• 山下は集団で粘り、スターターとしての役目を果たした=島根県出雲市で(元井可奈子撮影)

  • チームのために「順位を落とさず」力走した伊東(篠原由之撮影)

  • 田澤は攻めの走りを見せエース区間を1位でつないだ(小野美早紀撮影)

  • 青学大との競り合いに食らいつき順位を守った小林(奧野凌河撮影)

  • チームを支える『ダブルたいせい』のタスキリレー(黒岩美彩紀撮影)

2年ぶりの出雲駅伝で大健闘の準優勝!

[陸上競技部](2019年10月14日 22時51分)

第31回出雲全日本大学駅伝選抜競争が10月14日、出雲大社と出雲ドームを結ぶ全6区間45.1kmで行われた。結果は以下の通り(上位3位と駒大のみ)。

【総合記録】
1位 国学大 2:09:58
2位 駒大 2:10:06
3位 東洋大 2:10:09

【個人記録】
1区 山下一貴 24:23 [2](2)
2区 伊東颯汰 16:26[4](2)
3区 田澤廉 23:54[2](1) ☆
4区 小林歩 17:30[3](1) ☆
5区 中村大成 18:03[3](1)
6区 中村大聖 29:50[4](2)

※[ ]内は区間順位( )内は通過順位。☆は区間新記録

全員が初めての出雲挑戦となった駒大。
スタート1区は「アンカーを走りたい」と言っていた山下がタスキを運ぶ異例の幕開け。3キロ付近で形成された日本人集団から離れることなく、レースを展開。北海道学連選抜に続く2位で2区伊東颯汰へタスキリレー。

2区は先日の記録会で5000m13分台を叩き出した伊東颯汰。5.8キロという短い区間の中、今駅伝の大きな流れとなった国学大、青学大、東海大との2位集団を形成。集団の先頭に立ち、トップと12秒差で3区へつないだ。

3区田澤廉は1年生ながら駒大勢で5000mトップの記録を持つ。国学大、青学大の集団で走り進め、4キロを通過。レースが動いたのはラストの600mから。集団に東洋大が追いつき、4校でトップ争いとなる。
500mを切ったタイミングで田澤がトップに躍り出る激走を見せ、4区小林へ。

三大駅伝初出場となる小林。4区は青学大との競り合いになった。苦しい表情を浮かべて食らいつき、4.6kmを2位で通過する。ラスト1kmで前に出るも、青学とほぼ同時にタスキリレー。区間3位の快走を見せた。

高低差の激しい5区には、山に強い中村大成が起用された。2.7km地点では青学大と並走するが、途中で仕掛け1位に。高低差に多少苦戦するも、トップを保ち笑顔で中村大聖の待つ中継所へ。『ダブルなかむらたいせい』のタスキリレーとなった。

6区を務める駅伝主将の中村大聖は落ち着いた走りで残り5km地点を1位通過。後ろに東海大、国学大、東洋大がつき、追われる展開に。8km過ぎ、国学大・土方が集団から抜け、じりじりと中村大聖に迫る。懸命に走り続けるもラスト700mでかわされ後退。そのまま2位でフィニッシュした。
トップでタスキをつなぎ続け、優勝に迫る快走を見せた駒大勢。悔しさを胸に全日本駅伝でリベンジを誓った。



◆大八木弘明監督
「(予定通りのレースだったか)予定通り。全然予定通り。アンカーで少しでも離していけば勝てるかなと。(レース全体を振り返って)残念だったけど、悔しい思いだけ。最後、最後。最後の大聖の体調があまり良くなかった。しっかり頑張って次につなげたい。みんなよく走ったと思う。5区までは思い通りのレースだった。今まで掲げてきていた『トップでアンカーまで持っていく』ということがしっかりできていた。しっかり全日本に向けてやっていってくれればなと思う。(山下選手がアンカーを希望していたが1区になったのは)そうそう。山下と大聖でそれは、アンカー勝負でラストまで(もつれて)いったら山下は少しあれかなと思っていた。アンカーで勝負するなら大聖のほうが良いなと思ってやったら、反対だった。そこはなかなか見抜けなかったというか、難しいところ。(小林選手の起用について)小林は良い状態で練習やっていたから使った。強気な子なので、だからやはりこういう駅伝には向いていた。(田澤選手について) 田澤はハートも強いし、どんな状況でも走れる選手。うちのエースになると思う。すごいですよ。(5区の中村大成選手は)大成も良かった。(力通りか)力通り。1、2、3、4、5、6全部ミスなく来た。やはり最後だけ。悔しい。無難に走ってれば勝てたなと。(全日本への意気込み)この悔しさをやはり全日本でぶつけたいと思う」

◆1区・山下一貴
「(日体大記録会から、どのように調整してきたか)特別なことはしていない。いつも通りのことをしてきた。(今日のレースプランは)負けてもいいので、最後までついてゴールできるようにした。最初は集団の後ろのほうにいて、中間から少し前に行って戦うことを意識した。(監督からの指示は)落ち着いてと言われた。秒差でも良いから前が見えるようにということだった。(実際に走ってみて)ラスト1㎞から抜け出せたので良かった。(集団が遅めのペースだったというが)中盤くらいまでは想像以上の遅いペースで進んだ。そこからIVY選抜の方がペースを上げて周りの選手を引っ張ってくれた。(希望のアンカーとは真逆の1区だったが)やはりアンカーをやるつもりでいたが、アンカーとしては大聖の方が力があるので、混戦になったときに確実に勝てるようにということで納得して大聖に任せた。(自身の結果は)想像以上の出来。走れている選手が結構いたので、負けても良いと監督に言われるくらい期待度は低かったという感じもするが、その中でもしっかり走れて良かった。(スタート位置につくとき、「山下さん」とコールがあったが、それに対して)でっかい声で応援してくれるなーと(思った)。ありがたいと思う。(全日本に向けて意気込みを)今回は確実に(優勝)出来るのではと途中で思ってしまった。優勝出来ると思えるところまできたので、全日本は勝てるようにしたい」

