• 今季も指揮を執る大倉監督=松山中央公園屋内運動場で(吉澤ほの香撮影)

  • 学生コーチらと会話をする林コーチ(写真左) (菅原菜央撮影)

林新コーチも合流し、硬式野球春季キャンプ開催

[硬式野球部](2019年03月13日 17時17分)

大倉孝一監督、そして林裕也新コーチ指導の下、2月12日から2月22日までは広島・福山、2月23日から3月3日までは愛媛・松山にて硬式野球部春季キャンプが行われ、2月27日から28日までの2日間、取材を行った。新体制スタート時には鈴木大主将らが「まだまだ前の代には及ばない」とした練習時の声の大きさなども格段に変わり、長い練習の中でも全員が活気ある雰囲気を作り上げる様子が見られた。28日はあいにくの天候不良のためすべて室内での練習となったが、午前中は守備、午後は打撃を中心に基礎からの技術力向上を図った。投手陣は主にブルペンでの投球練習を行い、実戦を意識した練習にも取り組んだ。大倉孝一監督と林裕也コーチのコメントは以下の通り。

◆大倉孝一監督
「(新チームの印象は)明るくて元気のあるチームだよ。 (守備位置ごとに特化して行っている練習などは)守備位置ごとにではなく、リーグ戦で起こり得ることをこのキャンプで意識付けをしているところ。実戦練習をして、『こういうことが起こるよ』っていうことをやっている。今失敗するのは全然かまわないからね。1月までは走る、投げるっていうことの数をこなしてきた。このキャンプでは数をこなすのではなくて、リーグ戦で起こりえる細かいことをスタートさせた。(一つのプレーにつきミスが出たら指導して、という形で行うのか)当然指導もするけれど、まずは『ミスを出せ』と言っている。どこにミスを起こす問題があるのかっていうのを見つけるためだから。まだミスを修正、高めるっていうところまではいってない。質を上げていくのはオープン戦が始まってからになる。 (今年の投手陣は公式戦の登板経験が少ないが、そのあたりのご指導は)そりゃあもういっぱいしている。『まずは自分の特徴を整理しなさい』と言っている。俺はどういう投球をする投手で、その質をどれくらい上げていけるかということを細かく(言っている)。(特徴ごとにかける声も変わっていくということか)当然。そして最終的にはそれが順番になって、一人ずつに成績がつく。そこから使えるやつをどうはめ込んでいくかっていうことをリーグ戦の前は考えていくわけだから。(練習メニューは)コーチと一緒に決めているよ。『1月まではこんなメニューにしてくれ』とか、『2月からはこういったメニューにしてくれ、失敗してもかまわないよ』といった自分が考えていることやテーマをコーチに伝えて、具体的に作っていくのは林コーチ。それを見て『ここはこうしようか、こう変えてくれ』と話して、完成する。要はリーグ戦からの逆算。逆算していって今何をやるのかっていうことを考えてメニューは出てくるから。(林コーチは)いいコーチだよ。新垣コーチもいいコーチだったしね。(年齢の違いなどで自分との違いを感じる部分は)もちろんある。若い人は若さをどんどん選手に出してくれればいいし、おっさんはおっさんらしく(笑)。(選手との接し方の面などでも林コーチとお話は)自分は基本的に『思ったことをどんどん伝えていけ』と(林コーチに)話している。(鈴木大智さんを主将に選んだ理由は)一番は毎日ムラのない人間性。ずっと大智を見てきたときに、毎日あいつが波なく野球ができている。だから信用できる。 (同学年にも何か話を聞いたりは)したね。大智の代全員に推薦させた。(副将も同じように)そう、同じ。(多少ポジションの考慮なども)あるね。(東都の開催日程が変わったがそれについて選手とは)何も話してないね。もっと近づいてから話す。タイミングを見て、放置していい情報とそうではない情報を一つ一つ潰していくだけだからね。例えばリーグ戦の日程なんかは、今は放置していい情報だからまだ話してないよ。 (最上級生はリーグ戦の出場経験が少ないが、そういった面での声かけもこれから行うのか)そうなるね。(試合経験の少なさはどのように教え補っていくのか)例えば試合経験が少ないからもしかしたらこういうミスが起こるかもしれない、こういう心境になるかもしれないっていうことを前もって伝えていくよね。緊張するかもってなればこの選手はどう緊張をとりながらアプローチ掛けていこうってなるよね。 (一人一人ノート交換などは)そういうこともやる。この間はキャンプに来てる4年生全員ご飯連れて行った。毎回やってるよ。キャンプ行く前はむこう(東京)で4年生全員を飯に連れて行ってる。