• 盗塁、バントなど小技が冴えわたる鈴木

鈴木裕也「レギュラーは渡さない」

[硬式野球部]ラストシーズンに賭ける男たち⑥(2005年09月14日 01時33分)

 鈴木には誰にも負けないものがある。『バットの短さ』だ。グリップエンドから拳3つほど上を握って打席に立ち、大学通算で.292と安定した打率を残してきた。もちろん、入学当初からこれほど短かったわけではない。
 それは2年前の秋だった。俊足と器用さを買われてベンチ入り。主力選手であった秦(現トヨタ自動車)の負傷もあり、試合出場のチャンスを得る。しかし、青学大・山岸(現西武)の前に手も足も出ず、大きな壁にぶち当たった。すると、太田監督は鈴木を呼んで「バットを短く持ってみろ。もっとだ。どこの大学にもこんなに短いやつはいないぞ」とアドバイス。鈴木は言われるがまま、どんどん短くしていくと、バットの半分より少し下を握っていた。「あの頃は半信半疑だった。でも、短くしてよかった」。ここからヒットの数が増えていった。
 これまで鈴木は1シーズンを通して出場したことがない。今春も1年生の佐々木に開幕スタメンを明け渡した。そして最後の秋、「結果を残して、レギュラーは渡さない」と定位置奪取に燃えている。『駒大野球の申し子』が監督直伝の短いバットで栄光へと導く。
◆鈴木裕也(すずき・ゆうや)
1983年12月9日、静岡県生まれ。浜松商高-駒大。内野手。右投げ左打ち。171センチ、65キロ。

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