• 決勝進出を決めた環太平洋大の野村監督=神宮球場で(中川達夫撮影)

  • 関西国際大の鈴木監督は準決勝敗退となった

明治神宮大会でOB躍進!関西国際大は準決勝敗退も、環太平洋大が決勝進出!

[硬式野球部]明治維新百五十年記念第四十九回明治神宮大会準決勝(2018年11月14日 10時38分)

明治維新百五十年記念第四十九回明治神宮大会準決勝の2試合が11月13日、神宮球場で行われ、駒大OBの鈴木英之監督が率いる関西国際大、野村昭彦監督が率いる環太平洋大学が出場した。関西国際大は敗れたものの、環太平洋大は近畿大にコールド勝ちし、決勝進出を決めた。

【立正大 12‐1 関国大】

立正大 205 014 =12
関国大 000 100 =1
(規定により6回コールド)

 関国大・鈴木監督はエース武次ではなく、森國を先発登板させたが、初回先頭打者の失策から2点を失ってしまう。さらに3回にも先頭打者からの3連打を浴びると、2番手渋谷に交代するも、四球なども絡みこの回一挙5失点。4回に1点を返したものの、5回以降さらに突き放され6回コールド負けとなった。

◆関西国際大・鈴木 英之監督(1989年卒)
「(試合を終えて)今日は4年生のピッチャーでいこうと思っていたが……。森國は緊張している立ち上がりで、ショートゴロがエラーになってしまったのがかわいそうだった。武次は2回戦の状態が80%ぐらいで、65%ぐらいと本人が言ったので、やめておこうと思ったが、武次を出す展開にはしたかった。(立正大の印象は)イケイケという感じで、(同じ東都の)駒澤、亜細亜、東洋のイメージとは少し違う。ノリのいいチームだと思う。東都の優勝チームなので、攻撃力があるのはわかっていた。伊藤(裕季哉)君は最初のヒットのとき、インサイドのまっすぐの後、スライダーを簡単にライト前に打たれたので、これはアウトにできないと思った。さすが、これほどレベルの高い右打者はあまりいない。初回の2点は取り返しがきくと思ったが、3回で相手を乗せてしまった。(機動力でかき回されたが)小郷君など数人が走ってくるのはわかっていたが、うちのピッチャーの経験が乏しいのが出てしまった。無駄な進塁が多すぎて、普段走らない木下にまで走られたのはちょっとびっくりした。(今大会の手応えは)結局武次だけ。春は武次が7勝して、秋も7勝して、関西選手権も武次で勝った。よく投げてくれたと思うが、次の投手を育成をして、武次に依存しないようなチーム作りをしないといけない。(太田元監督からは)電話した際に『しっかり頑張れ』と言われた。太田監督の影響はここでは語りつくせないぐらい自分の野球人生に響いている。まだまだ足元には及ばない」

◆立正大・坂田 精二郎監督
「(初回から得点したが)左投手を想定していたが、今大会投げていない右ピッチャーがきた。『逆にチャンスだ、序盤で決めるぐらいの気持ちでいくぞ』と話したら、運もあって優位にもっていけた。先制点が取れたのは大きかった。リーグ戦も最後にプレーオフがあったので、その経験が生かせていると感じる。(機動力を生かしたが)普段から根拠を作って走ってくれと言っている。それが今日のゲームに出せたかなと思う。(木下の盗塁は)相手の気の緩みをついた。監督が駒澤のOBなので、選手には『細かい野球をやってくるから防御しないといけないぞ』と言って、注意してやらせたのがよかったのかと思う。(トーナメント方式は)社会人でやっているし、嫌いじゃない。でも1戦目の九州共立大のときにあまりにも情報がなさ過ぎて、全国の怖さを感じた。やってみないとわからない部分があって、共立戦は後手にまわった。伊藤(裕季哉が2点本塁打を)打ってくれたからよかったけど。(決勝まできたが)関東勢が負けているので、関東代表としても頑張らないといけない。控え選手がデータを一生懸命集めてくれているので、メンバー外も含めて、総力戦で挑んで勝ちにつなげられたらと思う」


【環太平洋大 7‐0 近大】

近 大 000 000 00 =0
IPU 003 020 11x =7
(規定により7回コールド)

 環太平洋大先発の西山は初回から近大に安打を浴びるも、無失点で抑える。すると打線は3回先頭梅本の四球から1死二、三塁とし、1番岡田の右翼線適時二塁打、3番安藤の左前適時打で3点を先制した。さらに5回にも2四球で得た走者を安藤が左前適時打で還し追加点。7回、8回にも加点し、コールド勝ちを収めた。3投手で継投した投手陣は9安打を浴びながら、要所を締め完封した。