そこで『(キャンプに)行く選手は責任もってやれよ、残る選手は残ってちゃんと留守番してくれ』っていうことを伝える。団結力を作るために。残る選手は『監督がいない間俺たちが留守番してやるぞ』、キャンプに行く選手は『残るやつのために無駄なキャンプにはしないぞ』って思ってもらうために。俺が来てからずっとやっている。(選手と関わる上で気をつけていることは)特別は無い。考えたことを伝えてるだけ。気を遣うってことはない。こいつのためにどうしてやったらいいかな、今こういった状況だからこういう声を掛けたほうがいいな、今は緩んでいるから少し厳しく言っておこうとか、そういう見方しかしてない。 (新入生のキャンプメンバーに投手捕手がいなかったが)まだ新入生の投手と捕手はこの春使わないだろうっていう予測をしている。決めてるわけじゃなく、単なる予測だよ。逆に野手は、春から試合に出るかベンチに入る可能性があるだろうなって思ったから、野手だけ8名連れてきた。(新入生の印象は)まだわかんないよ(笑)。(新2年生以上と違うと感じる部分は)そりゃあ山ほどある。新2年生以上はどう考えて駒澤の野球をしなきゃいけないのかっていうことをこの1年間で気がついてるけれど、その選手たちとこれから何が起こるのかっていうわからない新入生じゃ動きも声も表情も全然違う。俺に対する挨拶ひとつとっても全然違う。『人に挨拶するときは笑顔で』と言われ続けてきた2年生以上と、何にも言われてない1年生とじゃ全然表現も違う。でもそれはそれでいいんじゃないの、これからだから。今新1年生って新しい食材で生なんだよ。生のジャガイモ(笑)。で新2年以上はもう鍋の中でいっぱい煮込まれてるわけ。で今は切ったばっかりの生のジャガイモをここにちょうど入れたところなんだよ。だからこれからグツグツ煮込んでればだんだん味が付いていくんだよ。でも今は放り込んだだけだから、これから味が付いてくるんだな。(その味の付け方も人によって違うのか)当然。形も変わってくるよ。同じように切ったはずのジャガイモが、煮上がったときには1個1個形違うでしょ?でも全部同じおいしい味になるでしょ?そういうふうにしてやりたい。形は違うけどおいしい味の人間に。人として成長したなって思えるように(私生活面での指導は)いわゆる私生活っていう言葉を指導者が使ったら、『真面目にしなさい、きちっとしなさい』っていうイメージがあるよね。そんなことは別に求めてない。『きちっとしなさい』ではなく『若者らしくしなさい』と言う。(若者らしくというと)遊ぶときは思いっきりはじけるだろうし、そういうことをちゃんとけじめをつけて動けるようにっていうのは言う。その時に、だらしなくしてるしてる人間に人が集まってくるか?っていうことなんだ。お前に人が集まってくるような時間を過ごせとね。ほかのこともいっぱい伝えてるけどね、これを言えば選手は理解する。暗い奴や言い訳ばっかりしている奴、何かを人のせいにばかりしている奴には人集まらない。それが私生活だと思っている。(そういったことを全体に同じように声を掛けるのか)そう。(リーグ戦での成績や最終目標はもうお話しされているのか)日本一だよ、それ以外無いんだよ。(監督から声をかけていくのか)当然選手もその頭しか無いと思う。(今年の目標を決めるミーティングなどは)目標ということではなくて、色んなテーマでミーティングするときにさっき言った礼明慮も出てくるし、日本一も出てくるし、自己犠牲っていう話も出てくるし、全員1人ずつの存在意義っていう。補欠とかレギュラーとか関係ないんだよ。全員ここにいる必要、存在意義っていうような話もするし。(一人一人の存在意義とはどのように伝えていくのか)例えば、スタンドで応援してる選手よりスタメンで出てる選手の方が偉いんかって、そんなことはありえんぞっていう話もしてるし。そうじゃなくて、野球を通して日本一を目指しながら全員がこの中で成長していく。試合に出てたら出でる中で成長する、応援してるなら応援してる中で成長していく、ということを常々言ってあるんだ。それで補欠になって我慢できんのだったらもうここにいるなと。ほかに目標見つけなさいと。時間の無駄になるから。大事な19歳20歳21歳っていちばん若くていい年代なのに「どうせ俺試合出られないから練習サボってもいいし応援も適当でいいや」ってそんな勿体無い時間過ごすなってずっと言っている。誤魔化したり嘘言ったりしてここにいる必要はないぞと。それを理解した上で補欠や試合に出るやつが生まれてくるわけ。てことは出られないやつは出ているやつを応援するだろうし、出ているやつは出てないやつが手伝ってくれることに感謝するだろうし、それが一人一人の存在価値。全員が必要な人間。


