• 中盤からプレスをかけボールを奪う田中。暑さのせいかやや精細をを欠いた=川辺サッカー場で(岩田陽一撮影)

  • 日本の応援に参加した韓国の人たちと記念写真

南アフリカに快勝!日本、決勝トーナメント進出決定

[ユニバーシアード2003]サッカー男子予選リーグ第二戦 日本VS南アフリカ(2003年08月22日 22時00分)

ナイジェリアの件から2日。事実上の初戦となったサッカー男子・日本代表。南アフリカの個人技に苦戦しながらも山崎雅人(国士舘大学・4年)の2得点などで快勝。2連勝を果たした日本代表は決勝トーナメント進出が決定した。
 「南アフリカは個人技がある。だからうちは組織で対抗したい」(西田監督)。試合前、監督はこう語った。そして試合はまさにその通りの試合展開となった。猛暑の中で始まった南アフリカ戦。「久しぶりの試合だったので」(岩政)と語るように序盤、緊張のいろが見える日本は身体能力の高い南アフリカに苦戦する。しかし、日本も時間の経過と共に組織的な守備が機能し南アフリカに自由に攻撃をさせない。攻撃でも速い展開を意識する日本は次第に試合を支配し始める。そして迎えた28分、「狙っていた」という言葉通りキーパーのミスにつけ込んだ山崎がバックパスを受けたキーパーからボールを奪取。無人のゴールへ今大会初ゴールをたたき込む。勢いに乗った日本は村山のクロスを前田がシュート。しかし、これはバーを直撃。決定機を逃してしまう。前半はこのまま終了し後半へ。暑さにも慣れたのか運動量が増えバリエーションのある攻撃が仕掛けられるようになった日本は後半開始3分。またしても山崎が前田とのワンツーで抜けだしゴール。2-0と南アフリカを突き放す。

 この後は個人技の冴える南アフリカが日本ゴールに襲いかかるが、塩田、岩政を中心としたディフェンスラインが最後の場面で踏ん張り得点を許さない。27分には堀からのパスを受けた田代が個人技で得点を決め3-0。試合を決める。南アフリカも必死にチャバララを中心に攻めるが得点できず試合は終了。『事実上の2連勝』を果たした日本はこの時点で決勝トーナメント進出を決めた。試合後、「勝ててよかった」(田中)と安堵の表情を浮かべる日本イレブン。主将の岩政は「暑さもあって、久しぶりのゲームだったんで3-0は合格だと思います」と初戦に合格点をつけた。守備陣は南アフリカの個人技に翻弄された場面もあったが最後の粘り、無失点で抑えたことは今後の自信となるだろう。岩政も「初戦勝ってまとまることが出来た。どんどん勝って成長していかなくてはならない」と手応えを掴んだ様子。攻撃陣は難しい初戦で3ゴールと結果を残した。次節はチェコ戦。決勝トーナメントに進出が決定した日本には臆することなく試合に挑み決勝トーナメントへの弾みとしてもらいたいところだ。(サッカー班・内田浩嗣)

■敵はテグの猛暑!?
 この日、グラウンドの気温は35度ほどのうだるような陽気。田中も試合後、「暑さになれるまでがしんどかった。本当にこの暑さは嫌だった」と話した。西田監督も「これからこの暑さをどう対処していくかそれが一つの課題となってくるでしょう」と話した。
■南アフリカは予選リーグ敗退が決定!
 個人の力がありながら完敗した南アフリカ。その敗因としてはチームとしての完成度だろう。南アフリカは個人技にたよりすぎ単調な攻撃に終始した。一方日本は1人が抜かれても連動してつぎの選手がプレスをかけれる状況を作っていた。相手をよく研究し、チームとして機能していた日本が順当勝ちといったところか。
選手監督コメント
◆西田裕之日本代表監督
「この一勝は大きいですね。実質、これで2勝目なので決勝トーナメントにはいけるわけですから。試合は向こうの研究をしてボランチの2人、田中ノブあたりが頑張ってくれたんで前半1点リードして終われた。後半1点取って苦しいときに3点目がとれた。非常にいい時間帯での得点だった。守備も塩田などが最後のところで頑張ってくれました。こっちは南アフリカの個人技にたいして組織でうまく防げたと思います。みんな暑い中頑張ってくれたと思います。暑くてしんどいゲームでしたけど試合の展開的には楽な試合でした。今度の試合は決勝トーナメント進出を決めているんで気持ちの分では楽に戦える。今度は出てないメンバーを使いながら決勝トーナメントに弾みをつけたいです」
◆主将・岩政大樹(東京学芸大学)
「暑さもあって久しぶりのゲームだったんで3-0という結果は合格だと思います。守備にかんしてはディフェンスをやっている以上は0点で抑えることが目標だし初戦で0点におさえられたことは次への自信となる。暑い中だったので途中、声が出ない場面もあったが組織で見ればある程度出来た。南アフリカは一瞬のスピードがあって恐かったですけど全員で守っていたんでやられる気はしなかったですね。次も勝って決勝トーナメントにつなげたいです」

