• タイムアップ直前に逆転ゴールを決めた原一樹=亀尾市民運動場で(岩田陽一撮影)

  • 後半12分庭田亜樹子(龍谷大)ゴールでニュージーランドに5-0で快勝=寿城区民運動場で(岩田陽一撮影)

原が2得点!!劇的勝利でグループリーグ1位通過

[ユニバーシアード2003]サッカー男子予選リーグ第二戦 日本VSチェコ(2003年08月24日 22時00分)

ナイジェリアが棄権したため共に南アフリカに勝って臨んだ第3戦。これに勝利した方がトップ通過出来るという大切な試合。しかし、決勝トーナメント進出は両チームとも決定しており「主力を休ませるという意味合いもあった」という西田監督の言葉通り日本はメンバーを大幅に入れかえてきた。
 1000人以上の両サポーターが見守るなか始まった戦いはまずチェコが主導権を握った。南アフリカとは違った身体能力、体格の差を使ったパワープレーで日本ゴールに迫る。日本は、この日一年生ながら初スタメンに抜擢された原が4分、7分とチャンスを作るが得点には結びつかない。すると8分、キャプテン・パルチェクのCKをカスラバがヘディング。日本からお得意のセットプレーで得点を奪う。一方、日本は前田などが個人技でチャンスを作る。サイドからの展開に乏しく中を固めるチェコディフェンスからなかなか得点が奪えない。そして、このままチェコのリードで終わるかと思われた41分。兵働のCKにニアで原があわせ同点。自身も「ヘディングのゴールは順大戦以来」という自身が認める珍しいゴールで試合を振り出しに戻した。
 後半にはいると運動量で勝る日本が試合を支配し始める。53分にこぼれ球を中村、68分には原が決定的な場面を迎えるがいずれも得点にはいたらず。と、ここで日本はチェコの足が止まり始めたとみるとスピードのある堀、中田を投入。するといきなり村山のスルーパスが中田の足下へ。これを受けた中田がGKと1対1となるがボールはゴール右へそれてしまう。しかし、勝負の女神は日本を見捨ててはいなかった。ロスタイム、不用意な相手GKからのパスを堀が相手ゴール前でカット。相手の連携ミスをつくとなかで待っていた原にパス。これを原が落ち着いて決めて2-1。逆転ゴールを右サイドネットに叩き込んだ。終盤、チェコもパワープレーの猛攻をしかけてきたが、なんとかしのいだ日本がBグループ1位通過を決めた。
 序盤はやや、チェコのセットプレーに苦戦したものの試合内容から言えば完勝。後半、運動量の落ちたチェコは足が止まってしまいほとんどの日本ゴールを襲うことは出来なかった。しかし、日本にも決定力不足など課題は見つかった。ディフェンスの面では終盤足が止まってしまい決定機を作られてしまった。だが、その中でも失点を1におさえられたことは評価出来るだろう。岩政を中心とした粘り強いディフェンスは成熟度を増してきている。
 テグは連日の猛暑。日本にとって決勝トーナメントは3戦目だがこれからのコンディション調整は重要な意味を持ってくるだろう。どうやらユニバーシアード連覇のカギはこの暑さに負けない精神力、『戦う気持ち』をいかに持ち続けるかが勝敗の分けることとなりそうだ。
(サッカー班・内田浩嗣)

