【薬真寺孝弥×森本ヒマン インタビュー】「色々な人にティアモを知ってもらう」駒大コンビが語る覚悟と展望
[サッカー部](2021年06月19日 16時56分)
今年度よりJFL所属のFC ティアモ枚方でプレーする駒大出身コンビ、薬真寺孝弥と森本ヒマン。薬真寺は昨年度の関東大学リーグ1部で駒大サッカー部歴代最多のリーグ15ゴールを記録し、同部では現コーチの深井正樹氏以来となる得点王を獲得。ベストイレブンにも名を連ねるなど大ブレイクを果たした選手。森本も、駒大時代から秋田浩一監督に「身体的な能力が抜群に高い」と一目置かれ、パワフルかつスピーディーな駒大スタイルのサッカーを最前線でけん引してきた選手だ。
今回はその2人に、FC ティアモ枚方で戦う新たなステージでのこと、駒大時代のこと、そして今後の目標まで、様々な話を語ってもらった。
【ティアモはみんな仲が良い】
ーーティアモ加入の経緯
薬真寺「巻(佑樹、FC ティアモ枚方GM)さんが色々声をかけてくれた。その中で、Jリーグ(のチーム)に行きたいと思っているので、ティアモが一番近いと思った。JFLのチームは他にも声がかかっていたが、巻さんが一番熱かった」
森本「特に練習参加したわけではなく、関東リーグの国士大戦をティアモの関係者の方が見ていて、欲しいと言ってくれた。その試合は途中出場でレッドカードを貰った試合だったのだが、それが衝撃だったのではないかと思う」
ーーティアモに入って良かったと感じること
薬真寺「みんな仲が良くて楽しい」
森本「大阪というのもあってみんなフレンドリー。一番上の二川(孝広)さんは40歳で、一番下は高校生までいるが、あまり上下関係とかはない。あとはJリーグでやっていた元プロの選手もたくさんいるので、質の高い練習ができている」
ーーティアモには二川孝広選手やチョ・ヨンチョル選手をはじめ、日本サッカーのトップレベルを経験する選手が多くいるが
薬真寺「一つひとつの技術が本当に高いので、見て学ぶことが多い。あとはボールタッチが柔らかくて、パスとかがめちゃくちゃ上手い」
森本「自分も一緒で、皆ものすごくレベルが高い。二つ先のプレーまで考えていたりして、すごいなと思う。田中英雄選手は30歳後半だが、すごく走れるし、あとはみんなボールを全然取られないし、ミスが少ない」
【もうちょっと駒大に居たかった】
ーー大学サッカーとの違いは
薬真寺「大学の方が走っていた」
森本「JFLは(プレースピードは)ゆっくりだが、一人ひとり上手いし頭が良い。ただ、やっぱり大学の方がスピード感はあったかなと思う」
ーー今季の駒大を見ていてどう感じるか
薬真寺「めちゃめちゃ強いと思う」
森本「FW陣が一昨年、去年に比べて点を取れている。深井(正樹)さんが入って攻撃面の練習が増えたのが大きいと思うので、羨ましいなと思う。もうちょっと駒大に居たかったですね」
ーー駒大時代に学んだことで生かされていることは
薬真寺「JFLは(大学と比べて)全く別物だと思う」
森本「駒大だったら、ゴールキックとかをどれだけズレていても競りに行けよという感じで言われていた。ゴールキックがずれても行くというのは今でも変わらない」
ーー新しいステージで磨かなければいけないと感じたプレーは
薬真寺「結構パスを繋ぐチームなので、絶対にミスをしないくらいの技術をつけたい」
森本「FWは、足元に落ちてきてボールを受けて展開、といったプレーが多い。自分は足元キャラではないので、しっかり練習して上手くなりたい」
ーー20年度卒業の代はJFLなどでサッカーを続ける選手が多かったが、2人にとって遊びなどではなく第一線で本格的にサッカーを続ける意義とは
薬真寺「サッカーしかやってきていないので。みんなサッカーしかできないからサッカーをやっている感じだと思う」
森本「間違いない。他にサッカー以外のことをやりたいと思わない。食べるのと一緒で、寝るのと一緒。サッカーも生活の一部になっている」
ーー今後の目標
薬真寺「個人としては、今年ティアモで結果を出して、Jリーグのチームから声をかけてもらえるような選手になること。ヒマンに負けないように頑張りたい。チームとしては、ティアモはまだJリーグにすぐに昇格することは出来ないが※、一つでも良い順位で終わって、ティアモ枚方というチームが将来的にJリーグに昇格できるように、色々な人にティアモを知ってもらいたい」
森本「自分の目標はとりあえず孝弥より早くプロに行って活躍すること。チームとしては、強いチームになりたいので、最近勝ててはいるが失点が多いので、失点が多いと強いチームにはなれない。なので、失点を少なくして、なおかつ勝てるチームになれるように頑張っていきたい」
※FC ティアモ枚方は2021年6月現在、J3加盟の条件となる「J3ライセンス」発給の要件および「J3スタジアム要件」を満たしていないため、昇格圏でシーズンを終えてもJ3に昇格することができない。
取材後、薬真寺からある一言が飛び出した。
「後輩に伝えておいて欲しいことがあるんですけど、俺(の記録)が薄れちゃうから絶対得点王取るなよって言っておいてください(笑)」
今季絶好調のFW陣や、高校時代からの後輩の荒木駿太ら後輩に向けた、薬真寺なりの激励だったのだろう。最後に「とりあえず、次出た試合で点取ります」と話していたが、2人は取材3日後のJFL第12節、FC刈谷戦でお互いに1ゴールずつを決め、4-1の完勝に貢献。まさに"有言実行"を果たした。
今後の目標として、Jリーグでの活躍を誓った薬真寺と森本。駒大のOBには、JFLから順当にステップアップを果たし、現在J2リーグ所属のSC相模原で活躍する安藤翼(18年卒)選手がいる。熱い獅子吼の魂を持つ2人をJリーグの舞台で見る日は、そう遠くはなさそうだ。
なお、FC ティアモ枚方の試合はサッカーメディア「REIBOLA(レイボーラ)」から視聴が可能。
薬真寺孝弥(やくしんじ・たかや)
1999年3月7日生まれ。174cm、70kg。
長崎総科大附高→駒澤大→FC ティアモ枚方
森本ヒマン(もりもと・ひまん )
1997年5月1日生まれ。188cm、88kg。
矢板中央高→駒澤大→ FC ティアモ枚方
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