◆林裕也コーチ
「 (チームの最初の印象は)良い印象しかない。野球的な部分も、人間性も。今時こんなにふうに接することのできる学生がいるんだなと。 (自身の大学在学中との違いは)明るくて、活気があって。その中に厳しさというか、ちゃんとしなくてはならない部分を兼ね備えている。バランスが良くて、毎日グラウンドに出るのが楽しくなるような雰囲気と選手だと思う。(選手に指導する上で気を付けていることは)11月まで自分が現役で選手をやっていたから、選手の気持ちは誰よりも分かっていると思う。選手目線で話すというか、自分は選手の延長線上のような感じ。それは俺にしか出来ないことだと思う。(コーチをやってくれという要望はいつ頃)昨年の春から夏頃。(そのときの気持ちは)うれしかったし、指導者に興味があったが、自分はまだ現役でできると思っていた。前の年までキャプテンをやっていたが、キャプテンが変わって(背負うものが)何もなくなり、自分の中でやりきったという気持ちがあった。体はまだ動くと思ったが、後悔は無かった。この話がこのタイミングで来たということで、これに乗ろう、と。どこかで絶対野球を辞めなくてはならない時が来るから、それがここなのだろうと自分の中で判断した。(コーチを)やりたい人は沢山いると思うが、なかなか来る話でも無いと思った。色々なことを考えてこの話を受けることを決めた。 (私生活の指導は)指導することの半分以上は私生活のこと。社会人から来たからもっと野球のことだけ教えればいいのかと思っていたし、野球のことで教えてあげたいことは今でもたくさんある。だけど、私生活がちゃんと出来ていなかったら野球以前の問題。話をしていると、自然とそういった話の方が多くなってしまう。100人もいるから、ある程度そういうところをちゃんとしておかないと成り立たなくなる部分もあると思う。決まりごとやルールもないといけないし、ちゃんとした考えを持たないといけない。ただ野球だけやっていれば良いということではない。卒業して野球を続ける選手は一握りしかいない。勿論野球を教えたい気持ちもあるから教えているが、それ以外のところも頑張って教えている。 (下級生の印象は)各学年を見比べると、一年でこんなに変わるんだなと。今は新入生が入ってきたばかりだが、新入生と次の2年生は全然違う。一年でここまで変わるのかという思い。3年生と4年生も勿論違う。(どの部分に違いが表れているか)まず恥ずかしがらなくなるということ。聞いていてわかるかもしれないが、声を出すにしても声の質、出し方が違う。と言うのは、新入生と1年生ですごく感じる。後は場の雰囲気を読める、それをわかって行動できるようになるっていう部分。今の4年生はすごくあると思う。そこは大人だと感じる部分だし、3年と4年の違いを感じる部分。(主将をはじめとした幹部に関しては)俺もキャプテンをずっとやってきたから(鈴木が)大変だろうなとは思うが、幹部は皆しっかりしているよね。次の4年生は大人だと感じる。 (練習中など声を出していこうとコーチから選手に声掛けすることは)選手だけでやるより一緒にやった方が盛り上がるから、怒るとかではなく声をかけていく感じ。その方が盛り上がるなっていうのはやっていて実感するから、なるべく自分も声出して、動けるところは動いてというふうに一緒に盛り上げていけたらなと。(ノックの時の声などは)気をつけている。一緒に出してやれるように。 (選手と一緒にというのは選手との年齢が近いというのもあるのか)それもあるし、自分は11月まで現役でやっていて指導者の経験もないから、そんな奴がいきなりコーチ面するのもなと。自分がもし選手の立場だったらどうするのが一番いいかなと考えた時に、なるべく一緒に、同じような感じで声を出していけたらと。大倉監督も明るくて選手との距離は近い方だと思うけれど、それとまた少し違うというか。