• 25日朝練習前のミーティングに集まる選手たち=志賀高原で(奥田葉月撮影)

  • 冷たい雨の中で行われた午前練習(石曽根和花撮影)

  • キャプテンの声かけにラストをふりしぼった午後練習(石曽根和花撮影)

  • オン/オフを切り替え、和気あいあいと夜ごはん(伊藤大志撮影)

  • 闘争心を燃やすBチームメンバー(奥田葉月撮影)

陸上部夏合宿'17 vol.1 〜「できる、できない」ではなく「やる、やらない」という考え方を〜

[陸上競技部](2017年08月26日 09時28分)

8月16日~9月2日の間、例年通り長野県(野尻湖、志賀高原)で夏合宿を行っている陸上部。今年も志賀高原での練習を1日半取材させていただいた。


<スケジュール>

【25日】

5:50  朝練習

10:30 午前練習

13:45 昼食

15:30 午後練習

18:30 夕食

【26日】

5:50  朝練習

10:30 午前練習


 深夜にやや雨も降り、曇天の肌寒い気候の中、25日早朝、朝練習は行われた。夏合宿も折り返し地点となり、疲労も溜まっている状態ながら選手たちはリラックスした様子でジョギングをこなしていた。


 午前練習はA、B、Cの3チームに分かれ30kmの距離走が行われた。冷たい雨が降る中での練習となり、選手たちは苦しそうな表情を浮かべていた。
三大駅伝経験者の中西亮貴(地4)、下史典(経3)、堀合大輔(国3)らに加え、板橋賢吾(市4)、白頭徹也(市3)、大坪桂一郎(経2)、山下一貴(市2)らもAチームでメニューをこなした。高校時代から活躍していたスポーツ推薦進学者が集う1年生の中で、一般で駒大陸上部の門を叩いた神戸俊介(仏1)はBチームで積極的に練習をこなし、チームメイトたちに大きな刺激を与えていた。


午後練習は、黒姫・妙高山麓大学駅伝エントリーメンバーらを中心に400mのインターバル走を12本。藤田敦史コーチ、河上遼太郎マネージャー(法3)の並走のもと、ラストは高本真樹キャプテン(経4)が前に出ると、共に走る選手たちを力強く鼓舞していた。


 26日の朝練習は冷たい雨に加え、霧が立ち込める悪天候の中で行われたが、午前練習はようやく晴れ間が見えた。A.B.Cの3チームに分かれ、A.Bは400m×13、Cは16km+400m×3をこなした。
中西、下、堀合の3名は余裕を持ってAチームでメニューをこなすと、終了後には笑顔を見せ調子は上々。B・Cチームでは1・2年生が積極的に前に出ており、下からの突き上げを感じさせるなど、秋に向け期待の膨らむ夏合宿であった。


〜藤田敦史コーチに伺う、夏合宿2017〜
ーー上半期を振り返っていかがですか
やはり去年の4年生が特に強い世代だったので、中谷(圭佑・17年卒、現・日清食品グループ)、西山(雄介・17年卒、現・トヨタ自動車)、大塚(祥平・17年卒、現・九電工)といたが、その3人が抜けた後というのが大きかった。去年で言えば関東インカレで中谷が優勝するなど勢いがあったが、今年で言うとなかなかトラックを得意としている選手があまり多くない。
トラックでと言うと結果としては寂しかったかなと思う。

ーートラックシーズンに目標としていたことは
まずは「自己ベストを出す」という目標がチーム全体としてあったので、自己ベストを仮に出せなかったとしても「(自己ベストに)近づける」というところを目標にやっていた。実際には、5000mで言えば13分台というところまでいく選手もなかなか多くなかったので、その部分ではやはり結果としては厳しかったかなというところはある。


ーー今年の夏合宿で調子の良い選手は
高本(真樹(経4))はキャプテンということもあって、すごく調子が良いというわけではないが、「やるんだ」という気持ちが1番見える選手。それは見ていてすごく感じる。


