた渡井

4時間を超える死闘の末、4年ぶりに筑波大に勝利!後半戦に弾み

[卓球部]平成30年度秋季関東学生卓球リーグ戦(2018年09月17日 01時52分)

大会3日目は春季リーグで3位だった早大と同6位だった筑波大と対戦した。結果は以下の通り。

駒大1-4早大☆

【T】●西村星哉(商1)1-3(11-7、6-11、7-11、7-11)硴塚○
【2】○渡井丈人士(経1)3-0(11-8、11-4、12-10)葉波●
【3】●水谷良紀(営4)0-3(5-11、9-11、6-11)五十嵐○
【M】●二木啓太(経3)・渡井1-3(13-11、6-11、6-11、4-11)硴塚・緒方○
【5】●二木1-3(12-14、11-9、6-11、7-11)緒方○

 3日目の初戦は早大と対戦した。前日に続き西村が闘志あふれるプレーを見せ、最初のセットをものにする。だが、相手が戦術を変更し、台上ギリギリの鋭いサーブを出してくる。相手の修正力にのまれ、惜しくも敗れてしまう。だが、この戦いぶりに刺激を受けたのが続く渡井だった。「自分のスタイルは勢い重視」と話す通り強打で相手をおしていく。第2セットではカウント5-1の場面で相手の粘り強いロビングによりネットに引っ掛けてしまう場面も見られたが、次の場面で今度は渡井がロビングで粘って相手のミスを誘う。最終セットでは10-8まで追い上げられ、点数を意識してしまうかに思われたが、冷静に対処し、デュースに持ち込まれるも勝利した。
 後続の水谷主将とダブルスが敗れはしたものの、今回の早大戦をもって渡井は単複ともに1部リーグで勝利を収めた。

☆駒大4-3筑波大

【T】○橋本拓磨(経2)3-2(5-11、11-4、11-6、5-11、11-8)梅崎●
【2】○西村3-2(6-11、11-5、11-8、9-11、11-6)熊本●
【3】●渡井2-3(8-11、12-10、8-11、11-7、11-13)原田○
【M】●二木・渡井1-3(9-11、11-13、11-8、5-11)坪井・梅崎○
【5】○上野亨樹(応3)3-1(11-13、11-8、11-4、11-7)坪井●
【6】●水谷1-3(5-11、11-8、9-11、7-11)村田○
【7】○二木3-2(11-5、3-11、11-6、9-11、11-7)田中●

 大会3日目の2試合目の相手が筑波大だった。春リーグでは3-4と惜しくも敗れており、今回も接戦になることが予想された。トップで起用されたのは2年生で初出場の橋本。秋リーグ直前に右足をけがしており、復帰戦ではあったが「一応準備はしてきたつもり」とけがのブランクを感じさせないプレーで相手を翻弄した。実績で劣る相手に対し、得意とするサーブからの3球目ドライブが効いたことで、駒大の勝利への道を切り開いた。続く1年生の西村もフルセットの末に相手を打ち負かすと、早大戦でシングルス初勝利を上げた渡井が出場。渡井は取られては取り返しての白熱した戦いを演じ、チームでは3度目となるフルセットでデュースまで持ち込む。しかし、わずかに1球及ばず敗れ去る。ダブルスが力負けし、団体戦ゲームカウント2-2で迎えたのは今季初戦のトップで登場した3年生の上野だった。春リーグの入替戦では冴えわたるドライブで連続得点をしてチームの1部残留を決めており、今回もそういったプレーが不可欠な状況だった。先日の専大戦を「全然ダメだった」と振り返り、今回はプレーに向かう姿勢を修正したという。本人曰く、「これまでは得点してもあまり声を出してこなかったが、一流の選手も声を出していると聞き、明るくいくことにした」。これがうまくはまり、本来の上野の強さが随所に見られるように。
 ここから大会規定(1部校は試合開始から3時間経過することにより、2コートを使用して行う)が適用され、4年生で主将の水谷のゲームとラストの二木の試合が2台進行で行われるように。
 水谷は第1セットを取られ、迎えた第2セットを奪い返すことでキャプテンとしての意地を見せるが、自分か二木のどちらかが勝てばチームの勝利が決まるという重圧に押され、競り負けてしまう。
 最後の一人として、チームの期待を一身に受けたのが二木だった。二木は単複合わせると今季初戦から全ての試合に出場しており、疲労が蓄積していたはずだった。だが、勝利への渇望がそれを上回った。同時に、「急いだら負けに繋がる」と冷静さも失わず、フルセットにもつれ込む接戦をものにした。4時間40分を超える激闘が終わった瞬間、二木は倒れ込み、渾身のガッツポーズをした。会場にはチームメイトや、卒業生が何人も駆けつけていた。チームの勝利を祝福し、プレッシャーに耐えた二木をねぎらうように、”二木コール”が響き渡った。
 20日には日大と、最終日の21日には埼工大と対戦する。筑波大から14年秋以来、4年ぶりに勝利したことで水谷キャプテンが口にしていた今季のチーム目標であるリーグ第5位がいよいよ見えてきた。全日学に出場する選手もいるが、このリーグで4年生は引退を迎える。残り2戦、次こそは4年生も1勝を上げて終わりたい。


