指名と優勝へ向けて ドラフト直前インタビュー ~新田旬希~

[硬式野球部](2021年10月11日 10時47分)

10月11日に行われるプロ野球ドラフト会議への意気込みと前半6試合の振り返りをプロ志望届を出した硬式野球部の新田旬希(商4)主将にインタビューを行った。(聞き手・中島健士郎)

――春季2連敗した中大に2連勝したが振り返って
「開幕前から全員で中大戦に向けて用意してきたことがそのまま発揮できたのが2連勝につながった」

――どのようなことを準備してきたか
「春の打線はコースついてくる真っすぐにやられていて、それで2ストライクに追い込まれて、苦しいバッティングになっていた。積極的に振りに行った結果がアウトになってもいいのでどんどんセンター中心に振っていこうという話をしていた」

――亜大からも2年ぶりに白星を獲得したが
「亜大は総合力が東都で最も高いと思っているので、1戦目やった時に強いなと思った。春よりも強みを感じたので、2戦目どのように戦うか課題だった。先制点は取られたが、その後安打や四球でつなぐことができて逆転した。追いつかれたが粘り勝つことができた。松本健吾に春も、1試合目もやられていて、やられたままでは終われないなと思って、最後打ち崩せたのが良かった」

――松本健吾を打ち崩せた要因は
「走者を出してつないでいくことが大事だと思う。1対1で勝負したら、調子が良かったら投手有利になるので、走者を出して2対1で勝負したり、低めのストライクぎりぎりのボールをストライクとされてもいいので見逃す勇気を持つなどを意識した」

――ドラフト注目選手の亜大岡留選手との対戦はどうだったか
「岡留は僕得意なので、全然嫌ではなかった」

――岡留選手のどういったところが得意か
「どういったところかはわからないが、見た感じいけるなというのが僕の中にはある」

――國學院との2試合を振り返って、2戦目にエースの池内さんが投げてくることに準備はしていたか
「春季で池内に抑えられたので、来るかなとは思っていた。1戦目で坂口が良かったので、坂口、池内両方考えていた。國學院戦までの間に、池内があまりいい投球をしていなかった。もしかしたら、もう一回坂口がくるのではないかと考えていた。池内も坂口もタイプ的には同じ投げ方で似ているので、対策としては一緒」

――残り青学、日大との試合が残っている。そのカードに向けて一言
「今は3位という順位。ここから四連勝すれば1位はあると思う。僕たちは落ちることなく、一戦一戦勝利して、優勝はギリギリできると思う。相手次第にはなるが、優勝できるように最後まで頑張りたいと思う」

――現在打率が三割五分で打者成績としては6位とドラフトに向けていいアピールができているように感じるが
「最近リーグ戦で思うように結果が出ていない。結果が出ていない理由というものを秋までの間に自分で確認できた。その理由を直すためにコーチと相談しながら練習をやってきた。その結果が率になって出ているのでいいことだと思う」

――駒大に進学することになったきっかけや理由は
「高校の時に監督と進路のことを相談した。その時に、駒大からも来ていると言われた。自分の父親が神大だったので、最初は神大を考えていた。東都をいろいろ調べて、プロ野球選手や社会人野球選手が多くいるので、ここでレギュラーになれば社会人野球は確実に行けてプロを目指せる環境にあると思い、駒大に進学を決めた」

――駒大で辛かったエピソード
「1年生から試合に出させてもらっていて、ベンチには上級生がいた。自分が試合に出て活躍できているときはいいが、活躍できていない時やエラーした後、4年生は最後のシーズンなのに自分がチームに迷惑をかけてしまっているということを1年生の時は感じていた。落ち込むことが多かった。2年生からはそんなに感じることはなかった」

――東都の中で苦手なピッチャーは
「松本健吾、2年生の時までは相性が良かった。2年生の時にオープン戦を亜大とやらせてもらった時に松本から2打席連続ホームランを打った。秋も相性がいいイメージがあった。しかし、4年生になってから対戦した時に成長しているイメージがある。コントロールや緩急の使い分けが2年生の時とは全然違った。自分の中では得意意識があったが、抑えられることで苦手意識も出てきた。そこまで苦手なピッチャーはいないが、松本が1番やりにくかった」

――目標としている選手は
「柳田選手。中学の時の所属チームが一緒で、広島出身ということもあって知っていた。あれだけ振れるというのがすごい。バットの芯に当てる技術がないとボールが当たらない。その両方を兼ね備えているのがすごいと思う」

――駒大でエーアン選手など期待の若手が色々出てきている。誰か期待している選手はいるか
「1年生の投手陣には皆期待している。東田、松村、川名、山川など皆バランスがいい。自分は福山を除いて3、4年生のピッチャーより良いと思っている。2年後3年後が楽しみ」

――新田選手から見た福山選手の魅力は
「とても考えて野球をしている。普段、ご飯を一緒に食べたり、一緒に風呂に入ったりする。体のことも野球のことも考えていて、自分にストイック。リーグ戦で結果が出るのは日常生活から自分の体のことや投げ方を考えているから。変化球でも1種類だけではなく、遅いスライダーや緩いスライダーなど自分で考えながら毎試合投げているので、すごいなという目で見ている」

――新田選手を応援してくれた家族や周りの人に一言
「親には、1年生から支えてきてもらっている。今はコロナの影響で見に来られないが、親には感謝の気持ちを伝えたい。毎試合ライブで見てくれている。結果を残して恩返ししたい。球場などで応援してくれているOBの方や学校関係者の方も強い駒大を見たいと思っているので、それを復活させようと思う。しっかり最後まで戦い抜きたい」

