• 笑顔でインタビューに答える神戸主将=陸上部道環寮で

試練の夏を超え、秋の駅伝シーズンへ ~陸上部スペシャルインタビュー~ vol.1

[陸上競技部](2020年09月23日 17時06分)

6月に練習が再開されてから、大会に出場した選手の大半が自己ベストを出すなど好調な様子を見せている駒大陸上部。これまでの振り返りや夏の強化練習の様子、大会の結果、駅伝シーズンに向けての意気込みなどを大八木弘明監督や選手に取材した。2回にわたってお届けする特集の第1回目は、大八木監督と神戸駿介主将(仏4)へのインタビューの内容です。(取材は9月18日に、オンラインで行いました。)

◆大八木弘明監督
―練習が再開されてからの様子を振り返って
「6月からグラウンドが使えるようになり、(再開されるまで)選手も気持ちが落ち込んでいましたが、今はのびのびとできるようになってきました。それまでは土手やサイクリングコースでマスクをつけてやらなくてはいけなかったので、選手も大変だったと思うし、精神的にちょっときつかったのかなという感じはしました」
―強化練習の様子は
「今回の3週間は、みんなわりとしっかりやれていたと思います。特に上のほうの選手たち、2年生1年生はがんばってくれていたかなという感じがします。上級生はけがをしてしまった人が何名かいましたけども、今回は下級生がしっかりがんばってくれました」
―強化練習で調子が良かった、練習がつかめていた選手は
「やはり全日本インカレに出ていた田澤(廉・経2)、加藤(淳・経4)、鈴木(芽吹・営1)といった選手たちは、一次練習、二次練習の途中まではみんなとやっていて、その時期にみんな良かったです。花尾(恭輔・商1)は、一次練習は良かったが二次練習でちょっとけがをしてしまって、三次練習のときに良くなってきました。その故障の影響で全日本インカレは思うような結果が出なかったです。花尾はこれから、また強化練習をして上がってくると思います」
―ホクレンで、出場したほとんどの選手が自己ベストを出したがどう評価するか
「トラックをやる前にみんなじっくり走っていたのが良かったです。走り込みをしたり、インターバルトレーニングも厳しいなかで一つひとつこなしてくれたりしていたなと思います。それがトラックの6月に入ってからマスクも外れてのびのびとやれるようになって、トラックの感覚をようやくつかんでいけたのがホクレンの結果に繋がったのかなという感じがします。大変な時期もきっちりまとまってやってくれたなと。それがやはり一番の結果ではないかなと思います」
―全日本インカレの結果はどう感じているか
「田澤はもうあのくらい走って日本人トップになるのは当然かなと思っていたけれども、ラストまで外国人選手と競ってほしかった、競っているのを見たかったです。芽吹と加藤は最後まで粘って、良く走ってくれていたかなという感じです。インカレに出た選手はみんな良くがんばったなと思います。良い結果だったと思いますよ」
―出雲が中止になったが
「昨年が悔しい負け方をしたので、今年は勝とうと選手たちはみんな思っていました。試合がなくなったのは本当に悔しいですね」
―中村匠吾(15年卒、現・富士通)選手が出場する、東京オリンピックが1年延期となったが
「こういう新型コロナウイルスの状況で仕方がないと思います。中村も前半は少し疲労があってあまり良い動きではなかったところもありましたが、今はだいぶ良くなって、これから来年のオリンピックまできちっと体を作って、計画的にやっていければいいなと思います。今のところはまあまあ順調にきていると思います」
―1年生の調子が良いと思われるがどうか
「わりと今の1年生もしっかりとやってくれています。鈴木、花尾、唐澤(拓海・市1)、赤津(勇進・現1)、赤星(雄斗・法1)とか。白鳥(哲汰・経1)はちょっと夏に弱いが、秋に向けて立て直してもらえればと思っています。全体的に1年生はみんな意識も高くやっているかなと思います。」
―1年生の駅伝での起用はどのくらい考えているか
「良い選手はどんどん出そうと思っています。芽吹などもそうですが、ある程度上級生よりも上のほうで走ってくれていたらどんどん起用しようと思っているので、1年生だから出さないということはしません。上級生を食っていける選手だったらどんどん出しますね」
―今年のチームの、昨年のチームと違うところは
「やはり1、2年生の勢いがあるというところかなと。その勢いも上級生は意識しているのではないかと思います。だから4年生もだいぶ良くなってくると思います。春先は自分に甘えていたところがありましたが、これから4年生が少しずつがんばってくるのではと思います」
―全日本、箱根まで例年よりレース数が少ないがどう練習していくか
「今はロードレースみたいなものはないので、強化練習で距離走などもやりましたが、やはりスタミナと、トラックのスピードをバランス良くトレーニングして、全日本であれば10㎞、15㎞のスピードをきちっと維持しながら戦っていきたいという考えです。箱根までは、全日本が終わってまた強化練習をやってもう一回スタミナを作って、20㎞のレースを考えて強化しながらやっていきたいなと思っています」
―駅伝のキーマンとなる選手は
「やはりエースは田澤ですが、どんな1年生が出てきてくれるかですよね。鈴木、花尾、白鳥、唐澤、赤津、赤星とか。今のところ上位でやれている選手たちで、20㎞という距離に対して不安もなくがんばってくれる1年生が何名出てきてくれるかです」
―全日本、箱根に向けて意気込みや目標を
「出雲がもうなくなったので、次の全日本が開催できたら、昨年が3番なのでやはり3番以上は取る覚悟でいきたいです。箱根も当然3番以内を目指したいと思います。これからしっかりトレーニングしていきたいと思うし、皆様に感動を与えられるように、結果を全て良い方向に持っていけるようにがんばりたいと思います」

