• 大将の役割を果たした志村=日本武道館で(田中裕葉撮影)

  • 見事準優勝を果たした団体形。左は最後の演技となった舛田

決勝で完敗し、悲願の3冠逃す

[空手道部]第52回全日本大学空手道選手権大会(男子)(2008年11月24日 22時59分)

第52回全日本大学空手道選手権大会が11月23日、日本武道館で行われた。結果は以下の通り。

【決勝】
駒 大0―4帝京大☆
先鋒●阿久津昂平(経2)5-8
次鋒●佐藤龍治(商3)0-5
中堅●竹田純哉(法4)0-8
副将●大木正歳(政4)0-6
大将▲志村龍己(仏4)2-2

【男子団体組手】
1位 帝京大
2位 駒 大
3位 国士大、近畿大

【男子団体形】
準優勝
舛田翔平(英4)
糸川秀幸(政2)
安藤 誠(英1)

☆優秀選手賞☆
志村龍己
佐藤龍冶

 悲願の全日本制覇、そして学生大会3冠達成をかけて挑んだ今大会。重圧から思うような試合ができず苦戦を強いられるが、総合力で決勝まで駒を進める。決勝の相手は、昨年の覇者・近畿大を破った帝京大。これまで何度も対戦し、競り勝ってきた相手だったが、先鋒・阿久津が序盤に2つの技ありを許しそのままペースを握られ敗れると、この日決勝まで負けなしだった次鋒・佐藤龍が1点も取れず敗北を喫するなど、完全に主導権を握られた試合となる。何とか終盤までもつれさせたかったが、中堅・竹田は終了間際に技あり、1本を決められたことが決定打となり敗れ、この時点で優勝は消えた。一矢報いたかった副将・大木、大将・志村だったが、大木は反則負け、志村は終了直前に警告から相手に得点を許したことで引き分けに終わった。
 予選を高得点で通過した男子団体形。決勝トーナメントでは関東大学選手権大会で敗れた山梨学大に僅差で勝ち、見事決勝進出を決める。決勝では、世界大会で優勝した帝京大との対戦となるが、突然のメンバー変更で大会1か月前からという僅かな時間で練習を重ねた成果を存分に発揮し、準優勝を果たした。

◆大石武士師範
「(決勝は)勝つんだという気持ちがマイナスになった。勝ちたい気持ちが強すぎてプレッシャーになっていた。技も全然出てなかったし。(準決勝で)動きよくなってきてたけど、竹田、大木、(佐藤)龍冶が負けちゃね。(優勝への)手応えは十分あった。ただ、やっぱり勝たなきゃいけないというプレッシャーがあった。でも選手はよく頑張ったし、(試合後に)そう言葉をかけた。(来年は)締めて締めて締め直さないと。下も戦えることがわかったし、また良い選手が入ってくるからね」

◆杉山俊輔監督
「よくやりました。(決勝は)勝つつもりでやったけど、あのメンバーでやって勝てなきゃ仕方ない。(体の)線が細くて当たり負けたりしたので、もっと鍛えなきゃダメですね。(形は)頑張ってやっているのが伝わってきた。上手い下手ではない。新しいメンバーで組んで1か月の練習だったが、よくやった。(4年生は)4年間良い成績残してきたし、だからこそ頼りきっていた部分もあった。信頼して頼りすぎたことで、負担かけちゃったかもしれない。最後に優勝させられなかったのは彼らの責任ではなく、指導者である僕らの責任。でも学生には本当に感謝している。(来年は)今まで通りじゃダメだということは明らか。でも、春先に使えなかった連中が力つけてきている。やってくれると思いますよ」

◆竹田純哉主将
「勝ちたいっていう気持ちはあっちの方が強かったんだと思う。それが結果に出ている。(決勝で前2人が負けた時)負けたら終わりだと思って、絶対勝つと思ったけど、本調子が出せなかった。決勝戦に調子が上がってくると期待して出してくれたのに、最後まで(調子が)戻らなかったのは申し訳ない。(悔いは)ないです。4年間ずっと試合に出られたので。1年生の時から出られたので、やり残したことはない。(4年間は)良い同期、良い後輩、良い先輩に恵まれた」

◆志村龍己
「(決勝は)帝京ということで、気迫で押されなければ勝てると思っていたが、甘かった。気迫も技術も完全に負けた。(負けが決まった瞬間は)さすがにモチベーション落ちてしまったが、今まで駒大でやってきたことすべてだし、(最後に)後輩の手本になるような組手がしたかったが、…ダメでしたね。(重圧は)正直あった。自分たちの代で優勝したい気持ちが強かったし、優勝して師範、監督を胴上げしたかった。(4年間は)本当に充実していたし、駒大に入ってよかった。良い指導者や先輩、後輩、そして何より最高の同期に恵まれた。同期のおかげでここまで頑張れたと思う。(後輩には)全日本優勝という夢を達成してほしいが、まず楽しく空手をやってほしい。どうしても結果を気にしてしまうと思うが、空手って楽しいものだ、と思い、厳しい稽古でものびのびと励んでほしい」

◆大木正歳
「悔しい。これが結果なので、来年後輩がやってくれると信じている。(帝京大は)今まで勝率は良かったけど、形や女子組手の優勝で波に乗っていた。それに呑まれたみたい。(自分の前に負けが決まっていたが)優勝目指していたので、最後(自分が)勝てればよかったけど、集中力がもうなかった。(4年間を振り返って)1年生の時から試合に使ってもらって、今まで関東取れても全日本が取れなくて悔しかった。(今年は)関東は落としてもいいから、全日本は取ろうという目標だった」

◆井上武士(営4)
「(決勝は)同期の3人はすごく信頼してるし、あのメンバーで負けたら仕方ない。相手強かったです。(自身の内容は)悪くはなかったが、勝てなくてチームに迷惑かけた。(重圧は)ないとは言えないけど、最後の方はそんなこと関係なく試合してたと思う。僕は自分のことで精いっぱいだったし。(4年間振り返って)駒大で良かった。空手が強い大学は他にもあるけど、その中で駒大に来れて良かった。同期にも恵まれた。(後輩は)やってくれると思います」

◆舛田翔平
「今回、正規のメンバーがけがをして急きょ1年生の安藤が出ることになり、一からやることになった。まさか決勝にいけると思わなかった。だが、予選からしっかりやるスタンスを続けたからいけたのだと思う。(決勝の)分解がぶっつけ本番に近く、決勝進出が決まってから急いで合わせた。安藤はまだ精神的に弱いが、よく頑張った。(4年間は)1年の時の方が勢いがあった。2、3年の時は怠けた部分があり、勝てない時期があった。4年になって考え直し、稽古に励んだ。最後の大会でしっかり結果を残せたし、悔いはない」

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