――今季のチームを強い駒澤にするために、試合に出ているメンバーだけでなく森田学生コーチや佐々木魁選手、西山信選手などベンチの選手も一丸となって戦っているように感じるが、新田主将もこれまでと比べてチームの雰囲気は変わったと感じるか
「去年のチームは個々の能力もあったが、チームとして戦えていなかったイメージがある。前のチームが悪いと言っているのではなく、今年のチームで4年生は僕と鵜飼しか試合に出ていないし、ほとんど3年生以下のチーム。この力では東都は絶対勝てない。チームの力で勝つためにはと考えると、声や雰囲気、やることをしっかりやるというのをずっと言ってきた。それがチーム力となってリーグ戦の結果で出るのが一番だと思っている。それを意識するように皆に伝えてきた」

――春と比べて三振の数が少なくなっているように感じるが、リーグ前に新田選手が「三振をしたらそこで終わりだが、振り出せば何か起こる」ということで意識していると言っていたが、三振の数が減ったことをどう思うか
「今年は入れ替え戦もないので、リーグ戦では楽しむことしか考えていない。楽しむためには自分が打つしかないと考えているので、打つことを考えるとボールの見極めや甘い球を逃さないということ。甘い球をカウントで逃さずに打っていけば、ツーストライクになることはないので三振する確率は減る。 ツーストライクからでも、考え方を変えれば三振する数は減ってくる」

――今季は粘って四球という場面が多く見受けられた。チームの方針として、粘って投手に球数を投げさせるというのはあったか
「投手に球数を投げさせるというのではないが、林、浦口は足が速い。足が速い選手は塁に出ることが仕事なので、ヒットを打つよりも四球を取る確率が高い。2人が自分の足を生かすためにどうしたら良いかというのを考えてやっている結果だと思う。2人だけでなく、周りの人も四球に絡めば自動でランナーが出られるわけなので、勝手に得点に繋がりやすい。四球を取りきれば、流れは駒大にくるというのを皆がわかっているので、四球を取れるように皆が練習している」

――当時新田選手2年生ながら入れ替え戦で主軸を務めたが、プレッシャーはどのように感じていたか
「入れ替え戦はずっと吐きそうだった。2部に落ちてはいけないという思いが全員あって、試合に出ている立場からすればずっと嫌だった。自分のエラーで負けたら戦犯だと思ってしまう。体も硬くなってしまったり、思うように動かなかったりする。春、1戦目負けてから「やるしかない」と逆に切り替えられた。1戦目負けて良かったと自分は思っている。入れ替え戦、1戦目負けていなかったら固さのまま、勝たないといけないとなっていた。ここまできたらやるしかないと切り替えられたことが大きかったかなと思う」

ーー入れ替え戦、緊張や重圧で足が震える選手もいると聞く。新田選手は当時2年生ながら専大との一回戦で四番を務めたと思うが、試合前日は緊張で寝られないなどあったのか
「試合の前の日に寝られないなどはない。ただ、神宮球場に来たら緊張するタイプなので、吐き気がした。それくらい緊張した」

ーー入れ替え戦は目に見えない重い空気があるのか
「相手は絶対に1部に上がってやるという勢いがあった。自分たちは落ちたらいけないと思うしかない。そこが相手の勢いがリーグ戦との違いだと思う」

ーー大学の野球生活で辞めたいと思った時はあるのか
「野球が好きなので辞めたいと思った時はない。野球上手くなるためにどうしようかと毎日考えていた。ただ、どれだけ考えてやっても結果が出なかったときは悔しいし、なんで結果が出ないのかという思いから、どうしたら良いのか迷っていた時期はあった」

ーー迷っていた時期は下級生の時か
「1年生の時は辛かったと言ったが、1年なのでまだ3年あるから大丈夫だろうという思いもあった。2年生の時は二季とも三割一分打ったので、迷っていたことはなかった。3年秋に、初めてこんなに打てないという時期があって一番辛かった。上級生にもなって結果が出なくて、チームの中心になるために結果が出せないというので苦しい時期もあった」

――駒大で野球をやってきて良かった点は
「レベルが高い環境で(野球を)やれたこと。地方大学だったら、(地方大会で)優勝して大学選手権に出る以外、神宮球場でプレーすること自体ない。東都大学リーグという、日本一レベルが高いといわれているリーグの中で相手と競い合って(野球)をやっていくというのが楽しかった。まだ4試合残ってはいるが、先輩方の中にはプロに行った先輩もいるし、色々な選手と対戦できて楽しかった」

――家族構成は
「父、母、姉、弟」

――弟は野球をしているか
「やっている」

――ドラフト会議が近づいていますが、心境の変化などはあるか
「そんなにない。リーグ戦の方がドラフトより大事だと思っている。ドラフトでプロにいけたら良いが半分半分なところもあるので。割り切っている。もし(プロに)行けなくても、社会人(野球)でプレーして、2年後にまた(プロを)目指そうと思っている。あまり緊張はしていない」

――プロ野球のスカウトの方と話す機会はあったのか
「ありました」

――その(スカウトの方と話した)なかで、新田選手の長所・魅力の部分を言われたことはあるか
「(自分の)性格などの会話などをしたので、プレーに関することはなかった」


――(リーグ戦に向けて)色々なことを確認したとあったが、具体的にどの様な点を確認したのか
「バッティングの基本はセンター返し、ヒットの延長がホームランという考えが、最近(自分の中で)おろそかになっている気がした。大学に入り体格も大きくなってきていたなかで、どうしても長打を打ちたいという欲があったので、センター返しを基本において、センターに打つにはどうしたらよいかという練習をコーチと確認しながらやっていた」

――この球団に指名されたいというのはあるか
「地元が広島なので、カープに指名されたいというのはある。小さい頃から好きな球団なのでカープに指名されたら嬉しい」

プロ野球ドラフト会議は10月11日16:55からスポーツブルにおいて中継される予定。

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