• 初出場にして、判定をものにした鍔田=水戸桜ノ牧高校常北校で(田上佳雅撮影)

  • 代替わりして主将となった嶋田。もちろん狙うは日本一。

  • 敗れはしたものの、成長を見せた完山

  • 試合中盤から自分のリズムを取り戻した藤山

  • OBの金中は開催地である茨城県代表として活躍している

全日本開幕!初出場の鍔田が金星挙げる

[ボクシング部]第88回全日本ボクシング選手権大会(2018年11月15日 20時19分)

 11月14日より第88回全日本ボクシング選手権が開催されており、駒大からはOB3人を含む11人が出場している。15日には1回戦が行われた。結果は以下の通り。

【フライ級】
●小川達也(営1) WP0-5 坪井智也(自体校)○
○田中亮明(16年卒) WP5-0 佐藤雄亮(自体校)●

【バンタム級】
○鍔田昂成(仏1) WP3-2(29-28,29-28,28-29,28-29,29-28)中岡蓮(愛媛総合警備保障)●

【ライト級】
○金中竜児(17年卒) WP4-1 齋藤麗王(東農大)●
○嶋田淳也(歴3) WP5-0 細野勝悟(大商大)●
●完山隼輔(経1) WP0-5 藤田健児(自体校)○

【ライトウェルター級】
●佐々木光大(応2) WP0-5 大内舜也(芦屋大)○
○藤山義範(商3) WP3-1(28-28,30-27,29-28,28-29,29-28) 國分奨吾(東農大)●

 今年もアマチュア日本一を決める全日本が開催される時期がやってきた。多くの選手がまずはこの大会の出場を目指し、日々鍛錬を重ねる。そんな大会に、駒大からは地方ブロック大会を勝ち抜いた11人の精鋭が出場した。
 バンタム級で今年のリーグ戦に出場しなかった鍔田が金星を挙げた。試合経験が豊富な社会人を相手に序盤から全開でいく。中盤からは相手の押され気味ではあったが、序盤の押しの強さが決め手となり、逃げ切り勝利。これについては本人も「夢にも思っていなかった」という。自分さえ知らない実力。計り知れない可能性を信じて、明日も格上と戦う。
 一方、敗れた選手も見えた課題に対し、自分の足りない部分を確認するなどして、前向きに捉えている、駒大勢として今大会で最初に戦った小川が相手にしたのは、現役時代リーグ戦無敗の驚異的な実績を残した社会人1年目の坪井。階級を1階級上げてきたが、パワーなどの全体的な面で圧倒されてしまう。しかい、「あれほどの選手に対して3ラウンド戦えたことを自信につなげていきたい」と前を見据えている。今年の福井国体ライト級チャンピオンの藤田に対し挑んだ完山も、実際に戦ったことを通じて自分の成長を実感した様子。早くも来年のリーグ戦に目を向けている。
 明日は軽量級の要となるライトフライ級の長谷部や重量級の選手らも初戦を迎える。平成最後の全日本選手権で日本一を掴み取るのは、誰なのか。


◆林田太郎コーチ
「(今日の結果を総じて)勝った者も負けた者にも言えることだが、自分のやるべきことができれば良い結果につながる。負けた者はなぜ勝てなかったか、そこには自分の長所を出せなかったとか、自分の特性を生かせなかったりという部分があると思うので。(鍔田選手に勝利については)1ラウンド目が良かった。その印象が強くて、2ラウンドは取られたけど、3ラウンドは五分五分というところで最初の印象が良かったことが評価につながった。(藤山選手の判定は割れたが)割れる試合では無かったと思う。藤山はパンチをもらってはいたけど、負けはしないと思っていた。(明日に初戦を迎える選手もいるが)初戦というのは試合を重ねている選手でも難しいものだと思うが、より強く相手をイメージして。練習でやったことしか試合には出ないので、それをしっかりやること。相手も勝ちたいという気持ちがあるので勝つのは簡単なことでは無いが、どれだけ練習を重ねたか、それが初戦で見えてくる。(今大会で特に注目している選手は)嶋田選手は今日の試合も良かった。勝つためには試合の中でやるべきことをやらないといけないし、自分の得意なことをやらないと勝てない。ただ相手によっては簡単にできない相手もいる。例えばジャブを突こうとした時に相手が前に出てきたらなかなかジャブを突けない。そういうときに距離を作ってからジャブをするとか。要するに相手に対して簡単にはできないと思ったら自分が相手に対応しなければいけない。相手が後ろに下がるならステップで距離を詰める。その対応力が嶋田にはある。セコンドの時に言ってすぐに実行できる、言ったことがすぐできる選手は強い選手。(主将としての嶋田選手は)(チームが)締まる。口数は少ないけど、しっかり背中で見せてくれるキャプテン」

◆鍔田昂成
「(初出場の全日本選手権について)高校時代もあまり実績を残せていなくて、今年のリーグ戦に出たわけでも無いので、いきなりこんな大舞台に出られるなんて夢にも思っていなかった。最初は現実味が無かったが、いざ試合をやってみると『自分はできているんだな』という嬉しさや、それなりの力がついてきたことを実感した。学ぶこともいろいろあった。(大会に臨んだ心境は)自分はまだ1年生なので、自分より強い相手がいて、そういった人たちの胸を借りるつもりで(臨んだ)。(勝因は)最初のラウンドの印象では。後半から崩れていってしまったので、初めのポイントで印象づけられたかなと。(明日は東農大の松本選手が相手だが)勝てる確率が低いのは分かっているので、それこそ胸を借りるというつもりで、自分がどこまでやっていけるのか、チャレンジ精神でいきたい」

