• 決勝点を決め走りだす齊藤=東大和スケートセンターで(中川達夫撮影)

  • 決勝点を決めた齊藤と、滞氷選手は菊池の元に駆け寄った

  • 度重なる相手の決定機は菊池が防いだ(田上佳雅撮影)

  • 同点ゴールを決めた小笠原(左)と駆け寄る渡辺、平入

  • 好守に貢献した矢口。決勝点をアシストした(大黒哲志撮影)

ベテラン齊藤劇的ワンタイマー!終了16秒前勝ち越し弾で首位明学大撃破

[アイススケート部](2018年10月07日 20時24分)

平成30年度関東大学アイスホッケーリーグ戦2部対明学大戦が10月7日、東大和スケートセンターで行われた。
結果は以下の通り。

☆駒 大2-1明学大
    (0-0)
    (0-1)
    (2-0)

【得点者】()内はアシスト、〔〕内はゲームシチュエーション
第2ピリオド
26:34 [明]中田(寺崎、髙橋)〔EQ〕
第3ピリオド
32:15 [駒]小笠原(久保田)〔EQ〕
44:44 [駒]齊藤(矢口)〔EQ〕

 今季2部復帰し、3戦を終えて首位を走る明学大を迎え撃った。会場は普段のダイドードリンコアイスアリーナでなく、東大和スケートセンター。公式戦では3部時代の2014年11月7日以来、1431日45試合ぶりにプレーするリンクで、相手の攻撃に苦戦した。
 立ち上がりから不慣れなリンクで単純なミスを連発し、たびたび相手の速攻を受けるが、攻撃から守備への切り替えが遅く、後手を踏み続ける。自陣に走りこもうと狙う相手選手へのマークがあいまいな場面や、パックとは逆のサイドを駆け上がってきた相手選手をフリーにしてしまう場面が目立ち、スムーズな選手交代ができない場面も散見された。多くの時間を自陣で過ごすと、9分48秒には齊藤玄(政4)がボーディングでマイナー+ミスコンダクトペナルティを受けてしまう。それでも決定的な場面をGK菊池亮介(仏2)が止め続け、辛うじて第1ピリオドを無失点で終える。
 その後も相手ペースの展開は変わらなかったが、相手の出足が悪くなった第2ピリオド以降は立て直し、攻撃に転じる時間も増えた。しかし26分、自陣左サイドでパックを奪われると、ゴール前に持ち込んだ相手エース中田誠人にバックハンドシュートを浴び失点。ついに先制点を奪われた。
 それでも最終第3ピリオドに反撃に出る。開始直後、左サイドから小笠原偉大(営1)が立て続けにシュートを放つ。これはいずれも相手GKに止められたが、32分、左サイドを久保田祥生(商3)がドリブルし、センタリング。ゴール右で小笠原が押し込み同点に追いついた。その後数度作られた相手の決定機を菊池がことごとく防ぐと、試合時間残り23秒明学大のタイムアウトから試合が動く。タイムアウト明けの44分37秒、自陣左でのフェイスオフの場面で渡辺慎吾(営4)、齊藤/茂内貴宏(心3)、矢口隼樹(G1)、久保田のスペシャルセットを投入すると、矢口がフェイスオフを奪った瞬間に渡辺、茂内、久保田が相手ゴールに向かって全力疾走。斉藤が相手ゴールクリーズに向かってロングパスを放り込んだ。このパックは渡辺の眼前で相手GKにキャッチされるも、これで得た敵陣内左でのフェイスオフを矢口が奪い、受けた齊藤がワンタイムシュートを放つと、これが相手ゴール内へ。在籍6年目、東大和での公式戦を唯一知るベテランが試合時間残り16秒で勝ち越し点を奪うと、試合はそのまま終了。ここまで無敗の明学大から勝利を奪い、上位リーグ進出に望みをつないだ。勝ち点7で駒大、昭和大、上智大、明学大が並ぶ大混戦となったが、当該校同士の対戦成績により、次戦引き分け以上で4年連続の上位リーグ進出が決まる。

◆渡辺 慎吾主将
「(試合を終えて)個人的なことだが、車酔いがすごすぎて、試合前から顔面蒼白だった。スケートの調子も悪かったし、いろいろなマイナス要素が重なって、自分がやりたいことと、体が比例しなくてすごく辛かった。結果的に勝てたのはすごくよかった。(今日のゲームプランは)明学はこれまで全部ロースコアの試合をしていたので、自分たちもそうなるだろうと思っていた。相手に合わせるのではなく、自分たちがやれることをやろうと意識した。(明学大は無敗だったが印象は)強いというか、負けないチームだと思った。強さで言ったら上智の方が強いと思うが、上智とも引き分けていた。いい試合しているのを見ると、負けないチームなんだと思っていた。(第1ピリオドはだいぶ押しこまれたが) 言い訳になってしまうが、めったにやらないリンクなので、リンク慣れしていなかった。練習場所の関係もあるし、そう簡単に来れる場所ではなかったが、最初から上手く乗り切るためには1回ぐらい東大和で練習しておくべきだったと思う。難しい状況で試合に臨むことになった。でも、もう東大和でやることはないし、どうにかなったのでこれでよかったのかもしれない。(氷上で転倒する選手も複数いたが、どんなリンクだったか) 今までは自分が1年生のときに練習を少しやったのと、練習試合を1回やったぐらいかな?東伏見とは氷の噛み方が違った。歯に噛む感じが違うので、少しフラフラっとしてしまった。一蹴り一蹴りが難しかった。曇ってたし、ボードも低く、感覚が違って1回アウトオブバーンズになってしまった。 (攻守の切り替えの部分で後手を踏んでいたが)リンク慣れしてなかった部分で、パックを置いていってしまったりということがそうなったと思う。(マークもあいまいなところがあったが)リンクによって感覚に差があって、無意識に東伏見の感覚に慣れてしまっていた。『ここがベンチだからここで(相手選手を)待っていよう』と思っても、東大和ではもっと後ろにいなければいけなかったり。無意識に景色やラインで判断してしまっていた部分が少なからずあった。(決勝点の前のプレーは)打ち合わせ通り。隼樹が引く、玄さん飛ばす、3人は走れ、と。俺はゴールを目指して走った。(得点シーンも打ち合わせ通りか)あれもそうで、隼樹が引いて、玄さんが打つ。俺はパスがきて打つ気満々で、ワンタイムを決めて喜ぶはずだったが、取られてしまった(笑)。(ペナルティが多かったが)俺のペナルティは手につかない感じと足が動かない感じのペナルティ。あれはペナルティで止めるしかなかったのでペナルティしたが、他は審判との兼ね合いもある。判定の基準がよくわからなかった。(次戦に向けて)次勝ったらたぶん上位リーグなので、自分たちがやれることをやって、勝つだけ。(改善したい点は)個人はスケートを直すこと。チームは全て」

