• 世界選手権への抱負を語る宇賀地=コニカミノルタ寮で(松本真依撮影)

日本が注目する宇賀地、世界の舞台へ

[陸上競技部]宇賀地強特別インタビュー(2013年08月01日 12時02分)

 8月10日からロシアで行われる世界陸上選手権に出場が決定した宇賀地強(09年度卒、現コニカミノルタ)。世界陸上にかける思いや、宇賀地選手の強さへ迫りました。
※インタビューは6月上旬に行ったものです。

―世界選手権おめでとうございます。今の率直なお気持ちを聞かせてください。
宇賀地:そうですね、まぁ、昨年ロンドンを逃してから今年こそはという思いで1年間やってきて。ただ、標準記録というのが、AとBあって、さらにその上に派遣標準というのが今年からできたんですけど、その派遣標準記録を破れれば、上位8位入賞でいけるという条件で春先やっていて。それどころかA標準すら破れず、正直、かなり厳しい状況にしてしまっていて、日本選手権も、優勝以外は厳しいんじゃないかという事前の情報だったので、勝ちを狙っていたんですけど、中途半端なレースになってしまって、3位ということで、終わった直後は可能性は薄いな、と思って若干諦めていました。そこで、次の目標をどうしようかな、と考えていたので、記者発表で選ばれたときは、正直びっくりしました。

―確信的なものはなかったんでしょうか
宇賀地:むしろもう3番しか取れなかった時点で、もう無理だと思っていたので。

―日本選手権では駒大の後輩と走っていましたが、感想はありますか
宇賀地:大学の後輩だから、ということは特にレース中は考えてないので、それよりも、どうやって勝とうか、ということを考えていたので。

―同レースに出場した中村選手、窪田選手に関して、いいな、と思う部分や負けたくないな、と思う部分はありますか
宇賀地:まったく世代としてかぶっていないので、今どういうことをやっているのかわからないですけど、明らかに僕がいたときよりも高いレベルの試合で、かつ、安定した試合の成績を残しているので、単純にすごいな、とは思いますね。

―世界選手権に向けてアピールポイントはありますか
宇賀地:そうですね、どちらかというと、積極的にいけるほうだとは思うんですけど、そういう部分は失わずにしっかりと攻めるレースをしたいです。ただ、今世界のレベルは今の僕のレベルでは簡単に戦えるものではないので、ただ、無謀になるのではなくて、しっかりと成績を残せるようにとは考えています。

―ホクレンにも出場されますが、なにか準備していることはありますか
宇賀地:日本選手権もそうだったんですけど、意識的に守りに入ってしまうというか、そういうので中途半端なレースになっているので、そういうメンタル的な部分の先入観というか、リミッター的な部分を外したいな、と思っていて、それこそホクレンという記録会、的な要素が強いレースで多少無謀なことをやってもいいのかな、と思っています。

―リミッター的な部分を解消するためにご自身で必要だな、というものはありますか?
宇賀地:まぁやっぱり準備段階でしっかりとした準備ができるという自信があれば、おのずとレース中に弱気になることはないのかな、と思ったりするんですけど、これに関してはほんとに根っこが深い気がするので、常に意識しながら弱気にならないようにしていかないとだめだな、と思ってます。

―大八木監督とはお話されますか
宇賀地:レースで会えばしますね。そういうところも大八木監督は気にしてくれているので。結局引っ張っている、というより前にいただけで勝てていないので、まだスピードもスタミナも足りていない、と総じて駒澤の選手はそういうタイプが多いんだから、仕切るレースをするためにすべての能力を上げていく必要があるんじゃないのか、という話しをしていただきました。

―実業団と駒大の違いはありますか
宇賀地:僕は、ですけど、箱根駅伝を大事に考えていたので、それが大きな違いですね。
ただ、変化として大学にいたときは箱根で勝つためにどうしよう、と考えていたんですけど、今は世界で戦うにはどうしよう、という感じがあって。

―規模が大きくなったということですか
宇賀地:ようやくひとつ階段を登れた、という感じですね(笑)今の駒大の選手は箱根より上を見てる選手がいると思うんですけど、それでもすごいなとは思います。

―今目標にしているタイムや走りをお聞きしたいのですが
宇賀地:タイムとしてはやっぱりだいぶ手の届く範囲に来ている気がしていたので、日本
記録を意識しています。

―これから長距離界を引っ張っていく立場ということは責任感ということはありますか
宇賀地:現時点で日本で一番になれていないので、そんな大々的なことは言えないですが、そういうポジションにきているという認識が甘かったので、そういう認識の甘さが結果として出ているので、やっぱりそういう自分がトップに近い位置にいるということは、今後自覚してやっていかないとだめだな、ということは深く考えました。きっとそういう意識の差が、細かい部分ですけど、結果に反映されちゃうのかな、と思いました。

―ご自身でどういう性格だと思いますか
宇賀地:負けず嫌いではありますね。勝ててないのでなんとも言い難いですね…(笑)

―良くでたところ、悪くでたところはありますか
宇賀地:よく、というか、プラスにでるところは、駅伝のような後ろから追っかける展開のときはかなり燃えるので、そういうところは性格上あっているのかな、とは思いますけど、ああいう勝負のかかったでっかいレースではちょっと勝ちたい、という思いと、負けちゃうかな、という気持ちが混ざって自分を見失っちゃうので、そういうところはマイナスなのかな、と思いますね。

―陸上部の後輩にメッセージがあればお願いします
宇賀地:僕が学生時代できなかったことをやっている子たちなので、各々もっと上のレベルを目指していると思うので、そのレベルを達成できるように、きっと大八木監督はそういうところまで、引っ張っていってくれる監督だと思うので、大八木監督を信じて、腐らずにやってほしいな、という思いと、ただ、僕は中学校の時から駒澤大学の大ファンで、駒澤に入って優勝したいという思いでやっていたので、そういう1ファンとしては、そろそろ箱根駅伝に優勝してほしいな、とは思いますね(笑)

―最近よく大八木監督が強さがたりない、とおっしゃっているのですが、宇賀地さんなりの強さはどういうものだと思いますか
宇賀地:駅伝にくくってしまうとはずさないことかな、と。最低限監督が求めているレベルっていうのがあって、選手はそれが伝わっているので、守りつつ、でも攻める、みたいな。それが強さなのかな、と。

―陸上全体に関してはいかがですか
宇賀地:僕だけじゃなくて、うちのチームとして求めているもので、条件がよくて記録を出したり、勝ったりする、っていうのはほんとうの強さじゃなくて、どんな展開になっても、どんな状態になっても発揮できるのがほんとの強さであり、能力だ、と。常に発揮できる能力がトップレベルであれば、それが強さなのかな、と思います。それば僕自身もそうですし、うちのチームで求めているものなので。

―最後に一言お願いします
宇賀地:世界選手権に関していえば、ここ数年、テグ、ロンドンと期待を裏切ってばかりで、ようやくちょっとは恩返しができる舞台が得れたので、選ばれたということを誇りに思いながら、今まで期待してくれた分をしっかり応えられるように、結果として、応えていけるようにしたいと思います。応援よろしくおねがいします!

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