◆主将・嶋田淳也
「(今大会の目標は)優勝。(初日の入りとしては)いつも初日はあまり動きが良くなく、今日もそんなに良くはなかったが、まずまず。(キャプテンとなったが理想像は)口で言うのがあまり得意ではないので、自分が一番練習して、その姿を見てついてきてくれたら良い。後ろ姿で引っ張っていけたら。(同じライト級で特に意識している選手は)明日の相手(=今永虎雅、東洋大)も高校時代に戦って3戦2敗なのでリベンジマッチであるし、準決勝であたる藤田さんも今年の国体で負けている相手なので、リベンジしたい。(先ほど終わった藤山選手の試合について)(藤山)義範は良い動きしてたと思う。1ラウンド目はちょっと硬かったけど、2、3ラウンドで取ったかなと」

◆副将・藤山義範
「(判定が割れたが)初戦というのもあって緊張で動きが硬く、1ラウンド目に思っていた以上に相手がガツガツきて焦ってしまい、自分のボクシングができなかった。インターバル中に監督に『ちゃんとしろ』と怒られて、それで2ラウンド目から自分のボクシングができるようになった。(相手との実力については)普通にやったら勝てるなとは思っていた。自分のボクシングをしたら負けることは無いだろうと思ったが、1ラウンド目の相手の勢いには吞まれた。(今年変えたライトウェルター級については)これまでライト級でやってきたので、他のライトウェルターの選手と比べて自分は体が小さく、ライト級の時に相手の動きが止まるようなパンチを出しても止まらなかったりとパワーでは勝てないなと。今のところ、まだライト級の体なのでスピードや手数で勝負するしかない。(明日の相手(富田真広、中大)について)去年のリーグ戦の時には勝っている。ただそれはライト級の時の話で全然違うと思うが、今日の反省を生かして明日勝てば入賞が決まるので、頑張りたい」

◆完山隼輔
「(相手は国体の王者だったが)高校時代は『あの人強いな』と遠巻きに見てるくらいの存在で、自分が戦って勝とうと思うような人ではなかった。今日戦ってみて手が届きそうに思えた。(特長のリーチの長さは生かせたか)やれたにはやれた。だが、途中で疲れてきた時に崩れて距離が近くなってしまったりという甘い部分も出た。練習ではできることができない場面もあった。そこの甘さが一本足りなかった。1ラウンドと3ラウンドでどっちも僕にポイントをつけてくれた人もいたので、そこのあと一歩があれば勝てたので、甘さを無くして普段の動きをもう少しできるよう。(小山田)監督にも途中、怒られて。(リーグ戦で敢闘賞を受賞して変わった部分は)自信がついた。昨年まで高校生で、大学でも出場した試合は全勝でやれることが分かったし、トップレベルの選手と戦えることが証明されて自信になった。(来年のリーグ戦に向けて)攻撃をもっと増やしたり、もっと抜かりなく距離を保って崩れないように。隙を見せないことを目標にやっていきたい」

◆小川達也
「(今日の相手は強力な選手だったが)相手が強いのは分かってたので、どれだけ緊張せずに体を動かせたか、止まったら負けると思ってたので、止まらないように。(相手が上回っていた部分は)全体的に、パンチの威力もスピードも足の使い方も。唯一勝ったと思った部分は距離の遠さぐらい。それ以外は全然まだまだだなと。(今日の結果を次にどうつなげていくか)チャンプ(になること)。だが、RSC負けとかボロボロにされたというわけではなく、3ラウンドは戦える強さだったなと自信になったので次につなげたい」

◆佐々木光大
「(初戦敗退となったが)一番の原因は自分が苦手とするサウスポーで自分よりもリーチが長い相手だったので、相手がその2つとも当てはまっていた。攻略できずに終わった。(組み合わせが決まってから考えたことは)自分は普段相手より遠い距離でやっているので、そのスタイルで相手の方が遠い時にはどうしたらいいのかなと。自分が逆に近づく方が良いのか。それとももっと遠い距離で駆け引きするのか。ということを実際にやってみてだなと考えて、試合でやったら遠い距離でジャブを出せば当たらないし届かない。近づいてみても相手がカウンターをしてきてどんどん距離が離れていく。もう少し色々なことをできたらなと思った。(国体では3位入賞をしたが、それで自分はどう変わったか)今年の国体3位で大学に入学して初めてしっかりした成績を残せたので自信にはなったが、自信に頼りすぎてしまった。また気を引き締めないといけないと感じた。(今日の結果を次にどうつなげていくか)今年の試合という試合は終わったので、また自分のボクシングを見つめ直して、来年のリーグ戦まで期間があるので、フィジカルだったりスタミナだったりという長い時間かけてできるようなトレーニングをやって構えの基礎から作り直したりしたい。そういうのを見つめ直してリーグ戦で活躍できるようになりたい」


※明日、16日の2回戦には、今日勝ち進んだ選手に加え、ライトフライ級に長谷部大地(経2)、ミドル級に田中裕也(法3)、鬼倉龍大(17年卒)が出場する。11時から試合開始。
(最寄り:JR常磐線水戸駅北口より、茨城交通バス「石塚車庫」下車徒歩15分)

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