サッカー部キャプテン・中田洋介の決意
[サッカー]新たな赤の引率者(03/4/14)

 王者としてはじめてリーグ戦に臨む駒大。その駒大に新たなキャプテンが誕生した。その名も中田洋介。無尽蔵のスタミナをもち駒大の様々なタイトル獲得に貢献してきた。しかし、性格は試合中に声を出してチームを盛り上げるタイプではなかった。だがそんな彼もキャプテンになりわずかながら心境の変化があるという。新たな引率者の今シーズンにかける思いを聞いてきた。(カメラ・岩田陽一)

昨シーズン中田は駒大の初のリーグ優勝をピッチの上ではなく観客席から味わった。最終節の前の試合でイエローカードを受けてしまい優勝のかかった最終節に出ることが出来なかったのだ。
そんな彼が、今年、駒大の新キャプテンに選ばれた。昨年の4年生はその話を聞くとプレーでチームを引っ張るキャプテンになるんじゃないのと語った。たしかに去年まではどちらかというと声を出し先頭に立つタイプの選手ではなかった。しかし、今年、キャプテンに選ばれ中田の中で何かが変わったのであろうか?声を出し先頭にたつ中田の姿が目に付く。たしかに先人のキャプテンたちのようにはまだいかないものの、少しずつだが中田の中で何かが変わってきているのがわかる。
今年の目標を聞くと中田は決まって「プロを倒したい」と言う。それほどマリノス戦での負けは屈辱であり、逆に手応えも感じたということであろう。昨年以上の成績を残すため中田は「どんなポジションでもやる」と言う。そんな新キャプテンは果たしてリーグ戦を前に何を思っているのだろうか(インタビューは4月9日に行われました) 。

どのチームにも挑戦者の気持ちで戦いたい
―久しぶりのチームでの練習はどうでした(※4月1日から全日本大学選抜の合宿でチームを離れていた)?
中田 そうっすね。まぁだいぶ形にもなってきてたし点も取れてきたんでいい感じだと思います。後はA2と呼ばれる紅白戦でAチームの相手をするチームのレベルがあがれば底上げにもつながるし、僕等にも刺激になるんで。層が厚くなればもっといいサッカーが出来ると思いますし、みんな自覚してるとは思いますけど。
―キャプテンになって心境の変化はありますか?
中田 そうですね。特にはないんですけど、今まであんまり声とか出すほうではなかったんですけど声とか出てなかったら積極的に出したり、全体を見るようになりましたね。後。自分が監督の言うプレーを先頭にたってやるということを心がけていますね。
―去年の4年生は中田さんはプレーで引っ張っていくタイプのキャプテンになるんじゃないかっと言っていましたが?
中田 その通りだと思います(笑)。
―でも、声を出すほうではなかったのに声が出てないときは声を出そうというようになったんですよね?
中田 そうですね。声が出てないときは「出そうよ」って言うように心がけていますね。
―チームの雰囲気はどうですか?
中田 そうですね。チームは本当にいい雰囲気で、まぁこれに緊張感が開幕に向けて出てくれば引き締まったいいチームになると思います。
―ずばり、今年の目標は?
中田 そうですね。とりあえず、去年はリーグを優勝したということで一応、ディフェンディングチャンピオンなんですけど、まだまだ横綱みたいな戦い方は出来ないんで、どのチームに対しても挑戦者の気持ちでぶつかっていきたいです。後、ひとつでも多くの全国大会のタイトルを取ること。それで、最終的にプロを倒すというのが自分たちの代で達成出来たら一番いいなと思います。

マリノス戦はやっぱ勝てなかったのが悔しかったです


天皇杯3回戦(駒大−マリノス) 昨年も打倒プロ≠フ夢は叶わなかった。しかし、中田は十分に手応えを感じたという=三ツ沢競技場で


天皇杯3回戦(駒大−ジュビロ) ジブコビッチと競り合う中田。このときはレベルの差を感じたという=磐田スタジアムで

―プロに勝つというのが今年も目標になりますか?
中田 そうですね。ジュビロ戦よりもマリノス戦のほうが全然、試合内容的にもうちのほうが良かった時間が多かったし…。それでも勝てなかった。それがプロとの差だと思うんで内容が悪くても、1‐0で勝つとかそういう風にしていかないと勝つのは難しいと思うんで内容がよくても勝たないと仕方がないんで、そこは今年頑張っていきたいと思います。
―おととしのジュビロ戦は中田さんは2年生でしたが戦ってみてどうでした?
中田 あの頃はチームの状態がインカレ優勝して上がってきていたんでその面ではいい試合が出来たと思います。でも、あの時のジュビロは強かったというかプレスに行ってもすぐはたかれて、「ちょっと違うな」と思いました。でも、一年経ってマリノス戦はだいぶやれるようになっていたんで、手応えみたいなのはありましたね。
―マリノス戦は歯がゆさみたいなものがあったということですか?
中田 そうですね。誰が見てもうちがおしてたじゃないですか。それでやっぱ勝てなかったのは悔しかったです。

