• フルセットにもつれた試合の後、互いを讃え合う渡井と川上=所沢市民体育館で(田上佳雅撮影)

  • 気迫あふれるプレーで2度の接戦を制した

  • 「卓球に向かう姿勢が甘かった」と振り返った上野

  • 苦戦を強いられた橋本。ベンチは二木

元チームメイト対決、分かれた明暗

[卓球部]平成30年度関東学生卓球選手権大会(2018年06月22日 19時48分)

6月22日、所沢市民体育館にて関東学生卓球選手権大会 シングルス2回戦~6回戦(ランク入り決定戦)が行われた。結果は以下の通り。(4回戦より)

〔4回戦〕
○水谷良紀(営4)3-1関(国学大)●
○上野亨樹(応3)3-2下田(筑波大)●
○渡井丈人士(経1)3-0石井(東海大)●
○村上莉羽(営1)3-1相馬(日大)●
●佐藤卓央(経4)2-3小林(専大)○
●二木啓太(経3)2-3高橋(中大)○
●久保一矩(歴2)1-3周(日大)○
●藤本聖也(応2)1-3平野(早大)○
●橋本拓磨(経2)0-3永田(日体大)○
●西村星哉(商1)2-3羽佳(明大)○

〔5回戦〕
○渡井3ー2石田(国学大)●
○上野3ー0大谷(日体大)●
●水谷0-3郡山(専大)○
●村上1-3遠藤(明大)○

〔6回戦〕ベスト16決定戦
○渡井3-2川上(早大)●
●上野1-3佐藤(法大)○

 ランク入りをかけた16強決定戦に、駒大勢で勝ち残った渡井と上野。2人ともそれぞれの高校時代のチームメイトを相手にして明暗が分かれた。
 苦手としていた上に、三部選手(専大)に競り勝ってきたカットマン相手にフルゲームで勝ち、迎えた16強決定戦。立ちはだかったのは、母校の静岡学園高校で同級生だった川上(早大)だった。高校時代に対戦していた時は分が悪く、負けることが多かった。互いの手のうちを知るだけに簡単には勝たせてはくれない。2ゲームを先取するが直後に2ゲームたて続けに取られ、あっという間にフルゲームマッチへ。相手のドライブに苦しみ、6-7と追い込まれたところでタイムアウトを取り、一度流れを切る。そこで逆転の発想が生まれた。「打たれるなら、カウンター攻撃をすれば良い」。冷静さを取り戻し、デュースまで持ち込まれるも12-10で最後は競り勝ち、念願だったランキングを手に入れた。
 一方の上野。昨年のこの大会で、葉波(早大)や船本(明大、現・日野自動車)に打ち勝ち、8強となったことから、今大会でも活躍が期待された。同じくランク入りをかけた16強決定戦。相手は、野田学園高校(山口)で2学年下の元チームメイトだった佐藤(法大)。1ゲーム目にいきなりカウント1-4と攻め込まれる場面が見られたが、その後冷静に対処しこのゲームを11-5とする。しかし、2ゲーム目から流れが相手のものとなってしまう。レシーブがうまくいかない。先制しながら、続く3ゲームであと一歩流れをものにできずして、ランク入りを逃す。前回大会の結果が良かったという慢心があったわけではない。日々の練習に敗因はあると分析する。開口一番、「卓球に対する姿勢が甘かった。もったいなかった」と後悔の様子を隠さなかった。自らが述べた、少しの気の緩みが卓球の難しさであることを身をもって知った。
 およそ3週間後に団体戦インカレが控えている。チームの目標はベスト4に入ることだ。今年の春季リーグではここ数年はストレート負けを喫していた学校に対して競り合う展開の試合が増えた。確実に個人の実力は上がり、それがチーム全体の総合力につながってきている。1部リーグの世界で通用するようになるまで、あと少し。

