• この1年間、チームを支えた(左から)嘉数、岡、山下、増本=駒沢大学で(野木聡介撮影)

  • 主将としてチームを引っ張った岡=神宮球場で

  • 勝負強い打撃でチームを支えてきた副主将の山下

  • 嘉数は攻守で実力を発揮し、2番打者としての役割を果たした

  • 増本は4年間で多くのポジションを守り、堅い守備を披露した

4年間の日々~隠された真実~vol.1

[硬式野球部]特別対談(2012年01月24日 18時57分)

 投手と野手―。DH制をとる東都大学野球リーグでは「投打がかみ合う」ことが勝利の必須条件。今回は戦国東都を戦い抜いた硬式野球部最上級生の投手陣、野手陣それぞれの対談を2日間に渡ってお伝えします。

 まず1組目は、岡将吾主将(法4)、嘉数駿(政4)、増本憲治(社4)、山下高久雅副主将(法4)の野手4人。下級生の頃から出場機会に恵まれ、社会人野球の強豪にも内定している4選手に、大学野球を終えた今の心境から社会人野球にかける意気込みまでを伺った。
※なお、取材を行ったのは12月下旬です。


―引退してからこの2ヶ月はどんな風に過ごしていますか?
岡将吾(以下、岡) 僕と山下が1人暮らしをしています。
―寮と違うのはどんなところですか?
 岡 :寮の時は、洗濯は後輩がやってくれましたね。
山下高久雅(以下、山下) 置いておいたら勝手に洗濯物がきれいになっていた、みたいな。
一同爆笑
―嘉数さんはJR東日本の寮に入っているとお聞きしましたが生活にはもう慣れましたか?
嘉数駿(以下、嘉数) まだ慣れないです。
山 下:毎日泣きながら電話してくるもんな(笑)
―白崎(勇気)さんとも就職先が同じですが。
嘉 数:まぁでももう社会人なので、やっぱり一人一人。そこまで一緒だからどうっていうのはないですね。

―大学野球を終えて、高校野球との違いを強く感じたのはどんなところでしょうか?
山 下:基礎基本ですかね。高校でできていると思ったけど、実はできてなかった。この辺が基礎のレベルだと思っていたけどもっと下があった、みたいな。
 岡 :そうですね。やっぱり大学に来たら(リーグ戦で)同じチームとばっかりやるじゃないですか。データもたくさん取られるし弱点も分かられているなかで試合をして行くので、自分のできることを増やさないと。基本ができないと簡単に言えば試合に出られないですよね。ましてや戦国東都といわれるとこでは。
増本憲治(以下、増本) うーん、(違いは)同じ地方の集まりと、全国ってとこ。それぞれの高校でやっていることも違うし。知識を持った中でまたさらに大学に来る。それで厳しいリーグを戦う中でもっと野球を学んで行くというか…どうですかね。
嘉 数:俺も行く?
山 下:(嘉数に)(大学野球と高校野球は)字が違う!(笑)
嘉 数:高校野球はどっちかというと人間形成的なイメージがあって、大学は高校のときちょっと有名だった奴らが自分の目標のために大学でまたレベルアップするというか。レベルの違いですかね。

―引退して率直な気持ちはどうですか。大学野球にやり残したことなどは?
 岡 :ない!
嘉 数:ないです。
増 本:そりゃ勝ちたかったですけどね(苦笑)
―では4年間を振り返って一番の思い出は何ですか?楽しかったこと、つらかったこと何でも。
山 下:難しい…。楽しかったこと…ある?
 岡 :うーん、野球は面白いけど、あれだけの緊張感の中でやろうってしたときには楽しいというよりは怖いっていうか。それをどれだけ見せずにやれるかっていうのもあるけど、(恐さは)絶対ありますね。
増 本:練習もいかにやり切るか。楽しくはさすがにやれなかったです。
―緊張感というと、山下さんと嘉数さんは甲子園も経験されていますが、それと比べてもですか?
山 下:いや甲子園はね。
嘉 数:またちょっと違うよね。
山 下:甲子園は負ければ引退。楽しいところ。プレッシャーとかはあまりないですね。人がいっぱいいて楽しい。