今年は余計なカードを貰わない様にしないと(笑)
―では、昨年のリーグ戦の話をしてもらいたいと思うんですが、中田さんは優勝の瞬間ピッチに立てませんでしたね(※出場停止で最終節はスタンドで応援)。
中田 そうですね(笑)。あの警告でチームに迷惑をかけるんじゃないかと心配してたんですけど…。負けてたら「ヤバイなぁ〜」と思ってたんですけど優勝しくれたんで嬉しかったのと、一緒にグラウンドであの瞬間を味わいたかったという二つの気持ちがあって複雑な気持ちでした。でも、優勝に貢献したことには変わりはないんで、それは優勝したことに対してはすごく嬉しかったですね。
―でも、今年はそのピッチの上にたっていたいですよね?
中田 いらないイエローカードはもらわないようにしないと(笑)。
―リーグ優勝は中田さんにとって大きな財産になったんじゃないんですか?
中田 ずーっと駒大の歴史の中でしてないって駒大に入ってから知って、以外だったんですけど。まぁそれが自分が試合に出てるときに達成できたということはすごく嬉しかったです。


リーグ最終節(駒大−筑波) 最終節、スタンドから応援する中田の姿が。心境は複雑だったという=西が丘で
そうでもないと思った選手が実は上手かった(笑)
―今年注意すべき大学は?
中田 まずは選抜とかにいっぱいきている学芸大。全体的に攻撃にも守備にもタレントがいるんで。この前の合宿でも一緒にやってたんで注意しなきゃいけないかなと。筑波も守備の2人が抜けたんですけど攻撃陣は何も変わっていないので強いと思います。国士はいつも何だかんだ言って強いチーム作ってくるんで。
―選手で注意すべき人はいますか?
中田 上手いなぁ〜と思ったのは国士の山崎雅人とか、学芸の久保田学。「そんなでもないなぁ〜」と思ってた選手が「あれ!?こんなに上手いの」みたいなのをこの前の合宿で感じました(笑)。
―合宿はそういう他の大学の選手を知るという意味でも役に立ちました?
中田 そうですね、こんな上手かったんだとか知れてよかったです。
―学芸には去年は一勝も出来ませんでしたが、今年も簡単に勝てそうもありませんね?
中田 でも、まぁそれは去年までの話なんで今年はお互い人も違いますし、また去年の事は去年の事で忘れて今年がスタートってことで特にどのチームがやりにくいとかは考えてません。どのチームも強いと思うんで。

一歩でもボールに喰らいつく、その気持ちを忘れずに
―中田さん自身の個人的な目標なんかはありますか?
中田 おととし、去年とやることは変わっていないんですけど、ただポジションがFWになったり左のハーフをやったりトップ下になったりいろいろあるんで自分に与えられたポジションで、監督のいうことを理解して勝利に貢献できたらいいなと思います。
―今年はいろいろなポジションをやらされそうですね?
中田 そうですね。今も練習でFWやってきました(笑)。でも、それで結果を残していかないとダメだと思うんで。それでダメじゃいけないと思うんで。
―開幕戦は日大ですが、警戒とかする事はありますか?
中田 あっちも一部に上がってきて一部に残りたいという気持ちがあると思うんで、うちも去年優勝したからとかそういう気持ちは捨てて戦いに望みたいです。とりあえず開幕戦に勝ってれば勢いが出てくると思うんで初戦は大事だととらえてます。何とかして初戦、勝ちたいですね。
―では最後に今年の意気込みを!
中田 一戦一戦とりあえず、1‐0でも4‐3でも一点差でもいいから勝利、勝つことにこだわっていきたいと思います。前期は辛抱する場面が多いと思うんで、そこは一歩でもボールに喰らいついたりとかそういう気持ちを忘れないでいきたいですね。

◆プロフィール
なかた ようすけ/1981年9月15日。173a 61`。大船渡高校(岩手県)出身。
【昨年のリーグ戦の個人成績】・6得点6アシスト。
●全日本大学選抜(03)

 

 
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