■テグの市民応援団が熱狂!!
 猛暑の中、亀尾市民運動場には大声援が響き渡った。亀尾市民応援団は両チームあわせて800人以上。両チームに声援をおくった。日本では2得点の原はもちろんキャプテンの岩政、前田、堀などが気に入れられた様子。彼らがボールを持つたびに歓声がグラウンドに響き渡った。試合後は選手と応援団で交流を深める場面もありユニバーシアードの意義を実感した。
■選手・監督コメント
◆西田裕之日本代表監督
「今日は決勝トーナメントのメンバーを休ませるというのが目的でメンバーを変えて臨みました。守備陣があまり変わってないのはサブがいないからです(苦笑)。あと、岩政なんかを変えると今日は高さがあったんで。前半はガタイでバーンと潰されていたのにそこへそこへボールをやってしまっていい攻撃ができなかった。だから、後半は背後をとるように指示しました。(原選手については?)彼のスピードはやっぱこういうレベルでも通用するんで。それだけにこれから彼をいつ使うのかが一つのカギとなると思います。スーパーサブ的に苦しいときにドーンと。この暑さとコンディションをどうやって調整していくか、これが課題だと思います。でも決勝トーナメントから4時キックオフなんでこの暑さよりもましかなと。後半、チェコが足が止まってくるのは今日の一つの狙いだったんで。ただ、もう少しはやく点をとって欲しかった(笑)。最後の最後でねー。守備陣に関しては競ったあとのセカンドボールが拾えないときつくなるんで。ボランチの関係など改善の余地はありますね。次の相手はまだわからないんですけど明日じっくり考えて挑みたい」
◆中後雅喜(駒澤大学)
「研究されて相手の高さで点を取られたんですけど一樹が点をすぐに取ってくれたんで。相手も疲れていたし、途中から堀健人とかはやい選手が入っていい攻撃が出来たと思います。今日はこの前よりは涼しかったんでやりやすかったです。自分自身はスタメンで行く準備は出来ているんで後は監督が使ってくれればその期待に応えたいと思います。決勝トーナメントでは守備をまず第一にやって先制点をとって勝ちたいと思います」
◆中田洋介(駒澤大学)
「今日はとりあえず試合に慣れろみたいな指示があったんでその点に関して良くできていたんで良かったです。暑かったですけど、長い時間出ていないので全然疲れてはいないです。監督からの指示はサイド攻撃ができていなかったのでしてこいと言われました。次は決勝トーナメントですけど監督からもここでコンディションをあげてこいといわれていたんでモチベーションはあがりますね。今度はもう少し出れると思うんでそこで結果を残したいですね。優勝を目標にして、ここからは負けれないんでそこらへんを意識して戦っていきたいです」
◆堀健人(順天堂大学)
「途中交代で出場したときベンチからは右サイドの3番の選手がかなり疲れているので裏のスペースにどんどん抜けろという指示がありました。とりあえず、点をとりたいなぁ~と思っていたんで監督から言われた裏へ抜けるプレーを心がけました。それで結果的にアシストできたんで良かったかなとは思いますけど。得点のシーンについては寄せたらとれるかなと思っておもいっきりいったらちょうどうまく前に転がってくれたんで後は中にいた原に任せました。(あのシーンは自分でゴールを狙うという選択肢はなかったんですか?)いや、あったんですけどその前に決定的なチャンスで外してしまっていたんで弱気になってたのかもしれません(笑)。次からは決勝トーナメントですけどやるからには勝ちたいので一戦一戦勝っていければ最高だと思います」
■今日のヒーロー/原一樹(駒澤大学/1年)
 今日のヒーローはチェコ戦で見事大活躍した原一樹。チーム最年少ながらその類い希なるスピードで世界の強者も寄せ付けない。そして、そのプレーにますます磨きがかかった原はユニバでも結果を残し始めている。今年、原は市船、駒澤時代をあわせて5つの優勝を経験している。果たして大会前に公約した『優勝男』となって日本に帰ってくることが出来るのだろうか?
◇24日◇サッカー予選リーグ第3戦◇亀尾市民運動場
日本代表 2-1 チェコ代表
(1-1)
(1-0)
得点者(アシスト)
【チ】9分:ガスラバ(パルチェク)
【日】41分:原一樹(兵働昭弘)
【日】89分:原一樹(堀健人)

メンバー
GK[12]橋田聡司(4年)
DF[2]村山祐介(4年)
DF[13]江添健太郎(3年)
DF[5]岩政大樹(4年)
DF[3]川端和哉(4年)
MF[6]保坂一成(3年)←79分・[7]中後雅喜(3年)
MF[17]兵働昭弘(3年)
MF中村亮(4年)←64分・[11]堀健人(3年)
MF[16]前田雅文(3年)
FW[19]原一樹(1年)
FW[15]松園孝太(3年)←72分・[14]中田洋介(4年)
MANAGER
西田裕之
GK[16]カウドル
DF[5]ポラセク
DF[12]コルベラル←77分・[6]スタレック
DF[13]セケルカ
DF[18]パルチェク
MF[3]カスラバ
MF[7]コーノブスキー
MF[14]ベセラ←69分・ルーケス
FW[11]ブロウリック←46分:[4]スルカ
FW[15]クロウリック←46分:[9]ハスラー
FW[17]ハナト

