• 獅子吼の戦士たちが15年ぶりにインカレの頂点に輝いた=NACK5スタジアム大宮で(嵜田将礼撮影)

  • 決勝点を決めた島崎は真っ先に応援団のもとに駆け寄った

信じて貫き通した駒大スタイル!二度のビハインドを跳ね除け15年ぶり7度目のインカレV!

[サッカー部](2021年12月26日 20時14分)

MCCスポーツpresents 2021年度 第70回 全日本大学サッカー選手権大会 決勝・阪南大戦が12月25日にNACK5スタジアム大宮にて開催された。結果とメンバー(駒大のみ)は以下の通り。

【スコア】
☆駒大3-2阪南大

【得点者】
12分:[阪]松原 大芽
36分:[駒]土信田 悠生(荒木 駿太)
48分:[阪]藤原 雅弥
58分:[駒]宮崎 鴻(荒木 駿太)
73分:[駒]島崎 翔輝(小針 宏太郎)

【メンバー】
GK
1 松本 瞬[4年=前橋育英高]

DF
5 相澤 佑哉[3年=熊本Y] (→66分 3 會澤 海斗[4年=水戸商業高])
6 猪俣 主真[4年=三浦学苑高]
28 小針 宏太郎[2年=鹿島Y]

MF
2 桧山 悠也[4年=市立船橋高]
8 江﨑 巧朗[4年=ルーテル学院高]
11 中村 一貴[4年=駒大高](→66分 14 島崎 翔輝[4年=国際学院高])
12 宮嵜 龍飛[4年=駒大高](→90+3分 23 小島 心都[2年=湘南工科大附高])

FW
7 荒木 駿太[4年=長崎総科大附高]
9 宮崎 鴻[4年=前橋育英高](→87分 15 米谷 拓海[4年=駒大高])
10 土信田 悠生[4年=高川学園高]

【SUB】
GK 21 深澤 颯人[3年=武南高]
DF 17 篤 快青[2年=広島県瀬戸内高]
MF 20 仲田 瑠[3年=長崎総科大附高]
FW 27 本吉利安[2年=千葉U-18]
FW 33 﨑山 友太[1年=米子北高]


大学サッカー日本一を争う今季最後の戦いもいよいよ大詰め。インカレでの対戦は初となる関西地区第4代表・阪南大学との一戦を迎えた。

全国制覇を懸けての一戦となったが、駒大にとっては幸先の悪い滑り出しとなった。左サイドのクロスに対してGKの松本が反応するも、運悪くこぼれ球が阪南大FWのもとへ。そのボールを左足で直接叩かれ先先制を許す。今大会初めて追う展開となった駒大はロングボールを主体に攻勢を強める。36分には左サイドに抜け出した荒木のクロスから土信田が頭で合わせて同点に追いつき、スコアを振り出しに戻して試合は後半に突入。

逆転を目指す後半だったが、前半同様立ち上がりに失点を喫する。48分にミドルシュートを放たれ、松本が触れるもそのままゴールに吸い込まれ失点。再びリードを許すも、58分。右サイドからのコーナーキックに宮崎がドンピシャのヘディング。ツインタワーのそろい踏みで試合をイーブンな状況に持ち込んだ。勝利の欲しい駒大は66分に相澤、中村に替えて會澤、島崎を投入。すると73分に小針の左サイドからのアーリークロスに反応した島崎が値千金の逆転弾。交代策が的中した駒大はそのまま時計の針を進め、3-2で勝利を収めた。

