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  • 堂薗圭介(どうぞの・けいすけ)
    奥山飛龍(おくやま・ひりゅう)
    新井良太(あらい・りょうた)
    大野直人(おおの・なおと)

    ラストシーズンに賭ける男たち・前編

    [硬式野球部](05/09/17 00:00)

     8月14日に1971年から駒大野球部を率いた太田監督の勇退が表明され、太田監督が最後の指揮をとる東都秋季リーグ戦が9月3日に開幕した。
      そして、監督とともに今季リーグ戦で野球部を去る4年生も、優勝に賭ける思いは強い。初戦の相手は立正大。1回戦はサヨナラでやぶれたものの、2回戦では坂田篤彦が勝ち越し適時打を放ち、奥山飛龍が試合を締めた。3回戦では秋山章悟が大学初完投と4年生たちの活躍で立正大から勝ち点を奪う好スタートを切った。
     昨年04年は最終戦までもつれたが中大に破れ、優勝を目の前にしながら4位でシーズンを終えている。01年の優勝を知るメンバーいない。しかし、自分たちの世代で優勝を勝ち取り、下級生に「強い駒大」を伝えるため、「ラストシーズン」に賭ける7人の4年生を紹介する。



    「ひと花咲かせる」
    ◆堂薗圭介(どうぞの・けいすけ)
     4年生の外野手で唯一チームに残ったのは堂薗だ。オープン戦、接戦となった東海大戦でも途中出場ながら2打数2安打1打点と勝負強い打撃が光る。ラストシーズンも代打での出場が多そうだが「出番が少ないのはわかっている。だから調子が悪いとか言っている場合じゃない」と目の色を変えている。
      堂薗は入部当初から毎日欠かさず野球ノートを綴ってきた。技術的なことはもちろんだが、ミーティングで首脳陣から教わったこと、印象に残った言葉なども書いてある。勇退の決まった太田誠監督の言葉の節々から4年生が中心になってやってほしいという気持ちが伝わったという。「ひと花咲かせなかったら…と、情けないことを考えると目が覚める。こうやって自分にいいプレッシャーをかけてやっていくしかないし、咲かそうという気持ちでいっぱいです」。8冊目に入った最後のノートに優勝の二文字を書き入れたい。
    1983年9月13日、鹿児島県生まれ。
    鹿児島玉龍高−駒大。外野手。右投げ左打ち。182センチ、77キロ。


    「一発かます」  
    ◆奥山飛龍(おくやま・ひりゅう)
     大学最後の夏、奥山がひと回り大きくなった。オープン戦8試合に登板してなんと自責点ゼロ。直球、変化球のキレが格段に増し、相手に的をしぼらせないピッチングで六大学や社会人の強打者もほぼ完ぺきに抑えこんだ。奥山は好調の要因を「体調がいいから全体的にレベルが上がった」と分析する。
      何に対しても妥協しない性格で、見事に野球と学業を両立。すでに卒業単位を取得した。一般学生よりも優秀な成績の科目も多く、教員免許も取得間近だ。もちろん、いま体調が良いのにも理由がある。「ビタミン不足を常に補い、暑くても冷房をしないで長袖を着て寝る」。毎日の練習と、徹底した自己管理が実を結んだのだ。
      3年の春から登板機会を与えられ始めたが、左のワンポイントとしての起用がほとんどだった。それが今では「むしろ右打者のほうが投げやすい」と自分のピッチングに自信を持っている。多くの武器を身につけた奥山がマウンドに上がったとき、それは勝利の方程式となるはずだ。
    1983年4月4日、東京都生まれ。
    都立八丈高−駒大。投手。左投げ左打ち。169センチ、65キロ。


    「すべては勝つために」
    ◆新井良太(あらい・りょうた)
     「目標がある」「根拠がある」。新井は何度もそう繰り返した。この秋がどれだけ重要なのか、痛いほどわかっている。太田監督の勇退と500勝がかかったラストシーズン。自分たちも優勝を知らない世代と言われている。「もちろん、プレッシャーはある。でも、不安はない」と主将は言い切る。その表情は自信に満ちあふれていた。
      1年の春から4番を任され、新チームでも当然のように主将を任された新井。しかし、二部降格、2年春の故障、昨秋の大スランプ…。いくつもの地獄を味わった。そして今春も、最大の目標である『優勝』を成し遂げることはできなかった。
    絶対にこのままでは終われない。「全部で今までと違う野球を見せてやろう」と、新井は強い想いを仲間に伝えた。どんな練習でも試合を想定し、1球の大切さを噛みしめた。結果を出すために、チームの方向性を明確にした。「やることはやった。同じことを神宮でやれば大丈夫。今までやってきたことはすべて、一本の線でつながっている」。新井主将のもと、チームはひとつになった。
    4年生が、そして主将であり4番でもある新井がチームを引っぱっていかなければ優勝はない。「ラストだから、監督と一緒に楽しんでバカになってやる」。大きすぎる重圧をすべてはねのけ、最高の形で恩師の花道を飾り、最高の笑顔でラストシーズンを締めくくる。
    1983年8月16日、広島県生まれ。
    広陵高−駒大。内野手。右投げ右打ち。187センチ、89キロ


    「悔いは残したくない」 
    ◆大野直人(おおの・なおと)
     自分の仕事はわかっている。それは「ピッチャーをベストな状態でマウンドに送ること」。笹倉の成長や負傷の影響もあり、大野はブルペンで過ごす時間が長くなった。投手に積極的に声をかけ、誰よりも大きな声を出して鼓舞しつづける。オープン戦ではその投手陣が結果を残した。
      接戦で踏ん張りきれず、痛い星を落とす試合がつづき結局4位に終わった春季リーグを「野手と投手がかみ合っていなかった」と振り返る。そして、最終戦となった日大3回戦。代打で登場して適時打を放ったが、走塁ミスでアウトとなり反撃ムードに水をさしてしまった。春のリベンジに燃える大野は「今はすごく信頼関係ができている。4年間で初めて」というほど、投手陣に手応えを感じている。また「代打で出されたときは悔いを残したくない」と雪辱を誓った。
     出場機会は決して多くない。それでも、投手陣の整備や大事な場面での代打を任される大野はチームに欠かせない存在だ。「太田監督を胴上げすることがみんなの目標」。それを達成するためにも、今シーズンに4年間のすべてをぶつける。
    1983年5月12日、千葉県生まれ。桐蔭学園高−駒大。
    捕手。右投げ右打ち。172センチ、71キロ。


    後編に続く


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