◆長崎隆志監督
「(筑波大に勝利して)皆でもぎ取った一勝、それに尽きる。自分の記憶の中でも一番長い、まさに”死闘”を制した、の一言。選手、応援、OBの皆が頑張った。後半に望みがつながった。(チームの勝利を決め手は)やっぱり橋本がああいった戦いをしてくれたからね。今季初出場で、相手は関東学生ランクの選手。力で言ったら相手の方が上だった。相手の嫌なところを徹底的に攻められていたし、動けていた。橋本の武器であるサーブからの3球目のフォアドライブがよく効いていた。よく頑張った。(勝利を収めたのが1,2,3年生だったことについては)それは来季につながる好材料。今日でほっと一息。(春リーグでの対戦との違いは)オーダーの最後を二木にするか(水谷)良紀にするかで迷った。当初は良紀を最後にするつもりだったが、違和感を覚えて入れ替えた。まぁオーダーで勝ったわけではないが。良紀は3-3のラストになったらプレッシャーかかって手が震えてしまっていた。ましてやキャプテン。リラックスしろって言ってもできないでしょ。6番だったけど実際に緊張で顔が青ざめていた。(二木選手の最終セット6-4の場面でタイムアウトを取ったが)本当はその一本前でも良かった。二木はいらないって言ってたけど。点が取れていた自分のサーブで失点してしまったから。『(自分のサーブの後に)レシーブがまわってくるからそこでしっかり攻めよう』と。『点を取ってた展開もあったからそれをやるしかない』と鈴木大地コーチが言った。(前半戦終えて)正直良く耐えたと思う。初日の2戦でこてんぱんに負けて『今までやってきたことはなんだったんだろう』という雰囲気になってたけど、中央戦で『選手の良いところ出てきた』、早稲田戦で『あれ、また良いところ出てきたな』、そして今回の勝利につながった。(残り2戦だが)日大は力がある。1部で20勝している選手が3人いる。力は間違いなくある。そんな簡単に勝てない。でもそこにひるまず、とにかく粘り強くやること」

◆二木啓太
「(激闘に勝利して)嬉しい気持ちも十分にあるが、『やっと終わった』という気持ちが強い。(連戦による疲労もあったのでは)今大会はダブルスとシングルスで2回出させていただいていて、以前より出場機会が増えたのでその分疲労も溜まった。(早大、筑波大にはどういった試合展開を予想していたか)早稲田には春に勝っていたので今回mチャンスがあると思っていたが、最後は地力の差で負けてしまったのかなと。筑波戦は相手の主力選手が一人いない状態で、今回はいつもよりチャンスがあるということを皆で話していて、試合に臨んだ。(最終セットを迎えた心境は)本当は3-1で勝ちたくて。でも相手に粘られて2-2になってしまって。早く試合を終わりたいというのが本音だったが、そこで急いでしまうと負けに繋がってしまうので落ち着いて一本ずつ取っていこうと思った。(残り2校を相手にして)両方の試合ともすごくチャンスがあるので試合に出場する人と応援してくれる人とで今日のように一致団結して迎えたい」