勝利を手にした駒大は2006年以来14大会ぶり7回目のインカレ優勝となり、悲願の全国制覇を成し遂げた。


◆秋田浩一監督
――大会を振り返って
「大会を通じて特にディフェンスがすごく良かったかなと思っている。今日は2点取られたし、先に失点したが、それまで(決勝まで)は先に点数を取っていて失点もしなかったし、守備力が良かったかなと思う。それに、攻撃の前3枚がうまく入れ替わりながら毎試合得点を取ってくれていたので、それが大きな勝因かなと思う。あとは、最終的に言えば特に4年生が多く出ていたので、最後の大会というのもあってよくやっていた」
――駒大のスタイルの良さは
「そんなに長けている選手がいないので、その中でも速いとか高さがあるとか強いとか、その選手の良いところがあれば、例えばの話だが10回ヘディングして8回勝てるならそれを使った方が良い。選手の能力に合わせてやるが、やっぱりサッカーは点数を取るゲーム。パスを50本通して1点入るならまるっきり考えは変わるが、うちみたいに良い選手がいない場合にゴールを取るためにどうするのが一番良いのか、というところが一番大事だと思う」
――駒大のスタイルをどのように選手たちに浸透させていったか
「今年で言えばボカンボカン蹴っても上手くいかないので、速くサイドへボールを回して入れられるときは入れるが、ダメなときはもう一回やり直してもいいのではないか、というのを深井コーチが来て整理してくれた。ヘディングも一つの武器だし、運動量も一つの武器だし、ドリブルも武器だし、それを組み合わせていけば色んなチームと対等にやっていけるのではないかと思う」
――準決勝より後ろから蹴る場面が多く見受けられたが、先制点を取られたという点が大きいか
「試合に関しては先取点を取られてしまったので、阪南さんのやり方で4番のヘディングも強いが、我々は(前)2人いるのでツインターボでやっていけば消費していくかなというのもあった。もうちょっと外から入れられればもっとチャンスもあったかなと思うが、どうしても追いつかなければいけないという部分もあったので」

◆深井正樹コーチ
――今大会を振り返って
「日本一になりたいと学生が言っているなかで、日本一になれたことが非常に良かったなと思う」
――土信田選手を同じFWの選手としてどう思うか
「土信田に限らないが、(自分が)駒大に戻ってきて色んな選手、特に攻撃の選手を見ていると、予測する場所だったり入っていく場所だったりがあまり良くなかった。あとは繋ぎのところでゴール前に入っていくのが遅かった。そういうところが凄く目についたが、細かく出来るようになった。土信田に関しては、1人で何かが出来るというわけではないが、天性のゴール感覚というか、十分にワンタッチでゴールに流し込めるだけの嗅覚があると思う。これからもペナルティエリアの中でワンタッチゴールを決められるようなところに入っていってもらえれば、上のステージでも活躍出来ると思う」
――前線の3人(荒木、宮崎、土信田)の評価
「特徴がそれぞれ違う、非常に独特な個性を持った選手達。一番に監督と話をしていたのは、荒木をどこで使うかということ。荒木はゴールの近く、真ん中から自由に動き出した方が彼の良さを十分に発揮できると思ったので、土信田、宮崎のどちらかと荒木を組ませようと考えたが、そうすると彼ら2人のどちらか調子のいい方を使うのか半分ずつ使うという形になってしまう。そういった中で前の人数を3枚にしたという経緯がある。それを決断したのは監督だが、それが非常に上手くハマったと思う。土信田に関しては先ほども言ったが、非常にヘディングも強くて、動き出しも出来て、何でも出来る選手。宮崎に関しては、体の強さを生かして、そんなに動けないが、彼の所ですごくボールが収まるというのは重要だった。荒木に関しては、特に何か説明するようなことではないが、非常に運動量があって駒大の選手というものはこういうものだと体現してくれた選手だと思う。非常にこの前3人の選手に関しては上手くいったのかなと思う」
――駒大で自身が指導、手掛けたこと
「今日の試合に関しては、まったく内容はパッとしなかったし、評価出来るのは勝ったことだけかなと思う。前に早く蹴るというのは別に意図があれば良いが、意図のないパスが非常に多かった。そこで自分達は何がしたかったのかというボールを持っている人の判断、受ける人の判断、自分はどこで欲しいのかという意思表示がまったく無かった。その辺を改善していくなかで前に速く進むことに対してアプローチをしていた。別に浮き球であろうが低いボールであろうがそこに意図があれば良い、ただ目的はゴールだよというのはずっと強調しながらやってきた」

