• ゴールを決めてスタンドにガッツポーズの漆田=田名部記念アリーナで(田上佳雅撮影)

  • ゴールを決める漆田(25番)。相手GKの動きを見て冷静にシュートした(中川達夫撮影)

  • ゴール後は何度も吠えた

  • 好セーブを連発した菊池(右)

  • 全員で相手の攻撃を防いだ(田上佳雅撮影)

It’s RYO time!インカレ初戦敗退も、格上相手に漆田が意地の一撃!

[アイススケート部]第90回日本学生氷上競技選手権大会アイスホッケー競技対日体大戦(2017年12月25日 23時21分)

第90回日本学生氷上競技選手権大会アイスホッケー競技対日体大戦が12月25日、田名部記念アリーナで行われた。
結果は以下の通り。

駒 大1-12日体大
   (0-2)
   (0-8)
   (1-2)

【得点者】()内はアシスト、〔〕内はゲームシチュエーション
第1ピリオド
07:35 [日]松野(小山田、信楽)〔EQ〕
12:25 [日]宮澤(阿部)〔EQ〕
第2ピリオド
20:05 [日]沢崎(相澤)〔EQ〕
20:24 [日]小笠原(松田)〔EQ〕
26:20 [日]小向(松野、小山田)〔EQ〕
31:50 [日]滝田(西村、宮澤)〔EQ〕
32:10 [日]阿部(滝田、西村)〔EQ〕
33:18 [日]大塚(沢崎、小笠原)〔EQ〕
38:56 [日]沢崎(相澤、松田)〔EQ〕
39:31 [日]熊野〔EQ〕
第3ピリオド
48:29 [日]阿部〔EQ〕
54:24 [駒]漆田〔EQ〕
55:05 [日]阿部(滝田、吉田)〔EQ〕

 9年ぶりの出場となるインカレ。関東大学リーグで1部Aに所属する日体大を相手に漆田椋(政4)主将らは徹底して守る戦い方を選択。攻撃を漆田の単騎カウンターに限定し、金星を目指した。
 序盤から相手に押し込まれるが、作戦通りゴール前を固め、猛攻を防ぐ。パックを奪ってもダンプインには誰も反応せず、徹底的に引いて自陣内での数的不利を作らせない。様々な角度、距離から相手シュートはGKの菊池亮介(仏1)が好セーブを連発し、ゴールに鍵をかける。しかし、7分、中盤からパックを持ち上がった相手FWがブルーラインを越えた直後に意表をつくシュート。これが菊池の右肩上を抜けてしまい、ついに先制を許した。さらに12分にはカウンターを狙ったところを奪われ、正面からシュートを浴びると、リバウンドを押しこまれ2点目を許してしまう。それでも第1ピリオドだけで39本のシュートを浴びながら、2点に抑えた。
 第2ピリオドは立ち上がりに崩れてしまう。開始直後、フェイスオフのルーズパックを拾った相手選手を止められず、わずか5秒で追加点を奪われると、19秒後にもブルーライン付近からロングショットで失点。ここから一方的な展開になり、このピリオドだけで8失点を許した。
 それでも最終第3ピリオドで再び奮起。ハードワークと球際の激しさで相手の攻撃を抑えると、迎えた54分。自陣ブルーライン付近左サイドでパックを奪った漆田がドリブルで駆け上がる。そのまま一気にゴール前まで持ち込むと、相手GKがスライドするのを見て、冷静に逆サイドにパックを突き刺した。高校時代を八戸で過ごしたエースの凱旋ゴールにアリーナはこの日一番の大歓声。漆田は感情を爆発させた後、スタンドに向かってガッツポーズを決めた。
 試合は1-12で終了。金星はならなかったものの、今年4度目となった1部校との対戦では最小タイの点差だった。97本のシュートを浴びながら12失点に抑えた守備と、一矢報いるゴールに手応えを得て、選手はインカレを後にした。

◆漆田椋主将
「(試合を終えて)自分たちの中では30点、40点取られるのではと思っていた。チーム内のシステムを1から見直して作戦を立てた結果、負けはしたが、最後の最後に1番いいゲームができたと思う。(入替戦の)神大戦は攻めようとして逆襲を受け、数的不利になっていた。今日は俺1人だけが攻めて、後は誰も攻めない。徹底的に守って俺のワンチャンスにかけようというシステムにした。もし相手の陣地にパックが行っても誰も行かない。(第1ピリオドは2失点に抑えたが)いけるんじゃないかとロッカーで大騒ぎした。とにかく集中を切らさないように守り続けた。(第2ピリオドは立ち上がりに連続失点をしてしまったが)守ることと、(ピリオド開始)5分以内の失点をゼロにするのが目標だった。1ピリ、3ピリは5分以内は守りきったので、2点に抑えられた。5分以内に点を取られると崩れやすいが、気が緩んだ部分があって取られてしまった。(第3ピリオドで立て直したが、選手に何か言葉をかけたのか)1ピリみたいに集中を切らさずやるしかないと言った。(第3ピリオドはベンチにいる時間がいつもより長かったが)足をつってしまったのと、1ピリか2ピリに関節にパックが当たってズキズキしてしまった。どうしようもなくて休む場面が多かった。自分がいない中でも守ってくれたんじゃないかと思う。(氷上に戻ったらチャンスがきたが)相手がパスを出す瞬間を狙って取りに行った。それで相手がミスをして、上手くいったので入れられた。(相手DFが追いかけてきたが)自分は走って抜くしかないので、体を入れてスティックで叩かれないようにした。GKがスライドしたので、逆を狙った。(決めた瞬間は)嬉しいのはもちろんだが、今日は親も見に来ていたし、友達も、小、中、高時代のコーチも見に来てくれていて、感謝というか、『あなたたちのおかげでこの1点がある』という思いでいっぱいだった。従兄弟も来ていて、かっこいいだろと言わんばかりにガッツポーズした。(今日は菊池選手が良かった印象だが)上智戦以降不調で、練習でもダメだったので、『来年、再来年があるのだからこれから直していけばいい』と言っていたが、今日はすごくいいGKだった」

