• バットを短く持って打席に入る平田=神宮球場で

野球部・特集『平田大門』

[硬式野球部]来年度キャプテン!(2003年12月18日 13時55分)

今年1年、苦悩しつづけた選手がいる。
来季から主将としてチームを引っ張ることになった平田大門(仏3)だ。入学して以来、「一番苦しいシーズンだった」と言う今季の平田を振り返ってみようと思う。
春といえば、前半を4勝2敗で折り返すも、後半は5連敗を含む1勝5敗。入れ替え戦ぎりぎりの5位に終わっている。平田は主に5番センターとして出場。しかし、3番や時には4番を任されたこともあった。残した打率は2割8分2厘。この数字に、平田は不満な顔をのぞかせた。「チャンスで打てなかった。それは気持ちの問題で、余計なことを考えていた」。主軸に座りながらも、打点はわずかに4点に終わった。代打を出されたこともあった。「悔しい。でも仕方が無い」と振り返る。
 そして迎えた秋は、春とは全く逆になった。開幕から1勝をはさみ5連敗。「最下位になる覚悟があった」と振り返るように、一時は最下位争いもした。平田も「前半は自分も苦しかった」と言う。開幕直後の亜大戦では2試合連続無安打。遂に3回戦では屈辱のスタメン落ちとなった。「出られないのは悔しい。“打ちたい、打ちたい”という気持ちが強かった」。気持ちの面で自分を見失わないようにという意識が空回りしてしまった。
平田はどん底状態から抜け出すために、良い状態のときのビデオを見た。そこで気付いたのが「バットを短く持つこと」だった。1勝1敗で迎えた中大3回戦。この試合を落とせばリーグ唯一の勝ち点0へ。窮地に立たされた試合で、平田は前日出られなかった悔しさを胸に2安打。復活の兆しを見せた。その後も結果を残し、一時は8番だった打順が3番になったこともあった。平田の復活は駒大の快進撃にもつながり、一転今度は首位争いも展開。日大戦で1敗し優勝は無くなったが、そういう重圧の中で平田は2安打2打点と気を吐いた。結局秋の打率は、3割3分3厘。打撃6位にランクインした。「最低3割だし、超えて良かった。でも満足じゃない」。それは、優勝できなかったこと。「調子が上がるのが遅すぎた」と言うように、責任を感じている。もう一つは、ベストナインを取れなかったこと。打率で平田の上をいく5人の選手のうち、同じ外野手は3人。その3人がベストナインを獲得しているだけに、あと一歩だった。
 4年生引退後、今度は主将という責任あるポジションに就任。言葉より行動でチームを引っ張るタイプ。そのためにも数字的な結果を残したい」と平田は言う。それができたとき、今年叶わなかった願いが叶うのではないか。来季からは、“背番号1”の平田に注目していきたい。
◆平田大門
仏教学部3年。
ここまでの通算成績は、57試合192打数58安打 打率.302(2部の成績は除く)
来季から主将としてチームを引っ張る。ちなみに鹿児島実業高校時代も主将。

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