◆土信田悠生(英4)
――今大会を振り返って
「このチームが立ち上がった時にインカレで優勝するというのを目標に掲げていたので、皆で優勝をつかみ取れたのはすごく嬉しい」
――ゴールシーンを振り返って
「荒木からいいボールが上がってきて、自分は相手の間というかGKの前で触れて決めることが出来た」
――自分の中で何か覚醒のきっかけを掴んだりしたか
「自分的には覚醒という感覚はなくて、コツコツ積み上げてきたものが最後に結果として表れたのではないかと思う。今年からスタメンで出させてもらうことが多くなったが、試合に長く出ている分だけゴール前に入っていける回数が途中から出るよりも増えたと思う。その中でチャンスが多く自分にこぼれてきてそれを上手くゴールに繋げられていると思う」
――宮崎とのライバル関係について
「普段の練習の時から、宮崎が活躍すると自分は少し悔しい。宮崎に負けたくないなという思いで練習であったり試合をしていた自分がいた。お互いにそうやって負けたくないという気持ちから、じゃあもっとこうしなくてはいけないと考えさせられた。すごくいい関係性だと思う」

◆島崎翔輝(商4)
――今大会を振り返って
「決勝戦まで自分はチームに貢献できていなかったというのがすごく大きかったので、ゴールを決めてチームを勝たせられて良かった」
――ゴールシーンを振り返って
「自分はクロスボールに対して、何人か前にいたが、自分のところに(ボールが)こぼれてくるというのを前々から予測していた。あとは合わせるだけだった」
――早めの投入となったがどのような指示を受けたか、けががあって大変なシーズンだったが決勝点をあげたことをどう思うか
「途中交代で入るときは、自分は運動量が持ち味の選手だからこそいつも言われていることをしっかりやるというのが大事な事だと思っている。シーズン終盤のけがで、自分はなかなかチームに貢献できていないというのがあったが、決勝戦で決勝ゴールを決めることが出来た。今日の試合は本当にチームとして苦しい時間帯が続いていたので、何か自分が貢献出来ることがあればと思い今日の試合に臨んだ」

◆江﨑巧朗(経4)
――今日の試合を振り返って
「今年、立ち上がりに失点するとそのまま守られて勝てないという試合の流れがあった中で立ち上がりから相手の勢いにのまれて自分達のサッカーがなかなかできず失点してしまった。中で話して解決して2度追いついて結果的に逆転という形で今年一年の課題の改善もできて良かったと思う」
――日本一になった感想
「駒大で日本一になるためにこの4年間やってきて新人戦、インカレと日本一を経験させてもらったこのチーム、監督やスタッフ、仲間には感謝しかない」
――4年間を振り返って
本当にあっという間でとても充実した4年間になったと思う。成長できたのはサッカー面だけではなく、人間性という部分でも大きく変われたと思う」
――今シーズンは4年生中心のチームだったが同期への想いは
「今年は横の繋がりがすごく深くて、どのチームより絆が深いからこそこのメンバーで勝ちたいという気持ちが大きかったと思う。時には厳しい事だったりも言い合ったりする事で、より良い関係を築いていけたと思う。また今年は4年が率先して行動できたことがチームの底上げにもなって良かったかなと思う」
――プロへの意気込み
「また何個もレベルの高い所に飛び込むので、ここで学んだことやまた新たに学ぶことがあるが自分の中のベースをしっかりと持ってこれからも頑張りたい」