(指導者になるにあたり不安などは)あんまりなかった。教えることに関しては自分の中でいっぱい引き出しを作ってきたつもり。言葉とか。時間の流れやメニューに関してはまだわからない。1日の流れで、このメニューをやるにはこれくらい時間がかかるというのがまだわからない。そういう部分は選手目線でやっていたなと思う。メニューは自分が考えているが、時間の感覚が掴めないから、選手に伝えきれてない部分もあるのかなと思う。なるべく事前に言ってあげるとか、ホワイトボードに書いて出しておくなどなるべくわかりやすくはしてるけれどそこがまだ毎日不安。そこができてくればもっと違う部分に目線を持っていけるのにと思う。まだそんなに余裕がないね。(そういった面で大倉監督と相談は)するよ。ある程度の時間になったら「監督、明日どうしますか」って聞く。本当は自分が朝とかに持って行って確認してもらうのがベストかもと思うが、自分にはまだそのキャパがないから。相談させてもらって「いいよ」と言われる時もあれば、監督がやりたいことのある日は「これもやろうよ」といった感じで。(メニューの軸、基本は林コーチが作られているということか)そういうこと。学生コーチと一緒に考えているよ。監督はざっくりやりたいことをつたえてくれるから「実戦をやりたい」と言われたらそういったメニューを考える。時間配分しながら選手全員が回るように、何もやってない選手がいないように考えて組んでいる。 (ポジションごとの印象は)自分が野手出身だから野手中心に見ているが、思っていたよりもいいと思う。投手は去年投げてたのが4年生で、経験の少ない投手が多い。でもそういうのは仕方ない話だし、みんなが競い合って勝ち取って貰えればと思う。その競争の中でやっていけば面白くなるとも思うし。(野手のなかでも特に見ている部分は)内野手出身だけど、社会人の最後の方は外野もやっていたし、場所でどこが、というよりはその選手を見て、言ってあげたい部分なんかを考えている。その上で、内野手として外野手として、それぞれ気をつけることなんかはあるけれど。 (自分の思ういい選手像は)野球選手はみんな技術を高めようとするが、その中でさっき自分が言ったような部分に目線がいく選手といかない選手がいる。どっちかだけではだめ。自分がやってきて感じたことだから、そういうのを通して伝えていきたい。自分も学生時代、技術以外の部分が大事だと何度も言われてきたし、大事なのは分かっていたつもりだったが、なぜ大事なのかわからなかった。社会に出てから、いろんなものが繋がってようやくわかった。そういうものを選手たちに伝えていきたい。上のレベルに行けば、そういうことは当たり前だから。(自分が社会人に出てから学んだことを学生に伝えるのは難しいか)いやもう難しい。伝わっているのか?と思うこともある。でも今は伝わってなくても、いつか自分の言ったことがわかってくれればと思い言っている。(なりたいコーチ像は)できる限り今みたいな感じにしたい。歳をとっても、距離の近いというか、一緒に体力が続く限りやってみたいし、自分の問いかけに『はい』だけでなく『どう?』と聞くと『こう思ってます』と言ってくれるような会話のできる関係。そういう面で大倉監督には今すごく勉強させてもらってるよ。(チームの目標は)ずっと日本一って言ってる。せっかくやるなら勝ちたいから。  」

1部リーグ対亜大第1回戦は4月8日(月)14:00~明治神宮球場で行われる予定。

■明治神宮球場へのアクセス
JR中央線 千駄ヶ谷駅 徒歩15分
JR中央線 信濃町駅 徒歩15分
銀座線 外苑前駅 徒歩5分
大江戸線 国立競技場駅 A2出口より徒歩10分

※掲載が遅れましたことをお詫び申し上げます。

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