◆齊藤 玄
「(試合序盤はミスが目立ったが)自分が今6年目で、キャプテンも経験してきているので何となくわかるが、今日の試合は流れが悪かった。その中でプレー以外でもチームを鼓舞できる場所があったらやっていこうと思っていて、悪い流れを断ち切ろうとはしていた。(長い間ペナルティボックスに入っていたが)そこから見ていて、やはりチームが攻められていたので、キーパーの菊池には助けられた部分が多かったと思う。2年生で下級生ながら上級生にも声を張れるので、流れを変えてくれるプレーヤーだと思う。(守備の面では)やはり改善する部分は多い。けど今からやっても技術力は上がらないので、自分が教えられるものを教えてみんなにやってもらってリーグ最終戦で仕上げてほしいなと思う。もっと頭を使えということ。一生懸命やっているのは伝わるが、もっとプレーしてる時でも自分を客観的に見て、全体の位置などを把握できるようになってほしいとデフェンスの部分では思う。(最終ピリオド得点前のロングパスは)相手のチームがタイムアウトを取ったときに話し合いをした。駒澤も勝ちたかったのでロングパスで追いついて取ってほしいと考えていた。自分もフワッとした軽いパスで走れるようにした。最後パックを引いてくれたのが自分の高校からの後輩で、やはり武相高校の絆は深かったなと思う。ドンピシャだったし息もピッタリと合った。(最終戦は)渡辺が1人だけの四年生なので、自分がちょっとでも支えになってあげられればと思う。温かい目でチームを見守っていきたい」

◆菊池 亮介
「(前回の試合ではチームの守備にも問題点があったようだが、今回は)上智戦では相手が自分のことを研究してきていて、弱点を知られていたし、失点してしまう場面を話してはきたが、試合になるとどうしてもできていない部分があった。2失点目と3失点目では相手がゴール裏に回ってきて、うちのDFがスクリーンになってしまって失点したというものだった。止められるように少し前に出てほしいとお願いはしていたが、そういうところができていなかった。今回はそれを踏まえての意識が芽生えてきたと思う。今回、まず守備に関しては相手のマークすべき選手は徹底的にマークしてくれていたし、FW陣もシュートを増やそうという意識で動いてくれていた。ラスト1分も自分たちは勝つんだという諦めない気持ちを持っていた。(齋藤)玄さんの危ないプレーもあったが、全体的にはアグレッシブなホッケーができて強さが出てきたと思う。(試合中、感情をあらわにする場面もあったが)自分がパックを抑えているのに、キーパーチャージしてきて、ヘルメットも飛ばされていたにも関わらず反則がなかなか取られず、謝ってもこなかったので。後で聞いた話によると、チャージしてきた相手の後ろで味方DFがその選手を押してしまっていたようだったので、なかなかとられなかったようだが、絶対に負けられないという思いもあって、感情的になってしまった。(東大和と東伏見のリンクを比べて)東大和の方が氷が硬い。霧も出ていていつもの感覚とは違った。また、試合の進行を見るために時計を見るが、いつものように真上には無いのでいつもと感覚が変わった。(今回の勝利で上位リーグ進出への道が見えたが)これまで一橋大にしか勝てていなくて相性の良い上智大にも負けてしまい、昭和大は去年勝ったが今年引き分けとなり、明学大にしても今回勝ったが上智に引き分けと良い結果を残していたので結果は分からなかった。ここが最後のチャンスだと思っていた。次に当たる筑波大も医学部との合同チームなので絶対に勝てるかどうかは分からないので、可能性が残せて本当に良かった。(筑波大戦に向けて)春大会では引き分けだったが、守り勝ちしたようなもの。医学部の選手がいても、駒澤らしさで最後まで粘り強く勝利をつかみ取りたい」

次戦、対筑波大戦は10月28日(日)20:00からダイドードリンコアイスアリーナで行われる予定。

発行冊子最新号一覧背景(左)

アイススケート部の前後のニュース

発行冊子最新号一覧背景(右)
発行冊子最新号一覧背景(左)

前後のニュース

発行冊子最新号一覧背景(右)