―守備とバッティング、どちらの方に自信がありますか?
 岡 :僕は守備の方が自信はありますけど、バッティングの方が面白いです。
嘉 数:同じです。
山 下:僕はバッティングの方が好きなんですけど…。
増 本:(山下に)『守備は嫌いです』だろ(笑)
一同爆笑
山 下:怒られるので(苦笑)。…でも今年1年はノックの方が楽しかったです!
増 本:僕も守備の方がいいかな。バッティングは難しいです。

―増本さんは高校時代投手もやられていましたよね。
増 本:やっていましたよ。ピッチャーがいなかったので。
山 下:俺、(増本に)投げてもらったよね?
増 本:投げた。キャッチャーフライだよ。キャッチャーフライ(笑)
山 下:ファウルフライかなんかだよね?
増 本:しかも決勝で。
―2人は対戦されたんですね?
増 本:しましたよ。3回ぐらい。
山 下:えっ、それしかやってないっけ?
増 本: 俺が投げたのは1回。決勝の時だけか。
山 下: 1年生大会と…そっかやったな
―じゃあお互いの顔は知ってましたか?
増 本:小学校のころから…隣のあれだった。
山 下:遊んだりしていましたよ。野球とかよくしていました。「流したらアウト」とかいって(笑)
―じゃあ大学が一緒で…
山 下:そうっすね、運命的なものを感じますよね(笑)
増 本:意味が分からないですけど。
―ちなみに決め球は?
増 本:ないです(笑)。真っ直ぐとスライダーぐらい。
―白崎勇気さんが岡さんのボールはすごく伸びがあると言っていました。
 岡 :キャッチボールしていて足にあたったやつですか?
一同 白崎はひどい!
嘉 数:もう笑われていますよ、JRで。野球センスないんですよ(苦笑)。(白崎勇は)ピッチングだけで生きています。
増 本:あいつピッチャーじゃなかったら絶対スポーツやってないよね。
嘉 数:大縄跳びもできないからね。(連続で)入って行くやつあるじゃないですか。全部(縄に)あたるんですよ!何回やっても!

―3人から見て、岡さんはどんな主将でしたか?
山 下:やっぱり実力もあって、ちゃんとしゃべれて、僕はもう任せたみたいな感じですよ。岡が絶対。
増 本:うん。ですね。
嘉 数:実力も伴っていて、しゃべることも良いんですけど、岡本人が兄弟の一番下ということで、一番しんどそうでした。やっぱり引っ張ることに慣れていないので。高校の時もキャプテンじゃないし、どっちかと言えば自由にやっていくタイプだし、そういう意味では大学で急に抜擢されたっていうのは大変だったかなと。
―山下さんは副将としてどうやって岡さんを支えていこうっていうのは?
増 本:いやいや!そんな質問いいですよ(苦笑)
山 下:なんで僕が副将やっているんだろうって答えを探していたら引退していました。
一同爆笑
―山下さんはこう言っていますが岡さん的にはどうでしょうか?
 岡 :そうですね。僕は内野なので、守備のときはとりあえず内野をと思っていたので、山下と(嘉数)駿に外野はとりあえず頼んだぞと。助かっていました。

―友滝(健弘)(政4)さんなど投手から野手転向された選手が何人かいますが、そういう選手の出現は刺激になりますか?
嘉 数:もう本当にいい選手ばかり。ピッチャーから来るやつらは高校時代ピッチャーで四番とかそういうやつらが多いので、バッティングも良いし肩も強い。同じ外野手として友滝、奥野(智也)(経4)には刺激を受けました。
―転向した選手が試合に出るのを見て思うことは
嘉 数:どちらかと言えばピッチャーから野手転したやつに負けたくないっていうのもあるし。友滝の場合は3年間ピッチャーやっていたので、シビアに言えば簡単に入れさせないぞと思っていました。…でも普通に出てきたね。友滝はちょっと別格です。