◆桧山悠也(地4)
――今日の試合を振り返って
「前後半ともに立ち上がりに先制され、苦しい試合展開だったが、粘り強く戦いチャンスをしっかり決め勝つことができた」
――日本一になった感想
「3年前の悔しい思いを晴らすことが出来たこと、この仲間と優勝することができて本当に嬉しかった。駒大のサッカーは間違ってない、やる事を徹底して相手より走って戦えれば必ず勝てるということを証明できたのかなと思う」
――今大会を振り返って
「チーム一丸となって勝つことができたと思う。苦しい試合ばかりだったが粘り強く戦って勝ってきた」
――今シーズンは4年生中心のチームだったが同期への想いは
「最高の仲間に出会えて本当に自分は良かった。不甲斐ないプレーで迷惑かける事も多かったが、その度に励まされ、時には怒られたりもしたがたくさん助けられた。この仲間と戦えて幸せだった。チーム全員で掴み取った優勝。最高です」

◆宮嵜龍飛(営4)
――今日の試合を振り返って
「前後半立ち上がりが悪く失点してしまたが、この一年間やってきたサッカーを徹底し続けた結果、逆転して勝つことができて良かった」
――日本一になった感想
「この仲間と日本一を取りたいと思って一年間やってきたので本当に嬉しい」
――今大会を振り返って
「総理大臣杯は初戦で負けてしまい、日本一を取るチャンスはこの大会しかないと強い気持ちを持って臨んだ。楽に勝てた試合は1試合もなかったと思う。苦しい状況でも選手全員が体を張って駒澤のサッカーを徹底した結果、優勝して秋田監督を男にすることができて良かった」
――今シーズンは4年生中心のチームだったが同期への想いは
「感謝の言葉しかない。4年間厳しい練習を乗り越えられたのも同期がいたから。この同期と日本一を取って笑って終わることができて本当に嬉しい」

◆中村一貴(経4)
――今日の試合を振り返って
「二回先行される厳しい展開だったが、チームで決して諦めず戦い続け逆転できた。応援も含め全員の勝利だと思う」
――日本一になった感想
ここだけを見て過ごしてきたので、達成感が物凄い。サッカー人生16年の想いが込み上げてきた。関東リーグ後期の慶應戦で敗戦した後の深井コーチから言われた「この悔しさを忘れんなよ、インカレで日本一になろうぜ」と言われた言葉を胸に留め過ごしてきた。あの悔しさは無駄ではなかったと実感している。それにしては決勝のプレーは不甲斐なかったが、大会を通して戦えたので良かったと思っている」
――今大会を振り返って
「簡単な試合は1試合もなかった。とにかく目の前の相手に勝つことに集中して取り組んでいた。特に自分自身チームに対して貢献できるプレーは決まっているので、自分に出来ること、求められている事を徹底して取り組む事が大事だと何度も言い聞かせてプレーした。連戦で非常に厳しい戦いだったが、優勝できてとても嬉しい」
――今シーズンは4年生中心のチームだったが同期への想いは
「駒澤大学の附属校から上がってきた自分を受け入れてくれたことに感謝。本当にレベルが高く、周りに助けられることが多かったと思う。この4年生だからやり切ることができた。本当に感謝しかない。特に同じポジションを努めた島崎翔輝と共にやってこれた事が一番嬉しい。翔輝がいたから頑張れた。ありがとうと伝えたい」

◆會澤海斗(営4)
――今日の試合を振り返って
「今日の試合は本当に入りが大切と言われている中で先に失点してしまって、なかなかリズムが作れてなかったのが苦戦した一因かなと思う。でも、みんなの想いを背負って戦っていたので今日の勝利に繋がったと思う」
――日本一になった感想
「新人戦でも日本一になってはいたが、インカレという大舞台での日本一は格別だった」
――今大会を振り返って
「今大会はスタメン出場することは出来なかったが、途中から出た時に自分が出来ることをどれだけ徹底してやれるか、チームのために貢献出来ることを常に探し続けていた」
――今シーズンは4年生中心のチームだったが同期への想いは
「同期のみんなは自分が足りない部分を補ってくれて、時には厳しく指摘してくれたり、甘えを許さないとても良い4年生達だった。自宅生の人たちも自分が辛い時に親身になって話を聞いてくれたりしていつもいつも励まされていた。本当に最高な仲間に出逢えたと思う」

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