◆田中信成(駒澤大学)
「勝てて良かったです。今日勝てば決勝トーナメント進出ということだったんでとりあえずホッとしましたね。試合はこの暑さになれるまでが大変でしたね。後半は多少慣れてきたんですけど前半はしんどかったです。本当にこの暑さは嫌だった。0点で抑えられたことは次へつながる。次はチェコだからパワーで負けないように出たら…、いや出なくても勝ちます。チームなんで」
■今日のヒーロー/山崎雅人(国士舘大学/4年) →詳細
 他大学の選手も紹介しようと始まった今日のヒーロー。初戦のヒーローは初戦という難しい試合で2得点をあげチームを勝利に導いた山崎雅人選手。10番というエースナンバーを身にまとい前線で得点のチャンスをうかがうゴールハンター。彼の得点への嗅覚が日本代表を連覇に導く。 →詳細

◇22日◇サッカー予選リーグ第2戦◇川辺サッカー場
日本代表 3-0 南アフリカ代表
(1-0) 
(2-0)
得点者(アシスト)
【日】28分:山崎雅人
【日】48分:山崎雅人(前田雅文)
【日】73分:田代有三
メンバー
GK塩田仁史(4年)
DF[2]村山祐介(4年)
DF[3]戸川健太(4年)
DF[5]岩政大樹(4年)
DF[3]川端和哉(4年)
MF[6]保坂一成(3年)
MF[8]田中信成(4年)←83分:[7]中後雅喜(3年)
MF[11]堀健人(3年)
MF[16]前田雅文(3年)←87分:[19]原一樹(1年)
FW[10]山崎雅人(4年)
FW[9]田代有三(4年)←89分:[14]中田洋介(4年)
MANAGER
西田裕之
GK[16]モトォネング
DF[4]モガミシ
DF[7]トロマツァネ←78分:[13]ネッツメ
DF[9]マツワ
DF[19]マモガレ
MF[6]セルマネ←51分:[2]モトト
MF[5]シルバニ
MF[10]ファニ・ネラニ
MF[3]ミキゼ
FW[11]クマロ←68分:[18]チャバララ
FW[8]マロカセ←51分:[17]ヴィラカジ

警告(C)/退場(S)
 
[シュート]14:19 [決定機]7:4 [枠内シュート]7:4 [CK]5:7 [FK]0:2 [オフサイド]2:0 [ファール]14:11 [主審]リー・ジー・ヨング
※上記データは全て左側が日本代表。枠内シュート、決定機は本紙記者による記録です
■その他の注目競技/福田、市川が日本初のメダル獲得☆
 ユニバーシアード・テグ大会は22日、6競技を行い、フェンシング男子フルーレ個人で福田佑輔(専修大学)と市川恭也(法政大学)がともに3位となり、日本勢としては今大会初めてメダルを獲得。バスケットボール男子はスウェーデンに敗れ(67-92)、13-20位決定予備リーグへ回ることになった。バレーボール男子では、中国に3-0(25-21、25-13、25-13)のストレート勝ちをおさめた。

【GAME RESULTS】ユニバーシアード・テグ大会3日目
<バスケットボール男子>
■ロシア 75-71 韓国
■セルビア・モンテネグロ 92-62 メキシコ
■スウェーデン 92-67 日本
■カナダ 87-77 ベルギー
■オーストラリア 71-68 ドイツ
■エストニア 59-39 南アフリカ
■トルコ 89-71 カザフスタン <バスケットボール女子>
■中国 85-75 セルビア・モンテネグロ
■イタリア 81-64 アメリカ
■アイルランド 90-42 南アフリカ
■韓国 83-79 カナダ
■ロシア 63-39 スロベニア
<フェンシング男子>
金メダル:ZHANG Liangliang(中国)
銀メダル:HA Chang Duk(韓国)
銅メダル:福田佑輔(日本)、市川恭也(日本)
<テコンドー男子(72kg)>
金メダル:MOLFETTA Carlo(イタリア)
銀メダル:DAVYDOV Petro(ウクライナ)
銅メダル:CHEN Shioh-Kai(台湾)、MORIAH Nir David(アイスランド) <テコンドー女子(63kg)>
金メダル:HAN Jim-Sum(韓国)
銀メダル:KIMMICH Darcy(アメリカ)
銅メダル:EPANGWE Gwladys(フランス)、CHERKUN Olga(ウクライナ)
<バレー男子>
■トルコ 3-1 セルビア・モンテネグロ
■日本 3-0 中国
■韓国 3-0 アメリカ
■オランダ 3-1 カナダ
■ ポルトガル 3-0 香港 <バレー女子>
■ロシア 3-0 アルジェリア
■イタリア 3-1 メキシコ
■タイ 3-1 台湾
■ 韓国 3-0 香港
<サッカー男子>
■メキシコ 1-0 ウクライナ
■チェコ defeat ナイジェリア
■日本 3-0 南アフリカ
■イラン 3-2 中国
■韓国 1-0 アイルランド
■モロッコ 2-1 イギリス
■タイ 1-0 イタリア <サッカー女子>
■メキシコ 4-0 ニュージーランド
■アイルランド 4-1 カナダ
■北朝鮮 6-0 ドイツ
■台湾 5-0 南アフリカ

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