◆神戸駿介
―現在の調子は
「強化練習をしっかりやることができました。去年と比べて練習を引っ張る機会が多く、充実した練習ができていて調子はいいと思います」
―通常通りの練習が再開されてから現在までのチームの雰囲気は
「緊急事態宣言期間中はグラウンドが使えませんでしたが、他大学と比べると早くグラウンドを使えるようになったと思います。色々な人にサポートしてもらって、選手たちは今ストレスなく練習ができていて、チームとしてもいい雰囲気で不自由なく練習ができていると思います」
―春先と比べて見つかった課題は
「あまりキャプテンをやったことが無くて、去年原嶋渓(20年卒、現・中央発條)さんが完璧にキャプテンをやられていたので、それに比べられることも多いですが、自分的には全力を尽くしてやってこれたと思います」
―強化練習でのチームの雰囲気は
「今年は3週間強化練習をやりました。もともと力がある1年生も結構疲労が溜まってきつそうでしたが、2年生以上が強化練習でしっかり練習を引っ張っていました。全日本インカレの結果を見ても分かる通り夏は結構充実した練習ができていたと思います」
―強化練習での自身の手ごたえは
「先頭を引っ張る機会が多く、余裕がない中で集団を引っ張るという経験をしました。まだまだだと思うがいい練習が自分の中でできたと思います。単独走の克服などが自分の中の課題だと思うので、そういう面ではいい練習ができたと思います」
―主将として強化練習を迎えたが
「帰省ができないなど、色々なことがありましたがチームメイト全員が同じ条件だったので、チームで気持ちを落とすことなく、全員で乗り越えようと思いました。チームが一つとなって強化練習できたと思います」
―自身のホクレンのレースを振り返ってどうか
「暑さがあって自分的にはあまり調子が良くなくて、なんとか合わせたという感じでした。ホクレンに出場した選手ほとんどが自己ベストを更新していて、試合が無い中での大会だったので、そこでほぼ全員が良いタイムを出せたというのが、出場していない選手も自信になったと思います。今年のチームはいけるなという雰囲気が出て、チームとしても盛り上がりました」
―ホクレン、全日本インカレに出場した選手たちの走りの印象は
「田澤が1番目立つチームだと思いますが、鈴木芽吹など1年生が3人(5000m)13分台をこの時期にしっかり出していて頼もしいと思いました。2年生では酒井(亮太・政2)が13分台で走って、3年生は出場していませんでしたが各学年全員しっかりと結果を出してチームとしては申し分ない結果でした」
―1年生の調子がいいと思えるが
「自分は4年生で1年生より長く練習しているので、個人としては負けたくないと思って練習しています。試合だけでなく練習の中でも1年生とは思えない頼もしさがあります」
―出雲が中止となったが
「出雲はチームとしても狙っていた大会で、全日本インカレの結果を見てもチームは良い状態で、出ていたら『自分たちは優勝争いをしていたのではないか』という気持ちがありました。出雲がなくなったこと自体は残念でしたが、出場していたら絶対優勝争いできたという気持ちは全員で共有できているので、全日本にぶつけようと思います」
―駅伝に向けてどのようなチームを作っていきたいか
「一人ひとり役割があると思います。田澤や芽吹は他大学のエースと戦っても全然負けないと思います。あとは自分たち上級生がしっかりつなぎの区間でチームに貢献する走りができれば、エースの力を使って優勝が見えてくると思います」
―4年生の雰囲気は
「就活をしているメンバーだったり、選手でやっているメンバーだったりと分かれています。学年は継続していい雰囲気でやれていて、最後4年目しっかり笑顔で終わりたいねということを話しています」
―全日本、箱根での個人の目標は
「去年駅伝でことごとくだめだったので、全日本から走るという気持ちで準備しています。チームは優勝争いすると思うので、チームの足を引っ張らないでしっかり貢献できる走りをしたい。任された区間でしっかり準備していきたいです」
―全日本、箱根でのチームの目標は
「3位以内に入ってどれか一つ勝とうということは最初に決めたことで、ミーティングでも常々話しています。出雲が無くなってしまって、全日本が1番可能性があるとみんな思っています。全日本をしっかり狙ってその先の箱根でもしっかり戦いたいです。3位以内に入ってどちらか一つは勝とうという認識をチームで持っているので、そこをみんな目標にやっていくと思います」

☆第2回目は、監督から名前が挙がった加藤選手、田澤選手、鈴木選手、花尾選手のインタビューを掲載予定です。お楽しみに!

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