◆長崎隆志監督
「(渡井選手がランク入りを果たしたが)チームとしてはまずは良かった。でも全体での話となると4回戦を一つの境目にして敗れていった選手が多かった。結果がどうこうと言うより、試合全体を見て粘りが足りない。日常の試合、特にトーナメントはリーグ戦のように一発勝負ではないから、自分のボロは何回も戦っていると出てしまう。うちの選手で今回一番多かったのは逆転負け。例えばゲームカウント7-3の状況から負けてしまうとか、2-1で2ゲーム先取しているのに負けてしまうとか。これが何を示しているかと言うと、自分の技術の精度の未熟さ(を示している)。精度が低いから安定感が足りていない。リスクを負って攻めていってそれが入れば点になるけど、勝ち切れるところまではいかない。しかもトーナメントでは連続で勝ち進まないと上位には上がっていけない。リーグ戦ではある意味で一か八かではないけど勝てるかもしれない。トーナメントだと本当に力が無いと勝ち残っていけないから、そういう点をうちと中大や専大の選手とで比べると、もろい。課題は明確だから、そこを日常の練習で厳しく取り組んで粘り強くなってほしい。トーナメントに強い選手になってほしい。(日常の練習に関しては上野選手も話していたが)上野の今回の初戦はガチガチになってしまって疲れてしまって、相手も良くなかった印象だが、5回戦以降は緊張がほぐせた試合ができていた。絶好調ではないにしても、それでもランク入り決定戦までいくのだから、それは地力がついてきているのではないか。1年生の時は平凡な選手だったわけだから。去年のこの大会は(組み合わせの影響もあって)ベスト8。それほどの力は無かったけれど、それでも8強には入った。相対的に、ジグザグの調子の波の中で徐々に実力が右肩上がりになっていっていることだと思う。(渡井選手がランクに入ったことで来月のインカレにはどう影響するか)ランクの選手がいることでチームに勢いはついた。彼自身も自信を持てたことだと思う。最近は接戦で負けることが多くかったから、今回2つの接戦を乗り切れた自信を良い形でつなげてほしい。苦しい試合を2回勝てたのは大きい。やはり、勝てなくてはしょうがない。良い試合ができた、では満足できないから。勝つことが一番の栄養になる」

◆渡井丈人士
「(16強以上が決まったが)(専大の)三部さんとの対戦を想定した練習をしてきたので、格上の選手が負けたことで自分にもチャンスが出てきた、ランクへの道が見えたと思った。もともと気楽に入ろうとは思っていたが、格上の選手が負けたことで気持ちがふわふわして格上の選手に勝った選手に負けてしまうのが常だったが、今日はしっかり勝ってランク入りも決めたので自分の中では良かった。(その5回戦であたった選手はカットマンだったが)対策をしてきたというわけではなかった。リーグ戦の中大戦ではカットマンの吉田俊暢選手に負けていたので怖いと思う部分はあったが、その時の反省を生かしてカット打ちができたので、焦らず冷静に対処できていた。(ランク入り決定戦では”静学対決”、加えて同期の選手だったが)いつも競って負けていた。挽回されたり、挽回したりするが負けていた。今回は自分としても負けるわけにはいかなかったので、最後の一本まで諦めずに食らいついていって最後に挽回できた。いつもだと競った場面では消極的になってしまうので、攻めることができないのが続いていた。今日は最後まで自分のプレーを貫いていったら、練習してきたプレーで点が入るようになっていった。そういう意味では成長した。(川上選手とあたるのが分かった時は)ちょっと嫌だなと思った。これまでの対戦の分が悪いので。でも、ここまできたらやるしかないと割り切ることができた。(難しいと思ったところは)自分はチキータが得意で、チキータを通じてフォア前とバックハンドまで引っ張っていけるが、フォア前が苦手で、相手が横回転だったり下回転だったりをかけてきてレシーブが浮いてしまったり単純なミスをしてしまい流れが悪くなってしまうので、逆に最後の方は打たせてカウンターをしたりして戦術変更できたので、それが良かった。(ベスト8決定戦となるが)ここまできたら向かっていくしかないと思うので、明日この会場でプレーできることに感謝して、授業が無いチームメイトや先輩方がわざわざ自分の応援のために来てくださるので、来てくれた人に満足してもらえるプレーをしたい」

◆上野亨樹
「(今日を終えて)甘かった。気が緩んでいた。本当にもったいなかった。(1セット目までは流れを引き寄せていたが)1セット目まではそうだった。本当に気が緩みすぎてしまって、最近の練習の甘さが出た。(昨年のこの大会でベスト8だったが)関係ない。卓球に対する熱が前よりも無かった。本当にもったいないことをした。(相手の印象は)高校からの後輩で、高校時代に1回負けていた。(インカレに向けて)チームの目標がベスト4なので、キャプテンの(水谷)良紀さんに良かったと思ってもらえるようにしたい。(卓球の難しさは)少しの気の緩みが結果につながってしまうところ。メンタル。(課題は)フォア前に抜けて出てきた球を取れなかったので、レシーブ練習」



★関東学生卓球選手権 男子シングルス7回戦(ベスト8決定戦)~決勝 6月23日9時30分 試合開始
@所沢市民体育館(西武新宿線 新所沢駅 徒歩10分)

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