◆藤本浩成(市4)
「(今日は漆田選手以外攻めないという方針だったが)何回か攻められそうな場面があったが、今日は諦めて守りに徹した。(11点差に抑えたが)2ピリの最初に連続で点を取られて流れを持っていかれてしまったが、それ以外はボックスで守ることをしっかり意識できたのでこの点差になったと思う。攻めたい気持ちはあったが、相手の方が全然上手いのでこうするしかなかった。(リーグ戦最終戦と入替戦と思い通りの試合ができなかったが)神大戦はただボックスを組むだけだったが、今回はフォアチェックも奥まで行かないなど作戦の徹底が今までよりできていたので、機能したんだと思う」

◆新田禅道(仏4)
「(試合を振り返って)大学最後の試合ということで、悔しい。悔いが無かったと言えば嘘になるが、日体大という格上の相手に対して1ー12というのは良い勝負ができたのではないかなと思う。入替戦では0‐17で今回は得点もできたし、数少ないチャンスを生かせたと思う。数少ないチャンスを生かすということを話していたので、そういった意味では1点入れられたのは良かった。0と1では差がある。(漆田選手が得点した時の心境は)自分はその時ベンチにいたが、素直に嬉しかった。自分たちを引っ張ってくれたその苦労が形となったと思う」

◆松永卓也(法4)
「(試合を振り返って)良い形で追われた。最後はホッケーを楽しくやれた。あんな格上が相手でも、試合をしたということで良い経験になったと思う。事前に話していた通り、守りに徹することができたのが良かった。このチームに戻ってこられて良かった」

◆渡辺慎吾(営3)
「(試合を終えて)守りから流れを作るということで、ワンチャンスを生かそうと臨んだ。戦術としては、意外とできた。押し込まれている中で、(関東大学リーグDiv.)1-Aに所属するチーム相手に1ピリ2失点だったことや、わずかな時間ながらも漆田キャプテンがベンチに戻っている中で無失点に抑えられたことはプラスに捉えても良い材料ではないかと思う。ひやっとはしたが、来年以降につながるものだった。(今秋を振り返って)上位リーグの上智大戦が印象に残っている。(漆田)椋さんがミスコンダクトで10分間の退場になったが、それでもゲームができたという点で。(今後につながってくるものは)来年以降も守りに徹して一つのチャンスを狙うという今日の試合のような展開になると思う。そのチャンスを決め切れる決定力をつけていきたい。守りは連携ができるかどうか。これからの努力次第。(チームメイトに一言)やるしかない。今年と来年でチーム状況はかなり変わるが、手探りで進めていく。序盤は世代交代のあおりを受けるかもしれないが、中心となってうまくまとめていきたい」

◆菊池亮介(仏1)
「(試合を振り返って)今回の日体大より格下だった神大相手に17失点をしてしまったので、それより失点しないようにと臨んだ。勝てなかったが、セーブ率が高いという面では良い試合だった。しかし、12失点のうち5、6失点は今の自分の実力なら抑えられたのではないかと思った。悔やまれるのは、2ピリの開始5秒での失点。1ピリと3ピリは最初の5分間を無失点に抑えられていたので、そこは残念だった。あそこで押せ押せの雰囲気だった相手に流れを渡してしまった。1失点目もDFのブラインドというような状態ではなく一本のシュートだったので、悔いが残る。全体としてここが良かったというのは無いが、3ピリの相手のPPを無失点に抑えられたのは良かった。(これまでを振り返って)2年生の百瀬さんがチームを去らなければいけなくなって、自分一人しかいない状態でこのインカレまできた。4年生の引退試合となので、恩返しがしたかった。上位リーグの上智戦で一度調子のピークがきて、そこから筑波大戦、神大戦と調子を落としてしまっていたが、今日は今年で一番調子が良い状態だった。(今後改善していきたいポイントは)もっとスケーティングの精度を上げてゴール横からの失点というのをできる限り減らせるようにしたい。(来年のチームに向けて)3年生の先輩が1人ということで、1、2年ができる限りの努力をしていかないといけない。ゴーリーとしては、後ろは安心できると思ってもらえるようになるのが目標」

発行冊子最新号一覧背景(左)

アイススケート部の前後のニュース

発行冊子最新号一覧背景(右)
発行冊子最新号一覧背景(左)

前後のニュース

発行冊子最新号一覧背景(右)