• 後半3分、同点ゴールを決めた北本(中央)に駆け寄る選手たち=寿城区民運動場で(岩田陽一撮影)

  • 強豪中国に勝ち、観客の声援にこたえる選手たち

決勝に進出!!相手は北朝鮮

[ユニバーシアード2003]サッカー女子準決勝 日本VS中国(2003年08月28日 22時00分)

 勝負をあきらめない、その姿勢が実った。前半早々に2点のリードを許したものの39分に近賀ゆかり(日本体育大学・1年)が1点を返すと後半、途中交代の北本綾子(東京女子体育大学・2年)が2得点と大活躍。強豪・中国を4-2で破り堂々の決勝トーナメント進出を決定させた。
 久しぶりの暑さにみまわれた寿城区民運動場。序盤は両者とも譲らない激しい攻防を繰り返され両者ともに決定機をつくりだすものの得点にはいたらない。そんななか均衡が崩れたのは17分。CKからの混戦を最後はジャング・シュアルに決められ先制を許してしまう。これで集中が切れたのか26分にも得点を許し序盤に2点のリードを許す厳しい展開となってしまう。
 しかし、勝負をあきらめない日本は39分、庭田とのワンツーから抜け出した近賀がシュート。ボールは左のポストに直撃しながらもゴール。1点差と迫る。

 後半、相澤に変え前の試合得点をあげている北本を投入。この采配がズバリ的中する。後半開始から果敢に攻める日本は開始2分・渡辺のクロスを「ゴールだけを目指せ」と送り込まれた北本がシュート。これが左サイドネットに突き刺さり同点。試合を振り出しに戻した。勝利への執念に勝る日本はこの後も中国を攻め立てる。5分、那須の放ったシュートがゴール前にいた庭田の足下へ。フリーの庭田が落ち着いて決め逆転。9分には北本がまたしてもすばらしい個人技から得点をあげ4-2とする。その後も出足が鈍ってきた中国に対し日本はこの蒸し暑い気候のなか最後まで前線で、中盤でプレスをかけ続ける。守備陣も体をはって苦しい顔をしながら最後まで中国の攻撃を跳ね返す。そして主審の終了の笛が高々と告げられると歓喜のときは訪れた。ピッチには両手を掲げる選手達の姿が。ノーマークだったイレブンがついに決勝への切符を手に入れた。
 今泉監督は「本当に選手一人一人がよく頑張ってくれた。」と決勝進出を素直に喜んだ。先制点をあげた近賀も「うれしいです」と声を弾ませた。次なる舞台は金メダルをかけた大一番。「スマップの歌じゃないですけど世界に一つだけの花、その個性がつながりあってチームは強くなってきた。次はこのチームのファイナルマッチですからここでサッカーを出来る喜びを爆発させたいとおもいます」(今泉監督)。勝負を決してあきらめず、純粋にサッカーを楽しむ彼女たち。このチームのファイナルマッチがいよいよ30日行われる。
(サッカー班・内田浩嗣)
■選手・監督コメント
◆今泉守正女子サッカー日本代表監督
「選手が本当に一人一人自分の力を出してくれてチームのために自分のためにプレーしてくれたと思います。選手、メディカルスタッフの団結がこの結果を生んでくれたんだと思います。(北本選手の交代はあんなにはやく的中するとは思ってなかったのでは?)そうですね(笑)。でも、彼女はシュートが非常にうまいし出ていくときもシュートを狙っていけと送り出したんで。(いよいよ決勝ですが)いつもこのチームを立ち上げたときから言っているのが『ファースト オブ ジョイ』といって喜びを爆発させよう。こういう大会で素晴らしいピッチでサッカーを出来る喜びを爆発させようと言ってきたので決勝はそれを爆発させて決勝の相手がどっちになるか分かりませんが戦っていければいいと思います」

◆矢野喬子(神奈川大学・1年)
「うれしいの一言です!失点は自分のマークだったんで2点とられたときは不安でしたけどベンチからいろいろ言ってくれて気持ちを切り換えることが出来ました。今日の勝利はみんながあきらめずに頑張ったことだと思います。このチームはみんな、一人一人意志が強くてあきらめないしサッカーを楽しんでやったから勝てたんだと思います。チームの結束も高まってきてるし、監督も面白く励ましてくれるんでそれでサッカーが楽しいし勝とうって気持ちも高まります。次は決勝ですけど全体に金メダルをとりたいと思います」

◆北本綾子(東京女子体育大学・2年)
「中国は強敵だったんでかてて良かったです。後半、入るとき監督からは点をとること、おもいっきりやることこの2つのことを言われました。点を入ってすぐにとれたときは嬉しかったです。まさか2得点とれると思ってませんでした(笑)。4-2になってからは苦しかったんですけどなんとか「頑張ろう」ってチャンスがあったらもう一点取りに行こうと考えてました。ここまできたら絶対優勝します」

◆近賀ゆかり(日本体育大学・1年)
「ユニバとかがどんなレベルかわからなかったので中国に勝てたのはうれしいし、 ここまできたら優勝したいです。(得点の感想は?)庭田にボールをいれたときあのゾーンではフリーになれるというのがあったんであそこにいれていけば得点になるんじゃないかなと思って。あとは足を振っただけです(笑)。今日は本当に後半、ディフェンスがよく守ってくれました。北朝鮮は代表でも強いし、今大会ずば抜けている部分がありますけど絶対に勝てない相手じゃないし自分たちのサッカーをやって勝って帰りたいと思います」
◇28日11:00◇サッカー女子準決勝◇寿城区民運動場
日本代表 4-2 中国代表
(3-0)
(1-2)

得点者(アシスト)
【中】17分:ジャング・シュアル
【中】26分:
【日】39分:近賀ゆかり
【日】47分:北本綾子
【日】50分:庭田亜樹子
【日】54分:北本綾子

メンバー
DF戸崎有紀(4年)
DF[7]山崎さやか(1年)←86分・百武江梨(2年)
DF[8]矢野喬子(1年)
MF[9]下小鶴綾(3年)
MF[10]庭田亜樹子(1年)←78分・[5]田代久美子(4年)
MF[11]須藤安紀子(1年)
MF[16]那須麻衣子(1年)
FW[17]安藤梢(3年)←41分・[14]渡辺夏奈(1年)
FW[18]相澤舞衣(4年)←46分・[20]北本綾子(2年)
FW[19]近賀ゆかり(1年)
MANAGER
今泉守正
GK[1]ゾウ・ヤンユン
DF[2]ジン・ギアオメイ
DFリウ・ハンナ
DF[5]グ・ユング
DF[15]ジャオ・ユイン
MF[3]ジャング・シュアル
MF[6]ザング・トング
MF[7]ファング・シアオヤン
MF[8]チェン・ヤンング
MF[11]ファン・ユンピョン
FW[9]ワン・ジアン

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