◆上野亨樹
「(筑波大に勝利して)筑波に勝てて良かった。(今日は連続得点した場面も見られたが、何か理由があるのか)これまでの団体戦では個人戦のようにあまり声を出さずにやってきたが『明るく元気にやった方が良い。自分もそうしている』と強い選手からアドバイスを受けたので、明るく元気よくプレーすることを心掛けた。(坪井選手と対戦することが分かった時は)特に何も意識しなかった。格上だということくらいしか。自分の後に(水谷)良紀さんや二木がいたので。(最後、二木選手は激闘を制したが)二木はダブルスにも出ていて疲れがあったと思うが、体力もそうだが精神面でもすごいと思った。(前半戦を振り返って)2回しか出場していないが、1試合目は本当にひどい内容で、チームのムードも悪かったが、今回は良いムードで試合をできたと思う。(今季のチームのトップバッターになることを知らされたのはいつ頃だったか)1週間前くらいから。(残り2校相手にどのような試合をしたいか)出していただく試合は全部明るくいき、チームの流れを切らないようにしたい」

◆橋本拓磨
「(筑波戦でトップに起用されたが)今季、前半戦で初めての試合だったのでチームに勢いをつけることができればと思っていた。勝てるとは思っていなかったので勝てて良かった。少し前に右足をけがしていて、出場する機会はあまり無かったとは思っていたが、それなりに準備はしてきていて、調子も良かったので調子の良い状態で試合に出させてもらった。(勝因は)サーブがよく効いたのと、相手にミスが多かったこと。競った場面でも強気にいけた。(2年生としても今季初出場だが)チームの現状として1年生が強くて、1年生に2,3,4年生が続いていくような試合が多いので、できればもっと上級生でチームの勝ち星を上げて先輩もできるということを見せたいと思う。(残り2校が相手だが)両方ともチャンスがあるので、日大も今みたいにやればチャンスがあると思うので前半で良い流れを作ってなんとか勝てたら良いと思う」

◆西村星哉
「(前半戦を振り返って)今大会、自分は調子悪くて。春は何回か勝ったが、秋は一勝もできず自分に自信が無かった。その中で出させていただいて今日は勝って、少しは自分の殻を破って成長できたのかなと。(今季はトップなど前半の起用が多かったが)個人的には1番は試合の流れを決めるものだと思っている。そこで良い試合したら後半にもつながるし、そこでダメな試合をしたらチームもダメな結果になっているので、いつ出ても気持ちは入っているが雰囲気などを考えながら試合をしていた。(筑波戦で熊本選手と対戦して)過去に何回かあたった相手で全て勝っているので、自信はあった。だがリーグ戦という場所でいざやってみると相手も強くて、競った状態になった。けど競っても負けない自信はあったので伸び伸びと試合はできた。(日大戦まで少しだけ時間が空くが)今日の1勝は今後につながる。この勢いを止めないで、チーム一丸となって後半戦も挑みたい」

◆加藤衣純マネージャー(応3)
「(勝利が決まった瞬間の心境を)ここで1勝を上げたいという気持ちが私も強かった。すごく競っていたがここで白星を上げることができたのは嬉しさしかない。(前半戦を振り返って)春リーグの時に早稲田に勝っていたので今回はどういった結果になるのか楽しみにしていた。しかし早稲田はすごい強くなっていて、競った場面でも強い1部校の強さを感じた。前回とはまた違う強さを感じた。(最近の選手の様子を見ていて)調子が悪い様子を出している人がいなくて、皆良い状態で仕上がっているのではないかと思っていた。それが今回出せたのではないかと。今日の試合で合宿からの練習の頑張りを実感した。(橋本選手は足をけがしていて、西村選手も調子が良くないと話していたが)橋本が合宿中にけがをしたことは不安ではあったが、本人が前向きな姿勢だった。西村も今日も手首が痛いと言っていたが彼ならやってくれると思っていた。(残り2校相手にどう臨んでほしいか)『駒澤の良さはチーム力』と皆が言っているように私もそうだと思うので、一つになって戦えたら結果もついてくるのではないかと思う。私も一生懸命応援したい」

◆杉山正樹(法4)
「(ベンチから試合を見ていて)後輩たちの頑張りを間近で感じている。1部という卓球のレベルが高いだけではなく、社会的にも価値がある舞台に駒大がいられるのは後輩たちのおかげでもあるので感謝している。今思えば、もう少し自分も頑張れば試合に出られたのかなと思うところもある。残り2試合も頑張ってほしい」

*リーグ戦第4日、日大戦は20日(木)11時30分から、港区スポーツセンターで行われる。(港区スポーツセンター:JR田町駅より徒歩5分、地下鉄三田駅より徒歩10分)

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