―今度の新チームの注目選手、キーマンは誰だと思いますか?
 岡 :(白崎)浩(法3)です。井口(経3)とか(小林)勇登(経3)とか戸柱(現3)なんかは自分で考えられるというか、精神面が強い。浩の場合ちょっとまだそこまで行っていないかなっていうのはあります。そこがどう成長するかな。持っているものは良いので。
嘉 数:2年生の誰か。一人も出てきていないので、早く出てきてほしいっていうのと、一人でも出てこないと再来年もあるし。そのためには来年のキーマンは2年生ですね。3年生はもう基本できている選手が多いので、2年生。
―2年生の中で特に誰がっていうのは?
嘉 数:それがいないんですよね。結構レベルは一緒なので、そこから俺が出てやる!ていう性格がいないんです。出てくれればそいつが結構いい味を出してくれると思うんですけど、まだみんな馴れ合いなので、誰か出てよ、誰か出てよで。
山 下:キーマンは確かに浩だと思うけど、頑張ってほしいのは戸柱と東(法3)です。(キャッチャーの)2人が頑張ればチームも良くなると思う。東も戸柱に負けないくらい良いものを持っているので、あいつが本気になれば良い勝負になるし、そしたら戸柱も頑張れる。
増 本:戸柱かな。あいつなんか自分で背負い込むとこがあるから。だからこのシーズンで学んだことを活かしてもっと伸び伸びやればいいと思うし、多分今年1シーズン全部出たってことで余裕も出てくると思うので、もっと楽にできるんじゃないかなと思います。
―主将の小林さんには引き継ぎというか、アドバイスはされましたか?
 岡 :いや無いっすよ。僕よりあいつの方が。
―どんな風にチームを引っ張って行ってほしいっていうのは?
 岡 :どうですかね。自分が思った通りやればいいんじゃないですか。もう、人からどうこうって言われるよりは自分が思ったことをやれば、実力もあるんでそういった面では影響力がほんと大きいと思うんであいつは。文句言うやつもほとんどいないと思うし、なので思い切ってやれば大丈夫だと思います

―最後にこれから進む社会人野球への意気込みを聞かせてください。
山 下:(日本通運は)やっぱりレベルが高いと思いますけど、その中で一生懸命付いて行けるというか、すぐそのレベルに追い付けるように頑張りたいです!
増 本:(伯和ビクトリーズは)結構まだみんな若いので。ベテランって言っても30歳が一番上で、結構雰囲気も良いですし、あんまり気負わずに、レギュラーとるつもりで頑張ります。
嘉 数:1年目からレギュラーとりにいきます!
 岡 :(同じ県の)伯和に負けないように頑張ります。

※4選手全員が西日本出身。「東と西で違いはありますか?」という質問に4選手が口をそろえ、東日本の人は「何かが違う」のだそう。取材中も方言が飛び交い笑いが絶えず、西日本特有のあたたかい空気が漂っていた。

◆岡 将吾(おか しょうご)
 1989年7月3日生まれ。177cm83kg。法学部法律学科4年生。西日本短大付属高出身。1年春からリーグ戦に出場し、昨秋の国士大との入替戦2回戦では起死回生の同点二塁打を放ち、1部復帰に貢献。4年生となった今季は主将としてチームを牽引した。卒業後はJFE西日本に進む。

◆山下高久雅(やました たくま)
 1989年6月13日生まれ。171cm74kg。法学部法律学科4年生。広陵高出身。1年春からリーグ戦に出場し、打線の軸となり実力を発揮。4年生となった今季は副主将として活躍した。卒業後は日本通運に進む。

◆嘉数 駿(かかず しゅん)
1989年12月7日生まれ。172cm70kg。法学部政治学科4年生。八重山商工高出身。1年秋からリーグ戦に出場し、4年生となった今季はレギュラーとして活躍。中大1回戦では猛打賞を獲得するなど勝利に貢献した。卒業後はJR東日本に進む。

◆増本憲治(ますもと けんじ)
1989年11月22日生まれ。176cm78kg。文学部社会学科4年生。崇徳高出身。1年春からリーグ戦に出場し、複数のポジションを守れるユーティリティープレーヤーとしてチームに貢献。今年は一塁手としてプレーした。卒業後は伯和ビクトリーズに進む。

◆引退特別企画◆
今回対談に参加していただいた4年生の方々に色紙を書いていただきました。この色紙をご応募いただいた中から抽選で7名様にプレゼントします。希望者ははがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号、コマスポへのご意見・ご感想を明記して、〒154-8525東京都世田谷区駒沢1-23-1 駒大スポーツ新聞編集部「2011年度硬式野球部色紙プレゼント係」までお送り下さい。〆切は2月5日(火)です。当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。皆さん奮ってご応募ください。※どの選手の色紙がプレゼントされるかは厳正なる抽選の上、こちらで決めさせていただきます。ご了承ください。

発行冊子最新号一覧背景(左)

硬式野球部の前後のニュース

発行冊子最新号一覧背景(右)
発行冊子最新号一覧背景(左)

前後のニュース

発行冊子最新号一覧背景(右)