◆2区・伊東颯汰
「(日体大から今日までどのように調整してきたか)日体大でしっかり出雲に対してのスピードを自分で確認出来たので、スピードにはこれ以上の負荷かけないようにして、距離は短いことだけを意識して練習に取り組んできた。(レースプランは)東海大の坂口さんが強いと知っていたのでそこにしっかりついて最後に勝てればいいなという自分の中で流れがあった。その通りに出来たなと。(監督やコーチからの指示は)冷静に行けと言われたので、自分の中で冷静に走れたなと。(実際に走った上で今日の調子は)悪くなかったので区間賞も狙えたなと思ったけど、まずチームに貢献することが大事だと思ったので、順位を落とさず、2位か1位で次の選手に渡すことだけを考えて走った。(自分の結果について)満足はしていないけどこれからまた上を目指すにはまだまだ力が足りないので、これから自分がチームを優勝に導ける走りができればいいなと思う。(区間賞のこだわりについて)区間賞は自分の中で三大駅伝で取りたいなと思っている部分があるので、取りたいではなく取る。そういう思い。(全日本駅伝に向けて)今回最後ああいう形で2位で終わってしまい、応援してくださった皆さんやチームとして申し訳ない気持ちがいっぱいあるので全日本では優勝を必ず取りに行く気持ちでまた新たにここから調整して臨みたい」

◆3区・田澤廉
「(日体大記録会後の調整は)いつも通りの調整で、いつも通りできた。(レースプランは)『攻めの走り』というレースプランがあり、最初から攻めていこうと思った。ラスト400mを意識していた。(監督からの指示は)3区はエースが集う区間だったのでとにかく粘れと言われていた。吉田選手(青学大)、浦野選手(国学大)は強いと分かっていたのでついていった。(実際に走ってみて)最初は不安があったが走ってみると勝ちたいという思いが出てきた。最終的に勝ててよかった。(今日の結果について)よかった方が大きいが相澤選手(東洋大)に勝ちきれなかったのが悔しい。(初の三大駅伝出場となったが)かなり自信となった駅伝だった。全日本ではもっといい走りができると思う。(1年生で出場となったが)どうも思ってない(笑)。出させてくれてありがとうございますという感じ。(トップでタスキリレーとなったが)(トップでタスキを)渡してやろうと思った。(エース区間を任されたが)うまくいくか分からなかったがうまくいってよかったと思う。(区間2位だったが)3区で区間賞は正直取れると思っていなかった(笑)。相澤選手には勝てなかったがほかの選手に勝ててよかった。(全日本に向けての意気込みは)区間賞を狙って、チームも絶対優勝したい」

◆4区・小林歩
「(日体大を走ってからどのように調整してきたか)スピードを上げる練習をしてきていたので、自信があった。(今日のレースを振り返って)起用が決まったのが3日前ぐらいだった。監督の期待に応えようという気持ちがあった。気負わず気楽に走ることができた。(途中青学と競り合う場面があったが)青学より前でタスキをつなごうと思った。(今日のレースプランは)2分50秒から52秒くらいのペースで押して行こうというプラン。後ろが思ったより早かったが、相手を離さなければならなかった。少し早かったがついて行った。(監督やコーチからどのような指示があったのか)『1区、2区、3区がいい走りしているから、おまえも続け』と言われた。(今日の自身の結果について)区間賞が目標だった。チームも優勝出来なかったので、もっと自分が走っていれば優勝出来たと思う。(全日本に向けて意気込みは)どこの区間を走るか分からないが、出場することができたら、区間賞を獲って、優勝に貢献したい」

◆5区・中村大成
「(5区で3位という結果だったが今日の調子は)悪くは無かったが良くも無かった。最低限トップで行くのは監督からも自分の中でも決めていて、それは出来たが、後半ペースが落ちてしまって、それが区間賞取れなかった原因かなと思う。(日体大記録会からはどのような調整をしたか)一回疲労が出て調子が落ちてしまったが、疲労が抜けてからは比較的調子も上がってきて、ある程度自分の中ではいけるかなという感覚はあったが、もうちょっとだったなと思った。(今日のレースプランは)とりあえずついて行って、中間点過ぎたあたりから仕掛けるというもので、それはできたが、後半アップダウンがあるコースにもう少ししっかり対応できていれば、最低でも区間2位は取れたのではないかと思った。そこにしっかり対応出来なかったのが課題だと思った。(監督・コーチからはどのような指示があったか)中盤以降の走りと言われていて、出来た部分もあれば出来なかった部分もあったので、次の駅伝に向けて生かしていければいいなと思う。(次の全日本駅伝に向けての意気込みは)自分自身としても出雲は優勝できると思ったが、それが出来なかったのが非常に悔しかった。全日本駅伝では出雲で優勝した国学大をはじめ強豪の東洋なども仕上げてくると思うので、油断せずにいつもと同じような気持ちで優勝目指して頑張りたい」

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