警告(C)/退場(S)
【日】81分:河端和哉(C)、90分:橋田聡司(C)
【チ】22分:カスラバ(C)、27分:ポラセク(C)、61分:クロウリック(C)
[シュート]11:4 [決定機]6:3 [枠内シュート]3:1 [CK]9:3 [FK]0:0 [オフサイド]3:2 [ファール]11:10 [主審]オリエコフ(ウクライナ)
※上記データは全て左側が日本代表。枠内シュート、決定機は本紙記者による記録です
■その他の注目競技/女子サッカーはニュージーランドに快勝
 ユニバーシアード・テグ大会は24日、11種目が行われ各地で熱戦を繰り広げた。男子と揃って決勝トーナメント進出を決定したのは女子サッカー。前半、格下相手に苦戦するも庭田亜樹子(龍谷大学・1年)の2得点などで勝利した。
 日本の躍進はこれだけに留まらない。男子200メートル・バタフライで松田丈志(中京大学・1年)が日本としては金メダル第一号となった。水泳陣はその他にも木村太輔(近畿大学・4年)、中野高(法政大学・1年)が銀メダルを獲得している。
【GAME RESULTS】ユニバーシアード・テグ大会5日目
<国別メダルランキング>
1位・韓国(G8、S2、B0)
2位・中国(G7、S3、B4)
3位・ロシア(G3、S2、B4)
4位・ウクライナ(G1、S2、B2)
5位・日本(G1、S2、B2)
5位・台湾(G1、S2、B2)
7位・フランス(G1、S0、B2)
8位・イギリス(G1、S0、B1)
8位・イタリア(G1、S0、B1)
10位・アメリカ(G0、S2、B3)
<ダイビング(1㍍飛板飛込)>
金メダル:Wu Minxia(中国)
銀メダル:Guo Jing Jing(中国)
銅メダル:Nataliya Umyskova(ロシア) <ダイビング(3㍍シンクロナイド)>
金メダル:Wang Kenan/Peng Bo(中国)
銀メダル:Joge Martinez/Omar ojeda(メキシコ)
銅メダル:M.mazzucchi/C.Sacchin(イタリア)
<水球>
■韓国 6-21 セルビア・モンテネグロ
■メキシコ 8-13 日本
■イタリア 7-5 スペイン
■カザフスタン 3-11 オーストラリア
■ギリシャ 9-9 カナダ
■ハンガリー 14-6 アメリカ <男子サッカー>
■アイルランド 0-4 タイ
■韓国 0-1 イタリア
■日本 2-1 チェコ
■ナイジェリア 3-3 南アフリカ
■ウクライナ 1-2 イギリス
■メキシコ 0-1 モロッコ
■ウルグアイ 0-2 中国
■イラン 2-1 カナダ
<フェンシング(男子サーブル個人)>
金メダル:Volodymyr Lukashenko(ウクライナ)
銀メダル:Oh Eum-seok(韓国)
銅メダル:Tama Decsi(ハンガリー)、Alexey Frosin(ロシア)
<フェンシング(女子サーブル個人)>
金メダル:Tan Xue(中国)
銀メダル:Elena Nechaeva(ロシア)
銅メダル:Bao Yingying(中国)/Natalia Makeeva(ロシア)
<男子テコンドー(62㎏)>
金メダル:Park Tea-youl(韓国)
銀メダル:Behzada Khodadad Kanjobeh(イラン)
銅メダル:Marcio Ferreira(ブラジル)、Miltiadis Gouroufidis(ギリシャ)
<男子テコンドー(84㎏)>
金メダル:Choi Seong-ho(韓国)
銀メダル:Vasility Terentiev(ロシア)
銅メダル:Frederico Mitooka(ブラジル)、Hamid Sarabady(イラン)
<女子テコンドー(55㎏)>
金メダル:Zhao Ya(中国)
銀メダル:Chang Chiung-Fang(台湾)
銅メダル:Rebecca Peterson(アメリカ)、Elaine Teo Shueh Fhern(マレーシア)
<女子テコンドー(72㎏)>
金メダル:Kim Mi-hyum(韓国)
銀メダル:Natalia Silva(ブラジル)
銅メダル:Claudia Veronia Theurel Quintero(メキシコ)、Alesia Charniauskaya(ベラルーシ)
<新体操(こん棒・ロープ)>
金メダル:Irina Chashchina(ロシア)
銀メダル:Anna Bezsonova(ウクライナ)
銅メダル:Zerina Gizikova(ロシア)
<新体操(団体)>
金メダル:ロシア
銀メダル:日本
銅メダル:韓国
<水泳(男子200㍍平泳ぎ)>
金メダル:Sergey Gerasimov(ロシア)
銀メダル:木村太輔(日本)
銅メダル:Michael Williamson(イラン)
<水泳(男子200㍍バタフライ)>
金メダル:松田丈志(日本)
銀メダル:Serhiy Advena(ウクライナ)
銅メダル:Jeremy Knowles(バハマ)
<水泳(女子800㍍自由形)>
金メダル:Rebecca Cooke(イギリス)
銀メダル:Chen Hua(中国)
銅メダル:Olga Beresnyeva(ウクライナ)
<水泳(女子50㍍平泳ぎ)>
金メダル:Luo Xuejuan(中国)
銀メダル:Jade Edmistone(オーストラリア)
銅メダル:Ashley Roby(アメリカ)
<水泳(男200㍍背泳ぎ)>
金メダル:Ouyang Kunpeng(中国)
銀メダル:中野高(日本)
銅メダル:De Jong Christian(アメリカ)
<男子バレーボール>
■オーストラリア 1-3 セルビア・モンテネグロ
■タイ 0-3 韓国
■トルコ 3-1 アラブ共和国連邦
■デンマーク 0-3 ウクライナ
■北朝鮮 0-3 カナダ
■台湾 3-0 南アフリカ
■メキシコ 0-3 ドイツ
■イタリア 0-3 フランス
■香港 0-3 ロシア
■ポルトガル 1-3 日本

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