◆環太平洋大・野村 昭彦監督(1991年卒)
「(好機を生かしたが)ヒットはそう出ないはずだから、法政戦は忘れて、フォアボールをきっかけに足を使って引っ張らずに、と言った。理想通りだし、正直出来すぎ。ただ、去年は半信半疑だったことを1年経って、みんなが納得してくれて覚えてくれたおかげでフォアボールとか粘り強さが出たと思う。昨日ミーティング終わったときに(社会人野球日本選手権決勝の)JFE西日本と三菱重工名古屋の試合が8回裏満塁の場面で、『スイングも何もしなくていいから見ろ。こういうゲームで何が必要かわかるはずだから』と言った。みんな見た後に、言ったのは『延長に入ってからの三菱の粘り強さ、逆に、後輩だけど、JFEの淡白さがゲームを左右したんじゃないか』と。ヒットばかりでなくて、粘り強くいくことが大事だとすごく勉強になったんじゃないか。打てそうにないときに粘ったり、球数を投げさせたりということで相手の監督は『単純に打ってくれないな。昨日と違うな、うちのピッチャー打たれちゃうんじゃないか』と思ったと思う。そこだけ。(明日は東都代表校が相手だが)試合前に(立正大の)坂田監督が『駒澤、駒澤ときて最後に野村監督。決勝でやりましょうね』と言われた。かっこいい言い方をすると、東都のライブ放送で亜大‐立正大、駒大‐立正大は見ている。渡部君も釘宮君も見ているし、小郷も関西高のときから知っているし、伊藤裕は一緒にジャパンでやったし、向こうのことは見ている。(東京六大学も東都もライブ放送などで研究をしたのか)ありがたいことにこちらは全部見られるけど、うちのものはない。僕らは身体能力はないかもしれないけど、学生野球なので予習復習ができたらある程度戦える。それをずっと言ってきている。教育とスポーツの融合というのはうちの大学の建学の理念でもあるので。今日の終盤代打に行った子たちは本当に狙った球を打ったので、それが嬉しかった。横で見ていて鳥肌が立った。(試合前にスタンドで太田さんと話していたが)立正大の試合中だったので、『駒澤はこうやって負けたんだよ』『この2番の足がいいんだよ』『このピッチャーは』ということを言われた。やっぱり背筋が伸びるし、試合後も何よりも先に探して握手してもらって『強い』と言ってもらった。卒業して30年ぐらいになるが、怖い人が1人いた方がいい。その人を悲しませたくない、迷惑かけたくないというところで理性は守られるから。だから僕も学生に厳しく、遠慮なしに言う。(決勝戦に向けて)僕は環太平洋大の看板を背負っているが、駒澤の気持ちで立正には絶対負けないつもりでやる。僕個人のことだけど、東京六大学とやるぞ、東都とやるぞと言ってきていて、本当に東都とやれるのは嬉しい。それが母校だったらやりづらかったと思うが、立正なので心おきなくやれることを出し尽くしたい。立正大の準備は最初からしている。母校も(亜大の)生田も負けているんだから。僕は環太平洋大の人間だけど、大倉監督も生田監督も立正に勝っておけば優勝できた。駒澤のOBとして、今生田監督にグラウンドを貸してもらっている身として、その思いはあるが、それは僕の中に取っておいて、選手には思い切ってやってほしい」

◆近大・田中 秀昌監督
「(試合を終えて)完敗。関西の意地を見せたいと思ったが、相手のピッチャーに抑えられた。ヒットは打っているが、全然つながらない。警戒した1番と3番にものの見事に打たれたので、完敗と言うしかない。コールドゲームになって申し訳ない。(環太平洋大の印象は)ピッチャーが丁寧。先発の西山君はすごいスピードがあるわけではないが、コントロールが良く、コースを丁寧に投げていた。打者の方でもマークした1番岡田、3番安藤が上手く打っている。走りそうに見えて走らないとか、嫌らしい野球をするので、うちのピッチャーがフォアボールを7つ出してしまった。非常にいいチームだと思う」

明治神宮大会決勝、立正大対環太平洋大は11月14(水)12:00~明治神宮球場で行われる予定。

■明治神宮球場へのアクセス
JR中央線 千駄ヶ谷駅 徒歩15分
JR中央線 信濃町駅 徒歩15分
銀座線 外苑前駅 徒歩5分
大江戸線 国立競技場駅 A2出口より徒歩10分

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