ーー合宿を通して見えてきたチームの課題は
ここ数年同じことではあるが中間層、いわば中堅どころの強化というところが今ひとつしっかり出来ていない。その辺りをこの夏合宿で少しでも底上げできるようにという課題を持って取り組んではいるが、やはり練習を見ていると去年の中谷たちの世代のようにはなかなかいかない部分がある。同じ練習をやっていても、やれるけれども余裕度が全然違っていたりという部分を見ると、やはりまだ少し苦しいかなというところを感じる。
こればかりは一気に結果が出るというものではないので、学生たちには「できる、できない」ということではなくて「やる、やらない」ということで物事を考えなさいと言っている。もちろん、現時点で能力の差はすごくあるので、できることとできないことがあると思うが、「やろうとする気持ち」というのは仮に能力が無くても持つことはできる。その「やろうとする気持ち」をしっかり持ってやりなさいということ。
自分はやるんだという気持ちでやってくれれば現時点でできないことでも、いずれできるようになると私は思っている。そういった取り組みをしていくために指導者の側はかなり我慢が必要になる。もちろん選手も我慢しているが、この我慢は身を結ぶときが必ずくるので、今は辛抱しながら指導者も選手もやっているところ。


ーー駅伝シーズンへの課題
昔の駒澤が強かった時に何がすごかったかというと、駅伝でいういわゆるつなぎの区間を走る選手の強さというところだと思う。今青学大がなぜあれほど強いかというと、つなぎの区間にあれだけのレベルの選手を置くことができるというのが1番の強み。もちろん去年でいえば一色(恭志・17年卒、現・GMOアスリーツ)君などのエースもいたが、そのエースだけに頼るのではなくて他のつなぎ区間を走るような選手たちが区間賞を獲ったりして、気づいたらどんどん先を行くというのが青学大の強さだと思っている。昔駒澤が強かった時も同じだった。もちろんエースはいたが、つなぎ区間の強さというものが際立っていたので勝てた。
一方で今のチームを見ると、上でいうと工藤(有生(政4))や片西(景(地3))はユニバーシアードに行っているが、そういった日の丸を背負えるような選手がいる一方で、中堅どころの選手の弱さというのがすごくここ最近目立ってきてしまっている。少しでも駅伝シーズンを迎える前までにこの強化というのを進めていきたいなというところ。
そのために今1番存在的に面白いのが1年生。特に神戸俊介(仏1)はスポーツ推薦ではなく一般で入ってきた選手だが、「できる、できない」ではなくて「やるんだ!」という気持ちが走りから滲み出ている。たぶんきついとは思う。見ていると明らかにきつくなっていて、普通の選手であればそこで離れるが、彼は絶対に離れない。「自分は駒澤でやりたい」と言ってきてくれた選手なので、そういった選手がいるからこそ1年生が「神戸がやっているんだったら自分たちもやらなくてはいけない」という思いになってくれている。どれぐらいやれるのか、1年生は本当にこれから面白い。1年生なので体力はないが、この夏合宿がしっかりできれば(駅伝に)絡みそうな面白い選手は何人かいる。


ーー黒姫駅伝にも1年生がエントリーされていたが
他のチームに対してあのメンバーでどれだけ肉薄できるかというところ。かなり練習を積んでいる中で試合を迎えるのできついとは思う。彼らには、きついというのはこちらも分かっていて、夏合宿の疲れがある状態でどれだけの走りができるかというのを見たいと思っているので、最善を尽くしてくれと話した。疲れの中で1年生がしっかり走ることができれば面白いのではないかと思う。本来は1年生に頼っていてはいけないが、現状で言うと今すごく勢いがあり、やる気があって、その部分がチームにとても良い影響を与えてくれている。4年生のリーダーシップと1年生の勢いとがうまく噛み合ったときにチームとして動き出すのかなと思う。


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